事務職の中でも専門性が高く人気がある「秘書」ですが、誰でも秘書になれるわけではなく秘書になるために必要な適性があります。
今回は、現役の社長秘書として勤める筆者の経験から、秘書に向いている人の8つの特徴を解説します。
これから秘書になりたいと考えている方は、自分に秘書としての適性があるかまずはチェックリストを使って確認してみてください。
適性が少ない場合も、努力することで秘書としての必要なスキルを身に付けることもできますので「秘書に向いている8つの特徴」をぜひ参考にして頂ければ幸いです
【2021年9月15日最終更新】
目次
現役秘書が語る秘書の仕事内容一覧
秘書に向いてる人を知るためには、まずそもそも秘書にはどんな仕事内容がありどんな働き方をしていくのか知っておく必要があります。
秘書の仕事と一口に言っても、厳密に言うとその仕事内容は細分化されますので、具体的に細かく解説して参ります。
(⭐️の数が少ないほど仕事の難易度は低い=転職しやすい)
個人付き秘書 | |
グループセレクタリー | |
弁護士秘書 | |
議員秘書 |
秘書の仕事のやりがいは?大変?現役秘書が仕事の厳しさを語る
個人付き秘書
「秘書」と聞いて思い浮かべる方が一番多いであろう、一人の上司に専属でつく秘書のことを「個人付き秘書」と呼びます。
取締役や社長以上の重役につくケースが多く、一人の上司につく秘書は一人とは限らず、大企業では二人以上の秘書がつく場合もあります。
命令系統が一本化されているため、業務内容が明確であることが特徴です。
スケジュール管理や来客対応などの一般的な秘書業務の他にも、上司に代わって折衝を行ったり、社長特命事項など、上司の仕事を直接的に補佐する役割を担う場合もあります。
グループセレクタリー
特定の上司につく「個人付き秘書」と異なり、複数の上司(もしくは役員)、あるいはグループ全体のサポート業務を行う秘書を「グループセレクタリー」と呼びます。
個人付き秘書と同様、担当する上司のスケジュール管理や出張手配、社内外との連絡・調整、電話応対、文書や資料作成などの秘書業務を行います。
個人付き秘書が特定の上司の影武者となりフォローアップするのがメイン業務になることに対し、グループセレクタリーは複数の幹部のフォローアップを効率的に行うことがメインになります。
弁護士秘書
「弁護士秘書」は一般企業の秘書業務に加えて、裁判所への提出書類作成業務など専門的な業務が加わります。
しかし、入社前に専門知識は必ずしも必要ではありませんので、法律に対する知識がない人でも応募することが可能です。
パラリーガル業務(定型的・限定的な法律業務を遂行する弁護士の業務補助者)も兼任する場合は、謄本等の取り寄せや契約書案の作成、判例や資料の調査、その他渉外法律事務所であれば外国語での対応、契約書の翻訳業務なども行います。
議員秘書
「議員秘書」は国会議員の秘書としてさまざまな議員活動を補佐する仕事です。
大きく「公設秘書」と「私設秘書」の2種類に分かれます。
公設秘書とは、国会法に基づき議員が国費によって雇うことができる秘書で、身分は「国家公務員特別職」となります。
一人の議員につき、3名まで雇うことが認められています。
私設秘書は、議員が自費で個人的に採用する秘書です。
人数に制限はなく、多い人では100名近い私設秘書をかかえている議員もいると言われています。
あなた秘書に向いてる?診断チェックリスト
秘書適正チェックリスト✓ | |
□ | PCスキル(Word、Excel、PowerPoint)に自信がある |
□ | ビジネスマナー・一般常識に自信がある |
□ | 自分が前面に立つよりも人を影からサポートすることに喜びを感じる |
□ | 派手な髪色やネイルはあまり好まない |
□ | 人の話を聞くことが好き |
□ | 人に対しての好き嫌いが少ない |
□ | 自ら考えて動くことができる |
□ | 新しい物事に挑戦することに努力を惜しまない |
□ | 予測できない事態に対しても冷静に対応できる |
□ | 人から「明るいタイプ」だと言われることが多い |
□ | 毎日決まった事を飽きることなく正確にこなすことができる |
□ | 常に5分前行動を心掛けている |
□ | 1日に1回以上新聞やニュースを見る |
□ | 整理整頓や部屋を綺麗に保つことが好き |
□ | メールや電話はすぐに折り返すタイプ |
当然当てはまるものが多いほど秘書への適性は「高い」ということになります。
(※15個中10個以上当てはまれば秘書に向いている)
あなたはいくつ当てはまりましたか?
秘書に向いてる人の8つの特徴
秘書に向いている人の特徴は、
気配りができる人
コミュニケーションスキルの高い人
几帳面で臨機応変な仕事ができる人
常に明るく笑顔を絶やさない人
控え目でサポート役に徹することができる人
どんな人とも円滑な人間関係を築ける人
一般常識・ビジネスマナーが身についている人
察する能力が高い人
上記8つに当てはまる人は適性が高いと言えますので、順番になぜその特徴に当てはまる人は秘書に向いているのか一つずつ解説して参ります。
秘書に向いてる人①:気配りができる人
秘書の仕事をひと言で表すと、「上司(役員)が効率的かつ快適に仕事ができるようにサポートすること」です。
上司(役員)から指示を出される前に先回りして用意をしたり、上司(役員)のタイプを読み取って相手が求めることに対して的確に応えることができる人は、秘書への適性があると言えるでしょう。
人の性格は十人十色ですのでマニュアル通りの対応ではなく、上司(役員)の性格に合わせた行動が求められます。
秘書に向いてる人②:コミュニケーションスキルの高い人
秘書の仕事は上司(役員)へのサポート業務だけではなく、上司(役員)の代わりとなって社内外のさまざまな立場の人とコミュニケーションを取りながら円滑に仕事を進めていくことが求められます。
秘書のコミュニケーション能力が低いと上司(役員)の印象、最終的には会社の印象まで落としてしまうことになりますので、正確かつスムーズに情報を伝達できるコミュニケーション能力は不可欠なものとなります。
日々周囲の人々とコミュニケーションを積極的に取ることで、上司(役員)や取引先の方の好みを把握しておくと話が弾み、仕事がスムーズに進みやすくなります。
秘書に向いてる人③:几帳面で臨機応変な仕事ができる人
メールチェックやスケジュール管理等の決まった業務に加えて、日々発生するイレギュラーな事態へも落ち着いて対応できる能力やスキルが求められます。
ルーティンワークだけではなくイレギュラーな仕事に対してもミスをしたり、仕事を翌日へ持ち越してしまうような人には秘書の仕事は務まりません。
決まった仕事を正確かつ几帳面に毎日続けつつも、上司からのリクエストに対しては柔軟に対応できる人に秘書の適性があります。
秘書に向いてる人④:常に明るく笑顔を絶やさない人
秘書は上司の代理として社外関係者と会う機会が少なくありませんので、上司や会社の印象を落とさず良い印象を与えることは秘書にとって非常に大切なことです。
そのため、話しやすく明るい雰囲気で人と接することができる人は、秘書としての適性やスキルが高いと言えるでしょう。
秘書が必要になる上司は会社の中でも責任の重い立場にあるわけですので、日々の重責とストレスで疲れ果てていることも多いでしょう。
そんな時、秘書が常に明るく笑顔でいることで上司も快適に仕事に打ち込めるようになります。
秘書に向いてる人⑤:控え目でサポート役に徹することができる人
秘書の業務の役目は上司を影からサポートすることです。
営業や企画の仕事に求められるような数字のノルマがない代わりに、どれだけ仕事がこなせるようになっても自分の意見を前面に出したり、強く自己主張をすることはできません。
ですので、「自分自身が認められたい」という気持ちが強い人は秘書には向いておらず、反対に、上司のサポートができることに喜びや満足を感じられる人は秘書への適性が高いと言えます。
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秘書に向いてる人⑥:どんな人とも円滑な人間関係を築ける人
秘書の仕事は上司の人間関係に依存しますので、社内・社外を問わず上司と接点のあるさまざまな人と交流をしなければなりません。
時には社内の上下関係や複雑な対外関係を意識しながら円滑な交流を図る必要があり、たとえ苦手な相手がいたとしても、そのことを表面に出してしまうようでは秘書の仕事は務まりません。
誰とでも分け隔てなく円滑にコミュニケーションを取れて、上司の仕事がよりスムーズに進むようにサポートできる能力やスキルが必要です。
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秘書に向いてる人⑦:一般常識・ビジネスマナーが身についている人
秘書は社内外の重要な人物や地位の高い人と接することが多い仕事です。
ビジネスの場で相手に失礼な印象を与えることなく、上司の仕事がよりスムーズに進むためのサポートをするためには、社会人としてのビジネスマナーが身についていることが大前提です。
また、ビジネスマナーだけではなく日常生活を送る上での一般常識を持ち合わせている必要もあります。
例えば、食事のマナーや礼服のマナー、手紙の出し方など、一般常識がないと上司に恥をかかせてしまう可能性があるので、一般教養やビジネスマナーは必須です。
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秘書に向いてる人⑧:察する能力が高い人
秘書を必要とする上司は多忙であることがほとんどです。
そのため1から10まで指示をもらわないと仕事ができないようでは秘書の業務は務まりません。
微妙なニュアンスの違いから、上司が何を必要としているのかをきちんと汲んで察することのできる能力が必要です。
たとえば取引先との接待が終わりに近づいてくるのを察して、車やタクシーの手配などを前もって事前にしておくなどのスケジュール管理も必要な業務ですよね。
答えが分からない場合もただ「分からないので教えてください」と言うだけではなく、「これとこれを用意しましたがどちらが必要でしょうか」など、機転を利かせて予め用意しておけるような察しの良い秘書が求められます。
秘書になるには?最短で秘書になる方法
今回は秘書に向いている人の特徴とチェックリストを紹介しましたが、適性があるからと言ってじゃあ必ず秘書になれるのかというと、また話は別です。
秘書は事務職系職種の中でも女性に特に人気の職種で、有効求人倍率は低く競争度は高いので、転職や就職活動の戦略を立てなければライバルに負けてしまいます。
どのような戦略を立てて転職・就職成功の確率を上げていくべきかについては「【現役秘書が語る】秘書になりたい人必見!優良秘書求人の選び方」で詳しく解説しているので、ぜひ今回の内容と併せてお読み頂ければと思います。
また、秘書に強い転職エージェントを活用することで、実際に求人を募集している企業を紹介してもらえたり、秘書への志望動機や自己PRなど選考対策を行ってもらうこともできます。
秘書に強い転職エージェントとしては「doda」と「マイナビ」が2強として有名なのでぜひどちらか1社か両方を併用して転職活動を進めていただけたらと思います。
念願の秘書になるという目標達成に少しでも役立ててもらえたら幸いです。
