50代男性の転職活動について「厳しい」というイメージをお持ちでしょうか?
一般的に考えれば、50代と言えば部長職などの上級管理職や、人によっては執行役員など経営を直接指揮する企業トップのポジションを確固たるものとして、転職は必要がない世代と捉えられがちです。
また、一方で企業業績の不振や、産業構造の変化による事業撤退など、企業サイドの事情により転職を余儀なくされるケースも少なくないのが現実です。
当然、30代などの若手人材に混ざって熾烈な転職市場を勝ち抜くのは容易ではありません。
【50代女性転職の現実】女性が未経験職種や再就職する時の問題点
しかし産業構造の変化だけでなく、少子化という社会構造の変化の影響を受けて、以前とは異なる50代の転職事情というものが最近現れはじめています。
今回は現在の50代転職市場の状況とそのなかで勝ち抜くための方法についてお伝えします。
【2018年11月13日公開】
目次
50代男性の転職は厳しい?→実は増えている
かつての転職市場で定説として揺るがなかったものに「35歳限界説」がありました。
年齢が高齢化するにつれて、好条件での転職や異業種・異職種への転職に関しては、依然として厳しいという現実もあります。
しかしその一方で「少子超高齢社会」という社会構造の変化を受けて、深刻化をする「人手不足」を解消するために、50代人材へのニーズが高まってきているのも事実です。
≪参考:「転職市場50代以上も活況!経験求める企業、決定数8年で倍増」産経新聞より≫
上記グラフが示すように、転職市場における50代人材の転職成功件数については、この8年間で実に2倍となっているという現状です。
35歳転職限界説というのは、もはや過去の話として考えることが適切と言える状況となっていることがわかりますね。
関連:【50代・40代向け】人手不足の業界ランキング【2018年最新】
50代男性の転職活動成功のポイント
では具体的に、50代男性が転職を成功させるためにはどのような点を抑えるべきか3つに分けて解説して参ります。
ポイント1:職位および年収を下げる
50代人材の転職が難しくなる理由の1つが「職位・年収が高い」という点にあります。
50代ともなると職位については部長職以上の上級管理職という人も少なくないでしょうし、部長職以上ともなれば年収に関しては最低でも1000万円以上という高額所得者となります。
いかに実績がある上級管理職人材だとしても、自己都合による転職で別企業に移る場合には、同じ条件で転職するということは難しいでしょう。
職位で言えば課長職、年収も3割程度のカットは覚悟をしなければなりません。
関連:【50代転職の現実】給料が上がるケースはほとんどないのか?
ただし、入社時に一時的に職位や年収が下がったとしても、成果報酬という形で年度末の査定時に補填する賞与が支給されるケースがあります。
また、入社後の実績に応じて半年程度で部長職に昇格するケースなども多くあります。
よって入社する際の職位や年収というものに大きくとらわれすぎないことが成功のポイントとなります。
ポイント2:英語力を向上させる
50代人材の共通する弱点が「英語力の低さ」にあります。
現在採用活動を進める多くの日系企業が描く、これからのビジネスイメージが「縮小する国内売上を補う、海外戦略」であることは少なくありません。
この新規ビジネス推進を担える「バイリンガル人材」が大前提となった転職市場の動きは、近年間違いなく活発になっています。
この市場動向に対して、50代の人材については高い英語力を保有する割合が、20代~30代に比較して圧倒的に少なく、語学力の低さを理由に早期退職へと追い込まれる50代管理職も少なくありません。
裏を返せば、英語力を向上させることで、貴重なバイリンガル50代人材へと転身することが可能なので、これまでのキャリアを活かすためにも英語力を向上させることは重要です。
英語力を鍛えるための最短の方法と言えば資格ですので50代の転職に有利に役立つおすすめ資格一覧まとめ【厳選】」も併せてご参考にして頂ければ幸いです。
ポイント3:離職期間を作らない
50代男性の転職で最も重要なポイントとなるのが「離職期間を作らない」つまり、企業在籍中に転職活動を完了させるということです。
転職希望者の多くがあまり認識していないことなのですが、採用企業側は「離職期間」がある人材を強く倦厭する傾向があります。
理由としては「辞めざるを得ない、何等かネガティブな事案があって退職に追い込まれたのだろう」という推測が働くためです。
自分自身のキャリアに自信があり、経済的に困窮していない50代の人に多いのが、とりあえず退職をして1~2ヶ月ゆっくりと過ごしてから改めて転職活動を進めようというパターンです。
しかしそうして離職期間を作ってしまうと、転職先が1年以上決まらずに後悔するケースがほとんどとなります。
関連:50代で会社辞めたい・限界と感じた時にまず考えるべきこと
財閥系商社のような大手企業でハイキャリアを築いてきた人材でも、離職期間が1ヵ月以上あると転職活動は非常に厳しくなるのが現実です。
先ずは転職先の目途を立てて、退職スケジュールを計画的に設計するということが重要になることを自覚しましょう。
「離職期間があるのはまずいと分かっているけども、そうせざるを得ない状況なんだよ…」という50代の方もいるかと思います。
もちろん事情があり離職期間を作らざるを得ない状況になってしまう場合もありますが、できるだけその期間は短くするようにした方が良いでしょう。
ただし、身体の病気やうつなど精神的な症状で健康状態に異常をきたしている場合、離職期間以前にまずは心身を正常に戻すことが最優先事項となります。
50代男性の転職活動は正攻法NG!
50代の転職において最もNGとなる方法が「ハローワーク」や「転職サイト」にて求人情報を自ら探して、自らエントリーしていくタイプの、いわゆる「正攻法な転職活動」です。
ハローワークや転職サイトを活用するメリットとしては、一回で大量の求人情報を入手することができる点になりますが、このような求人情報には、50代人材が満足できるような求人案件がそもそも少ないのが現状です。
また、仮にエントリーできたとしても、その他の若手人材と同じ土俵での勝負となってしまい、年齢制限という足切りで面接のステップに進むことも難しくなります。
年齢という変えることができない前提条件のなかで、如何にして勝ち抜くかという戦略を組むことができる転職方法が50代には必須となります。
50代で転職先を探すベストな方法は「コネ&人脈」
50代の転職を成功させるうえで、是非活用をオススメするのが「コネ・人脈」によるいわゆる「リファーラル(紹介)転職」になります。
前述した通り50代の転職において、最もネックとなるのが「年齢による足切り」ですので、キャリアや本人意向などを反映せずに、年齢だけで判断されてしまうということが最大のハードルとなります。
このハードルにぶつからずに進める転職の方法が、
・同僚
・上司
・かつての部下
・友人
・知人
・親戚などの縁故
…etc
上記のような、これまで培ってきた個人のコネクションや人脈を活用する「リファーラル(紹介)転職」の最大のメリットです。
50代ともなれば、つながりを持つ多くの人が、ある程度の採用権限を持つ管理職ポジションなどで仕事をしているケースが少なくありません。
そのような、採用権限を持つ人とのコネクションを活かしたダイレクトリクルーティングを自分から仕掛けることや、別の人脈(転職先企業)を紹介してもらうことが50代転職の戦い方です。
これまでの実績や人柄での採用をしてもらうことが50代の転職では非常に重要となります。
50代でコネや人脈がない場合はどうする?
しかしそうは言っても、なかなか人脈やコネが思い当たらなかったり、上手く人材を欲しがっている企業と出会えない可能性ももちろんあると思います。
コネや人脈でのリファラル転職が中々上手くいかない状況に陥ってしまった場合「転職エージェント」と呼ばれるサービスを通じて転職先を紹介してもらうことが最善の方法です。
転職エージェントには"非公開求人"と呼ばれる転職サイトには掲載されていない求人が多く取り扱われているため、50代の人材を欲しがっている企業と出会える可能性も高いです。
「50代だと転職エージェントも年齢が理由で足切りされるのでは?」と思われるかもしれませんが、今では50代の転職希望者を歓迎している転職エージェントも数多くあります。
「50代中高年に強いおすすめ転職エージェント」でおすすめの転職エージェントを厳選して紹介していますので、人脈やコネがない方はぜひ活用を検討されてみてください。
50代で新たなキャリアへの挑戦が上手くいくことを、心より応援しています。
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