「未経験だけど営業から人事になれる?」「営業から人事に転職するにはどうしたらいいの?」と不安で一歩を踏み出せない営業の方に、未経験から人事にキャリアチェンジする方法をお教えします。
昨今、人事になりたいという営業経験者も少なくありません。
しかし、人事は基本的には"経験者採用"が転職市場ではスタンダードになっていて、人事未経験で営業経験のみからの転職はなかなか難しいのが現実です。
また、一言で人事といっても採用、労務、教育研修、人事計画運用等多岐に渡り、どの仕事をメインに目指すかにより必要な努力も異なります。
元人事の筆者が営業職から人事職へ転職する際のイロハを徹底解説して参りますので、営業から人事への転職を検討されている方はぜひご参考頂ければ幸いです。
【最終更新日.2024年10月23日】
目次
営業から人事への未経験志望動機作成のポイント
営業から人事への未経験転職志望動機作成のコツとしては、以下を押さえた志望動機を作成することが重要です。
- 人事の仕事の魅力をアピール
- 他社にはないその会社の魅力
- 営業経験をどのように活かせるか
まず人事の仕事について正しく理解することが重要で、正しく理解した上でどのような点に魅力を感じているのか具体的に記述します。
そして他社と比較し、あなたが志望する会社の独自の制度や戦略に魅力を企業研究で情報収集しアピールしていくと良いでしょう。
最後に営業経験がどのような点において人事の仕事で役に立つか盛り込むことで、魅力的な志望動機を作り上げることができます。
営業から人事への未経験志望動機・自己PR例文まとめ
では早速ですが、実際に営業から未経験で人事への転職成功を果たした方々に取材した志望動機・自己PR例文を具体的に紹介して参ります。
営業から人事への転職理由・志望動機
39歳男性
▶︎化学業界・営業職→化学業界・人事職へ入社長年営業職に従事していましたが、人事という会社組織に一番重要な人に関わる仕事がしたいと思い、転職を決意しました。
営業は会社の製品を扱う業務ですが、人事は人を扱う業務だと思い、転職する前は特に変わりはないのでは?と考えていた事もあります。
会社組織が今後成長できるかは、やはり優秀な人材が揃っていること、既存の人材の教育をしっかり行い、組織が健全に回っていくことだと思います。
営業も会社の成長という面ではとても重要な仕事ですが、自分が頑張った証が形となって残る人事の仕事は非常にやりがいがあると思い人事を志望しました。
営業から人事への転職理由・志望動機
営業では、クライアントから認めら、数字を作るというわかりやすく数値化される喜びがありました。
一方人事では、心身の調子を崩してしまった社員や派遣社員、パートの方々などの相談にのり、悩みを解決していくことで、その方々が心身の健康を取り戻し、元気に仕事をしている様子を見ると嬉しくなります。
また、営業をやっているときは残業に対する認識がほとんどなく、残業に関する世間の動きにも疎かったのですが、人事になると、そうは言っていられないので、社会人としての認識を改めなければいけないと感じることが多かったです。
特に「働き方改革」については、会社によって取り組み方が違うので、最低限の一般的な知識は頭に入れておくことが必要だと思います。
営業から人事への転職理由・志望動機
営業の仕事はある意味自分のペースで自由に仕事ができるため、いわば「個人プレー」でも結果を出せばいいというのがあります。
しかし人事の仕事はどこまでもチームワークが大事です。
自分だけの意見、方針ではなく、皆と協議し、意見をすり合わせ、昇華していかなければなりません。
営業の場合、元気、明るさが大事ですし、相手の趣味や嗜好を知るとか、そういった実務的なことを心がけていましたが、人事の場合は「人を知る」ということが大事です。
そのために私は思想書、哲学書、小説も、いろんな会社の創業者が書いたたくさんの本を読み、人づくりのノウハウを学びました。
営業から人事への志望動機・自己PR例文
営業時代はなんといっても成績を出すことに苦労しました。
数字ではっきりわかってしまう分焦りも感じましたし、仕事が終わらず遅くなるため体力勝負でしたが、頑張った分数字に反映されるのがやりがいでした。
現在の人事では目に見えた自分の評価というのがわかりづらく、年配の先輩が多いため気を使いますが、人事としてサポートした社員が配置した部署で活躍できていると、影でサポートをした甲斐があったと思います。
人事は人を配置したり、サポートする仕事のため、転職活動の際は営業をしながら後輩をサポートしたり、なんらかの取りまとめた役、接待の幹事などでもいいので、人と人との仲介役になり喜んでもらえたという経験があるといいと思います。
営業から人事への志望動機・自己PR例文
40歳男性
▶︎金融機関・営業職→運輸業・人事へ入社私は営業の仕事を一線でやって参りましたが、営業の仕事は実績が全ての所があります。
会社で働く社員の考え、性格、仕事のスピード、適正、陰での努力はなかなか分からず、実績の判断のみに評価される所があります。
そんな中で一緒懸命にやっても、真面目で思い込む社員ほど体調を崩し、退職してしまう社員も多く見てきました。
私は人を見る事が好きで、心理学やメンタルヘルス働きながら勉強し資格を取りました。
仕事は大変なことばかりですが、できれば社員全員が働きがい、少しの幸せ、やりがいを感じて仕事をして欲しい、そんな仕事をしたいと思い人事職へ転職を志望しました。
営業から人事へ実際に転職を成功させた方の自己PRのポイントをまとめると、
人事へ転職したい理由が明確にある(人が好き、人の成長に関わりたいなど)
営業と人事の違いを明確に理解している(数字を追う部分と人を見る部分)
資格や経験など未経験でも本気で人事になりたい熱量をアピールしている
上記3つを押さえられていれば、人事未経験でも営業から入社する可能性が高いことが分かりますね。
さらに「なぜ人事なのか?」という志望理由例文を詳しく見ていきましょう。
なぜ人事なのか?未経験志望動機例文
リフォーム営業▶︎リフォーム会社の人事
営業職として働いてきましたが、店の売上、自分の売上目標、お客様とのやりとり、業者さんとのやりとりなどで板挟みになること多く、ストレスが多くメンタルや体調を壊しやすかったです。
給料面で働いたらその分だけ給料がもらえたため、不満はありませんでしたが、ストレスで無駄なものを買ってしまったりしてまったく満足度は高くなかったし、お金も貯まらなかったです。
人事部で働いている人たちを見ていて、人の育成や営業職の人を管理しているのかやりがいがありそうでいいなと思いました。
ストレスよりもやりがいを感じると聞いていたので人事の仕事に魅力を感じました。
なぜ人事なのか?未経験志望動機例文
求人広告の営業▶︎不動産会社の人事
前職が求人広告業だったので求人媒体の特性を知っていて採用の面で色々なアプローチが可能なことをアピールしました。
転職先も営業会社ではあったので、人事に転職した際には営業マンの立場で物事を考え、現場での指導の経験がありさまざまな立場からの目線で考えることができます。
人事スキルについては未経験ですが、営業職をやりながら説明資料などは自分で作成していたので最低限のPCスキルがあり、攻めも守りもできるスキルを活かせる職場で働きたいです。
労務への未経験志望動機例文
商品先物業界の営業▶︎社会保険労務士
営業職を経験して実際に労働の現場で自分が身を置いていたことで、労働者が直面する問題を知ってもっと良い労働環境で労働者が働けるようになるために尽力したいと思ったので社会保険労務士を志望しました。
私は経営者よりも労働者のような立場の弱い側の助けになりたいという気持ちが強いので、困っている労働者にどういう風にすれば会社と上手くやっていけるかを提案していきたいと思って志望しました。
もちろん経営者が抱える問題も解決したいですがそのためには労働者としっかり向き合っていくことを提案していきたいと思っています。
前職で人事や労務の仕事に触れるきっかけがあったことと、前職の経験をどのように人事の仕事で活かせるかアピールできるかが重要であることが分かりますね。
新卒人事未経験者の志望動機・志望理由例文
ちなみに営業経験もなく、新卒で人事部に就職して配属された方の志望動機・就職理由についても取材したのでご紹介致します。
人事部への志望動機・新卒
新卒でIT業界の人事部へ就職
Q、人事部へ新卒で就職したい理由は?
就職活動を行っていく中で、私に寄り添ってくれるエージェントさんが支えになり、私も人に寄り添い少しでも誰かの将来に関われる人になりたいと思い、採用担当、労務の仕事に携わりたいと考えるようになりました。
エージェントとして人材企業に就職するかどこかの会社の人事部に携わるか悩んだ中で、関わる方もそうですが自分自身や会社が成長していくことに喜びを感じるなと思い、採用まで関わるエージェントではなく、採用後も関われる採用担当や労務の仕事へ転職を決断しました。
Q、その会社を選んだ志望動機は?
未経験でも実力主義で経験させてくれると感じたことと、会社のミッションである言葉についてとても共感したので、今の会社でキャリアを積んでいきたいと思い選びました。
面接の際に人事や労務に興味があると伝えた際に、その人の積みたいキャリアを尊重はしたいと言っていただけたのがとても嬉しく感じました。
未経験であっても少しずつ歩ませていただく中で、採用の現場や労務手続きを実践的に携われるとお聞きし、今の会社に転職できれば、私の描いていたキャリアプランを歩めると感じたので、今の会社へ決めました。
やはり新卒でいきなり人事部への就職を成功させた方は、非常に立派な志望動機を持っていることが分かりますね。
営業→人事へのキャリアチェンジは転職市場価値を高める
人事は営業スキルを活かしつつ、会社の経営に携われるスキルアップチャンスの多い仕事です。
採用業務の場合、自分が採用を決めた人が会社に大きな利益を生み出すこともあれば、会社の損失を生む可能性もある責任ある仕事です。
採用担当は会社の顔として会社説明会や面接官として求職者や外部の人間の前に出る機会も多く、営業で培ったコミュニケーションスキルも存分に発揮できます。
魅力的な応募者を口説くトークや転職エージェントとの交渉でも、営業で培った経験は遺憾無く活かされます。
また他にも、伝える力や講師との調整に能力が要される教育研修、今あるルールを改定し企画運用していく人事計画運用の業務も営業としての能力を活かしていけます。
人事は将来の幹部候補となる可能性もあり、人事への転職は理にかなったキャリアアップ先といえるのです。
関連:人事に向いてる人の9つの特徴【人事歴10年のベテランが語る】
営業から人事へのキャリアプランは?
営業から人事へのキャリアプランとしては、
→スペシャリストプラン
☑️営業から人事にバックオフィスとして職種変更
→ゼネラリストプラン
上記2種類のうち後者が該当すると言えます。
もちろんどちらが良いということはありませんが、一つの仕事を徹底的に追求して専門家になりたい人はスペシャリスト、色々な職種を経験して幅を広げたい場合はゼネラリストを目指すようにしましょう。
営業から人事へ異動するには?
もし今の会社を辞めて転職するのではなく、部署異動という形で社内で営業から人事へ異動するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?
営業から人事への異動を考えている場合は、
- 社内の人事部門とのネットワーキング:既にあなたの会社で人事の仕事をしている人々との関係を深める
- 人事部門での仕事への志望意欲を伝える:あなたの上司やHR部門に、自分が人事に関心があること、または転職を考えていることを伝える
上記2つのステップが必要です。
社内で年に数回異動希望を取る制度の会社もあると思いますので、その際に人事の仕事に対する熱意をアピールするようにしましょう。
ただし大前提として注意しておかなければならないのは、あなたが現在の営業の職務に全力を尽くしていること、または転職があなたのパフォーマンスに影響を及ぼさないことを確認した上で行う必要がある点は留意しておきましょう。
営業職に向いている人の特徴は?
もしあなたが営業職から人事職へ転職や異動しようか迷っている場合は、営業職に向いている人の特徴を抑えることでキャリアチェンジすべきかどうかの判断材料とすることができます。
営業職に向いている人の特徴は以下の通りです。
- コミュニケーションスキル:営業は顧客と頻繁にコミュニケーションを取る必要があります。明瞭に情報を伝え、顧客のニーズを理解するためには優れたコミュニケーション能力が必要
- 説得力・折衝力:商品やサービスの価値を顧客に伝え、彼らが購入したいと思うように説得したり価格や契約条件について折衝することが求められます
- レジリエンス(回復力):営業は厳しい仕事で、時には拒否や失敗を経験することもありますので、前向きに取り組むことができ失敗から立ち直る回復力は重要
- 目標志向:営業ではしばしば売上目標が設定されます。自己管理能力と高いモチベーションがあれば、これらの目標達成に向けて努力ができます
- 顧客サービス志向:営業は商品やサービスを売るだけでなく、顧客の問題を解決することも求められます。顧客を第一に考え、彼らのニーズを満たすことにコミットすることが重要
- 戦略的思考力:営業は単に商品を売るだけではなく、新しい市場を開拓したり、新たな顧客層を開発したりするために戦略的思考力が必要
上記のような思考やスキルを持っている人であれば営業への適性が高い傾向がありますので、転職や異動はもう一度思いとどまっても良いでしょう。
人事職に向いている人の特徴については「人事に向いてる人の9つの特徴【人事歴10年のベテランが語る】」で詳しく解説していますのでぜひ併せてご参考下さい。
営業から人事への転職なら知っておきたい人事の仕事内容
人事の仕事は大きく分けて5つあります。ひとつずつ解説します。
人材の採用
人事は、会社の従業員を雇用するための採用活動を行います。求人広告を発注したり、転職エージェントに依頼したりします。応募があれば、書類選考、面接なども行います。
人材の教育・研修
新入社員や中途社員に社員教育を行うのも人事の仕事です。マナー教育などは専門の会社に依頼することもあります。「どのようなマナーを教えてもらうか」など教育内容を考えてまとめるのは人事が行うことが多いです。
人材の評価・人事制度
社員の評価は現場の所属長が点数をつけ、それに基づいて人事が最終評価をつけます。人事評価によってボーナスや昇給などがかわってくるため、公平性が求められる仕事です。
労務管理関連
社員の勤怠管理、給与計算、社会保険、福利厚生、健康診断などの諸手続きも行います。社員が仕事に集中して働けるような環境を整えるという大切な業務です。パワハラや職場うつで悩む社員も多いので、労働組合のない会社ならとくに必要とされている業務になります。
人事企画
人事は、経営陣のパートナーという側面もあります。企業の経営戦略で重要な「人材」の能力をどのように伸ばして配置するかを考えます。適切な評価と判断は、企業の経営を安定化させるだけでなく離職率を下げ社員のモチベーションをあげることにもつながります。
営業と人事の仕事内容の大きな違い
では、営業と人事の仕事内容の違いについてより詳しく具体的に見ていきましょう。
KPI指標が違う
営業と人事はミッションが違うため当たり前ですが、KPIや目標に違いがあります。
営業のKPI数値 | 成約数、売上金額、粗利、行動目標など |
人事のKPI数値 | 母集団形成の人数、採用人数、予算に対しての費用対効果など |
営業は成約数、売上金額、粗利といった数値に加え、行動目標を組み込まれる会社もあります。
採用は行動目標などはなく、母集団形成の人数や採用人数の他に与えられた予算に対しての費用対効果等も見られます。
労務は業務効率化、教育研修は実施プログラムの効果、人事計画運用は運用後の効果なども目標数値として持っているでしょう。
利益の出し方が違う
営業はお客様との契約によって会社に売上という形でダイレクトに利益を生みます。
対して人事、とりわけ採用業務の場合、自社にとって優秀な人材を採用、定着させることで"間接的"に利益を出します。
労務の場合、正確にスピーディーに業務運営をすることで業務効率化を果たし、コスト削減に努め、教育研修の場合、社員のベース能力を高め、優秀な人材を育てていきます。
人事計画運用は適した評価制度や給与制度を運営することで社員満足度を上げ、社員の働くモチベーション向上に貢献します。
人事の生み出す利益は目に見えづらいのですが、組織を活性化させ相乗効果を生むため時には会社の経営に大きくインパクトを与える事例もあるほどです。
人事の仕事は会社全体への影響力をもたらす重大な役割を担っていると言えますね。
発注権限者(人事)と受注側(営業)
営業は名前のごとくお客様に自社商材をアピールし契約を促します。
人事は業務に必要な人材サービスやシステム、外部コンサルティングを発注する権限を持っています。
人事は与えられた目標達成や経費削減を実現するために必要なサービスを吟味し、予算をつぎ込む決断をするのです。
そのため、営業から仕入れた情報を重役相手にプレゼンをし、導入の稟議を得るので社内向けの事前調整力やことを上手く運ぶための社内政治力もポイントとなる仕事といえます。
人事の仕事内容についてもっと詳しく知りたい方は「人事の仕事内容一覧!未経験者の仕事は?」も併せてお読み頂けると、より理解が進むかと思います。
営業と人事は当然仕事内容も異なりますが、向いている人・向いていない人の適性も異なります。
両職種ともに会社を良い方向に導くという大義は変わらないのですが、そのアプローチ方法が全く違うと言って良いでしょう。
詳しくは「人事に向いてる人の6つの特徴【人事歴10年のベテランが語る】」で解説しているので、ぜひ人事に転職をお考えの方はご参考下さいね。
人事の仕事の魅力とつらさは?きつい?
営業職から人事職へキャリアチェンジするにあたって、人事職の魅力や辛さをイメージしておきましょう。
魅力①採用担当として会社の顔になれる
人事職の中でも採用担当者は、会社の第一印象を作る重要な役割を担います。
応募者にとって、採用担当者との接触は会社全体のイメージを形成する機会です。
そのため、自身の対応が会社の「顔」となる場面が多く、やりがいを感じることができるでしょう。
さらに、優秀な人材を採用することで、会社の未来を左右する決定的な貢献ができる点も、採用担当の大きな魅力です。
魅力②会社組織の成長に直接貢献できる
人事部門としての役割として期待が大きくなっているのは、さらなる事業成長に向けた人員の最適配置・組織構成、そして従業員の成長を支えることです。
例えば、適切な研修やキャリア開発プランを提供することで、社員のスキルアップを促し、組織全体のパフォーマンス向上に寄与することもできます。
人事施策を立案し、組織が発展する様子を間近で見ることができると、大きな達成感を体感できるでしょう。
その他にも、人事の仕事の魅力と言えば「人の成長に直接関われる」「組織文化を形成できる」「会社の売上に採用を通じて貢献できる」などが挙げられます。
人事は言わば会社の顔として説明会などで表に立って人材採用を行ったり、採用業務や労務業務を通じて自身のスキルアップも行うことができる職種なので自身を成長させたい人にとって向いている職種でしょう。
つらさ①リストラなどで嫌われ役になることも
人事職の重要な役割の一つとして、リストラや配置転換といった厳しい決断を伴うものがあります。
社員からの不満を直接受けることもあり、精神的な負担を感じる場面も多いあるでしょう。
特に、人員整理を伴う施策を実施する際には、会社全体の利益を優先する必要があり、従業員の方への思い入れが強い方ほど、個々の事情に寄り添えないことが悩みの種となるでしょう。
つらさ②最新テクノロジーや法改正に対応する必要がある
人事業務は、常に変化する労働法規やテクノロジーに対応することが求められます。
特に労働法などの雇用に関する法律の改正は頻繁に行われ、そのたびに知識をアップデートして必要であれば採用プロセスや人事制度の見直しも行うことになります。
また、HRテックの導入によって効率化が進む一方で、新たなツールやシステムの習得も必要となり、変化に柔軟に対応するスキルが求められます。
社会情勢の変化に合わせたインプットを続ける必要性については覚悟しておいた方がよいでしょう。
その他にも、人事の仕事の辛さやきつい部分に関しては「対人関係の課題」「法律と規定の遵守」「機密情報の取り扱い」「業務量の多さ」などが挙げられます。
職場の人間同士の対立、パフォーマンスの問題、給与と昇進の問題など、すべて人間の感情と期待に直接関わるため非常にデリケートで困難な問題ですし、業務量が多く常に多忙な人事は少なくありません。
そして法律と規定の遵守や機密情報の取り扱いなど法律関連に触れることも多いので緊張感を持って仕事へ取り組む必要がありますし、ストレスもあるでしょう。
その分やりがいも大きいので、組織とその社員の成功に直接貢献するという意味では、人事職は非常に重要で充実した仕事です。
営業と人事の年収の大きな違い
営業職はインセンティブの割合が多い報酬体系があるなど大きな金額を稼ぎ出せるイメージがありますが、実は営業職の平均年収は約379万円と言われており全職種の中で平均すると比較的少ない部類に入ります。
対して人事職の平均年収は経験者と未経験者を含めると多少誤差がありますが、537万円となり400~600万円範囲のいずれかに該当し営業職よりも高いことが分かりました。
もちろん人事職の中でも採用担当なのか労務担当なのか、経験者なのか未経験者なのかによって年収は異なりますが一般的な平均年収のみを比較すると人事職の方が高い傾向にありますので、転職の際に一つの判断材料として下さい。
法人営業経験が人事への転職には必要?
良く「人事に転職するためには、営業は営業でも法人営業経験が必要?」と言われますが、結論、確かに法人営業経験があった方が有利です。
もっと言うと、法人営業の経験の中でも人事担当者と直接やりとりを行う人材会社の営業職であれば、更に人事への転職成功確率は高まります。
しかし、法人営業ではなく個人営業の経験のみであっても、人事への未経験での転職は充分可能と言えます。
なぜかというと、そもそも営業経験者を人事として採用するメリットとして、
・コミュニケーション能力が高い
・数字の意識を常に持っている
・営業の目線から制度作りや仕組み改定に取り組める
・採用担当者として事業や業務内容について説得力を持った説明ができる
…etc
と言った営業として培ったスキルが評価されて採用されることが多いんですね。
営業から人事への転職を志望する志望動機と転職理由をしっかり整理して面接官に伝えることができれば、法人営業の経験は不問なので問題ないと言えるでしょう。
もし営業から人事への志望動機に不安がある場合は、大手転職エージェントdodaを利用して添削してもらった上で選考を受けると通過率が上がるのでおすすめです。
営業から人事への転職成功のポイント
ではここからは、営業から人事への転職を成功させるポイントを解説して参ります。
実績と志望動機を熱意持ってプレゼンする
人事も営業も目的数値に向かい業務遂行をする点は同じですので、営業としての成果をしっかりと伝えましょう。
営業の成果を伝える際は、
・目的数値に対しての達成度
・成功要因
・表彰歴
等客観的に評価しやすい項目も盛り込み、成功を導いた自分の能力や努力も経験談をもとに伝えましょう。
人事の仕事内容は大きく「採用担当」と「労務担当」に分けられますが、特に前者の採用担当者は営業の経験を大きく活かせるポジションです。
実際に営業から人事への転職を成功させた方も、以下のように述べています。
●営業から人事に転職した体験談
転職活動を行っていた際は人事という仕事のイメージがあまり湧いていなかったため、どのような素質をアピールすればいいのか難しかったです。
なるべく人と関わることが多く、リーダーとして後輩を取りまとめた経験をアピールしましたが、営業時代にきちんと成績をあげたこともアピールする方がいいと思いました。
目標を達成することができる、やる気や責任感は、人事職においても間違いなく評価されると感じます。
自己認知を深め、根拠をもとに適した打ち出し方をすることで、採用担当者に「伝える力のある転職者」という印象を与えられ、入社後も人事として活躍するイメージを持たせられるでしょう。
営業としての成果の再現性をアピール
営業職から人事職への転職を成功させるためには、営業で培った業績達成に向けた計画性、再現性を人事職でも活かせるとアピールする必要があります。
例えば、業務で培ったスキルとしては、営業での目標達成能力や交渉力を、採用活動や社員育成の場面でどのように発揮できるかを具体的に説明することで、説得力が増すでしょう。
それに加えて、営業目標に対して、どのような行動計画を立てたのか、その理由、実行してどのような結果が出たのか、という一連のストーリーを具体的に語ることで、人事職としても成果目標に対して再現性のあるアクションをしてもらえると評価を得られるでしょう。
経営や企業の業績を俯瞰するビジネスセンスをアピール
人事は会社の中枢を担う部署であるため、会社に対しても多角的な視点が必要となります。
あまり外部との接触がない仕事も多く、積極的に経営情報や他社競合の状況、他社の成功事例といった情報収集をしなくてはいけないため、外部情報へのアンテナ感度の高さや営業で培ったフットワークの軽さもアピール材料となります。
実際に営業から人事への転職を果たした先輩も以下のように述べています。
●営業から人事に転職した体験談
人事は営業とは全く逆で、社内へと意識を向けて自分とは関係のない部署の事を知り、まずは会社内部の事を知り尽くす事や複数の自分自身以外の人の成長を考えて、頭の使い方や考え方を180度変えなければいけません。
社内には会社によって様々な部署があり、その部署での役割や人員配置、各部署での人件費含めた経費がどれくらいあり、人員を増やすだけではなく、逆に人員削減をしたりしなければならないかなど、考えることは多岐に渡ります。
しかし人事は、自分自身か自分以外の人間の成長という、違いがあれど人が成長していく姿を配属先の選定や研修などを通して喜びを感じれる事にやりがいがあります。
また、転職活動でビジネスセンスをアピールするためにも時事ニュース、応募先企業の業界動向、人事のトレンド等は事前に調べ押さえておきましょう。
人事への志望動機を熱烈アピール
未経験からの転職となると志望動機も重要です。
憧れやイメージだけで応募をしていて、人事の苦労やハードさを知らないのでは、と採用担当者は不安になります。
会社の「人」についてのスペシャリストである人事が採用失敗をしては示しも付きません。
ですから、応募する業務の良い点だけではなく、悪い点についても目を向け、清濁併せ呑む覚悟を面接では伝えましょう。
実際に人事への転職成功を果たした体験談を見てみましょう。
●営業から人事に転職した体験談
営業はあくまでも自分自身との戦いであり、いかに自分自身と向き合い打ち勝つかで成績が左右されてしまいます。
しかし、人事は商品が"人"に変わってくる為、自分自身磨き続けてきた経験を会社の宝でもある社員に目を向けなければならず、最初は四苦八苦する事が多くあるでしょう。
また、人事は就業規則等をきちんと把握して対応しなくてはいけないので、労務の勉強は絶対必要です。
人事では営業の時とは違い、労務に関する知識はほぼ必須と言えるため、本を読んだり周囲の人に聞くなどしてインプットを行うことはかなり大事でしょう。
営業から人事への志望動機については後ほど詳しく例文を用いて解説します。
応募企業に対する具体的な志望動機をアピールする
営業から人事職への転職を目指す際、志望動機は単なる「新しい職種に挑戦したい」という抽象的なものではなく、応募企業の特色や理念に基づいた具体的な理由が求められます。
特に、応募先企業の人事課題を理解し、自身がどのように貢献できるかをアピールすることが成功のカギとなるため、統合報告書やIRなどの公開情報は確認しておきましょう。
また、もし採用担当としてミッションを担うのであれば、企業の魅力を求職者・学生に対してしっかり訴求できるかが重要になります。
そのため、面接段階から志望動機を伝える上で、企業に対して魅力を感じている点を気持ちを込めてアピールしましょう。
コミュニケーション能力を強調
営業経験者が人事に入社したいと考えている場合、コミュニケーション能力を強調するようにしましょう。
採用だけではなく労働基準監督署や消防署の主催する会合に参加するなど、人事は営業職以上に様々な団体とコミュニケーションをとる必要性があります。
営業職ならではのコミュニケーション能力を強調し、会社外の利害関係にある団体と付き合っていけることを強調しましょう。
ストレス耐性を強調する
人事の仕事はストレスが多く、営業職出身者が人事部に異動してきてうつ病で休職することも多いです。
営業職でお客様からの厳しい要求や罵倒に耐えることができたなど、ストレス耐性を強調するようにしましょう。
また、自分の仕事が知らないうちに違法行為となっており、人事課長以上になると、労働基準法違反で書類送検されることもありますので、どんな状況でも平然としていられるストレス耐性の高さを強調するようにしてください。
社員に迎合しない性格を強調
人事の資質として負けん気が強く、社員に迎合にしない性格であることはとても大切です。
営業職として売り上げをあげてきたというだけではなく、自分の信念をもって、納得できないことは納得できないと主張できる性格であることを強調するようにしてください。
経営者や上司の言いなりになるのではなく、自分自身の強い考え方をもって常に行動している人材が人事には必要となります。
ときには経営者に「これ以上やると違法行為になってまずい」とストップをかけないといけないため、しっかりと主張できる人材が好まれます。
営業から人事に転職するおすすめ資格
「人事に営業から未経験で転職するのにおすすめの資格ってあるの?」と思われるかもしれませんが、意外と人事の転職に活きる資格はありそうでないものです。
しかし、日本採用人事輩出協会が発行しているリクルートプランナーという資格は、まさに未経験から人事への転職を成功させるために作られた資格といえます。
このリクルートプランナーの資格は、
「人事の採用担当として転職したい」
「採用担当に配属される予定なのであらかじめ勉強したい」
「そもそもベールに隠されている採用業務が気になる」
という方を対象とした資格で、人事の中でも採用担当業務に特化した2日間の研修を受講することで認定される資格となります。
研修内容はまさに"仮想人事体験"と表現されるように、とある企業の人事採用担当者として「どんな人材を採用するべきか?」「どうやって自社ターゲットに合った人材を採用するか」と言った人事採用業務を一通り体験することができます。
私自身もこのリクルートプランナーの資格を保持しているのですが、実際に人事採用担当業務を教えてもらえる経験は中々ないので、ぜひ興味があればチェックされてみて下さいね。
他にも労務管理に興味がある人は社会保険労務士やメンタルヘルスマネジメントなどの資格も取得しておくと、人事未経験でも営業から転職しやすいでしょう。
☑️社会保険労務士
☑️衛生管理者
☑️キャリアコンサルタント
☑️産業カウンセラー試験
☑️人事総務検定
☑️メンタルヘルス・マネジメント検定試験
☑️採用コンサルタント
☑️人材測定コンサルタント
…etc
営業から人事への転職がおすすめの人
チームプレーが得意な人
人事の仕事は営業と違い、チームプレーが大切です。個人の売り上げ成績をあげるというより、会社全体の利益を考えて判断することが求められます。
そのため、個人プレーよりチームで助け合って仕事をすることが得意な人に向いている仕事です。
モラルの高い人
人事部の社員は社内で一番モラルが高くなくてはいけない、という会社もあります。人事は社員の個人情報、家族構成、社内の機密情報など重要な情報を扱います。
他社に漏らさない、会社内のほかの社員にも話さないなどモラルが高く、口も堅い人に向いている仕事です。
人のために働きたい人
人事の仕事結果は、営業の仕事のように目に見えた数字で表れにくいものです。
仕事内容もデータや書類を扱うことが多く、地味なものが多い傾向にあります。それでも、会社を支える重要な仕事で、社員が健やかに働くためにはなくてはなりません。人のために働ける人が向いています。
営業から人事への転職を成功させる転職エージェント
営業から人事への転職は市場価値を上げるという意味でも非常に価値のあるキャリアチェンジである一方、追うべき指標ややりがいも異なるため、深く人事への仕事理解を進めておかなければ転職を成功させることはできません。
「なんとなく人事は楽しそうだから」という理由だけで転職活動を行っても、間違いなく落とされてしまいます。
そのため、人事職に強い転職エージェントを活用して人事職への仕事理解を深め、書類作成や面接でのアピール方法も工夫して転職の成功確率を上げるための努力は不可欠だと言えます。
下記では人事への転職に特に強みを持つおすすめの転職エージェントを厳選して紹介していますので、本気で営業から人事への転職を目指される方にはぜひ参考としていただければと思います。
doda
dodaは業界最大級の未経験人事求人を誇っており、営業から未経験人事への転職者数実績No.1を誇ります。
未経験者歓迎の人事求人を多数保有しているため、営業経験しかない場合でも人事に転職するための志望動機の作成方法や面接アピールの仕方までノウハウがありますので転職実績が非常に豊富です。
2024年現在は新型コロナの影響でオンライン面談を活用して全国どこに住んでいても転職サポートを受けられるようになっていますし対面面談も可能なので、営業から未経験で人事に転職したい人はまず必ず登録するようにしましょう。
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マイナビ
マイナビエージェントもdoda同様に人事未経験者OKの求人を多数保有している転職エージェントであるのが特徴です。
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