これまで約10年間人事として業務を推進してた経験を元に、人事に向いている人の特徴について今回は徹底解説させていただきます。
「人事の仕事をやってみたいけど、向いてる人ってどんな人だろう」
「人事をやってみたいけれど、採用活動以外のイメージがない」
人事の仕事をやってみたいと考えているけれど、どんな人が人事に向いているかはなかなかイメージが付きにくいですよね。
しかし、人事に向いてる人の特徴さえ抑えていれば、自然と人事の仕事の向き不向きが分かってきますので、転職すべきか否かの判断がつきやすくなります。
少し厳しい現実を知ることになるかもしれませんが、人事の仕事を行う上で、必ず直面することになるので、事前に把握しておき適性を見極めましょう。
【2024年5月13日最終更新】
目次
- 人事に向いてる女性の性格は?人事っぽい人
- 人事に向かない人・向いてない人の特徴は?
- 人事に向いている人は、口がとにかく堅い人
- 人事に向いてる人の特徴9選!女性の性格は?
- 人事に向いてる人①:冷静に対処できる人
- 人事に向いてる人②:社員に嫌われることを恐れない人
- 人事に向いてる人③:負ける喧嘩はしない。必ず勝つ喧嘩をできる人
- 人事に向いてる人④:厳しい決断ができる人
- 人事職に向いている人⑤:人の感情に敏感な人
- 人事の仕事に向いてる人⑥:相手の立場に立てる人
- 人事部に向いている人⑦:問題解決能力が高い人
- 人事労務に向いてる人⑧:法律を具体化できる人
- 人事総務に向いてる人⑨:法律違反に敏感な人
- 人事労務・労務管理・人事総務に向いてる人
- 人事の仕事内容&難易度一覧
- 人事に向いている人に必要な5つのスキル
- 人事の今後の将来的なキャリアビジョン
- 人事に転職成功した人の年収と求人例
- 人事は会社を守る最後の砦。突破されたら社会的な制裁を受ける
- 人事女性の性格に関するQ&A一覧まとめ
人事に向いてる女性の性格は?人事っぽい人
人事に向いてる女性の性格として、以下チェックリストに該当する女性は人事の仕事に関する適性が高いと言えるでしょう。
☑️周りから「しっかりしてる」と良く言われる
☑️会社の顔としてどんどん前に出て行きたい
☑️頭脳明晰・容姿端麗の自覚が少なからずある
☑️若い子と話すのが得意(特に新卒採用担当)
☑️後輩や年下の面倒見が良いと言われる
☑️人前で話すことが苦にならない、むしろ好き
あなたはいくつ当てはまりましたか?
人事女性は美人多いけど性格悪い?
人事の女性は会社の顔として重要な役割を持っており、人前に会社説明会などで出ることも多く美人が多いのが事実です。
様々な利害関係者とやりとりや折衝をしなければならないため、女性だからという理由で舐められては行けないという考えからか気が強くサバサバとしたコミュニケーションを取る女性が多い傾向があります。
決して性格が悪いという訳ではなく、気が強く普通の女性よりもテキパキとしたコミュニケーションを取る女性が多いため、見え方として性格が悪いと捉えられてしまうことも少なくありません。
人事部の見た目は?配属される人の特徴
人事部の見た目は男女共に容姿端麗でルックスが良い人の方が配属される傾向が強いです。
特に未経験から人事の仕事を任される新卒採用(入社1年目)で最初に配属される人の特徴は、性格診断と面接で判断されるため、本人の希望というよりも容姿端麗という理由だけで人事部に配属されることも珍しくありません。
もちろんこの後に紹介する人事に向いている人・向いていない人の特徴に該当する性格や中身で適性を判断されることもありますが、何もデータがない段階では見た目と最低限の性格診断で配属されることも大いにあり得るでしょう。
その他には言葉遣いやコミュニケーションの丁寧さなど、対社外に対しても自信を持って送り出せるような人が人事に配属される傾向がありますね。
人事に向かない人・向いてない人の特徴は?
ではまず先に、人事に向かない人・向いてない人の特徴について解説して参りますが、結論以下に該当する方は人事に向かない可能性が高いです。
- 短期間ですぐ結果を得たいせっかちな人
- 0か100か白黒はっきりさせたい人
- 仕事の責任感が弱い人(根気がない)
順番に解説していきます。
短期間ですぐ結果を得たいせっかちな人
人事の仕事は営業職のように結果がすぐに数値として現れる訳ではなく、長期的に長い時間をかけて結果が出てくる仕事なので、すぐに結果を得たい人はやりがいを感じられないため向いていないです。
例えば人事の主な仕事内容である採用業務に関しては、人材を採用してすぐに正解だったのかどうかはどうかは分かる筈もなく、最低でも2~3年は採用した人材の働きぶりを見なければジャッジはできませんよね。
採用に関しては会社の中長期的な目線で選考可否を判断していく必要がありますので、短期的な目線だけではなく中長期的な目線で会社のことを考えて仕事をできる人の方が人事は向いていると言えるでしょう。
0か100か白黒はっきりさせたい人
人事の仕事は営業のように契約が取れたor取れなかった、というように結果が白黒ハッキリせず、折衷案であるグレーのようなイメージを持った解決案を求められることがしばしばあります。
そのため、常に自分の仕事において結果が出たかどうか0か100か判断して行きたいと考えている人にとっては向いていない可能性が高いでしょう。
「人」を扱う仕事である以上、交渉を重ねてお互いが妥協した結論を導く場面も出てきますので、結果に対して柔軟な考え方をできなければ人事の仕事を遂行していくことは難しいです。
仕事の責任感が弱い人(根気がない)
今回お伝えしていきますが、人事は会社の最後の砦とも言えるポジションになりますので、できるだけ責任感を持たずに仕事をして行きたいと思っている人は向いていないです。
会社の不祥事や根幹を担う仕事を担うのが人事に課せられた命題ですので、責任感を持って仕事ができる人こそ人事に向いていると言えるでしょう。
逆に根気弱く途中で仕事を投げ出してしまうような責任感が弱く根気のない人は、人事の仕事は向いていません。
人事に向いている人は、口がとにかく堅い人
人事の仕事を行う上では、能力やスキル云々よりも前にまず口が堅くないと絶対に業務を長く続けることはできません。
理由としては、人事の仕事にはすべて守秘義務があるためです。
・社員の給料
・役員報酬
・評価
・異動
・降格
・リストラされる予定の社員の情報
…etc
上記のような情報が、人事部に一番最初に情報が入ります。
一般社員と話していてうっかり人事情報を話してしまうのは最悪の人事で、同期とも親しくなれなくなります。
経営上の一番外に漏れたらまずい情報をすべて知ることになりますので、口が堅く、かつ、社員との適切な距離感を保てる人でなければ、人事にはなれません。
人事部員と経営者だけが知っていいこと | 話してはいけない理由 |
社員の給料 | 社員の給料が知れると、社員間で不信感が出る |
役員の報酬 | 上場企業で公開されている場合は、問題ないが、人事が口外にすれば個人情報を漏らしたことになる。 |
社員の評価 | 社員の評価を現場が知ってしまうと、社員間で不平不満の種となる |
リストラ候補者氏名 | リストラ候補者の氏名などは、知られると社員からの不信を買う |
異動予定者氏名 | 異動予定者の情報を事前に漏らすと、トラブルになる |
降格・昇格予定者氏名 | 降格・昇格に関して、周囲に漏れると社内不和を生む可能性がある。公示する日までは話さないことが鉄則。 |
しかし人事と仲良くして先に情報を知ろうとする厄介な社員も会社には必ず一定数存在しますので、うまくかわす能力なども身に着ける必要があります。
人事情報を知るために、過度に接触して来ようとする社員とは、出来るだけ距離を離して付き合う必要があります。
現場の社員とは、こちらから伝えるべきことがあるときだけ接触するくらいでちょうど良いといえます。
人事に向いてる人の特徴9選!女性の性格は?
ではここからは、人事に向いてる人の特徴について9つ厳選して紹介して参ります。
- 冷静に対処できる人
- 社員に嫌われることを恐れない人
- 負ける喧嘩はしない。必ず勝つ喧嘩をできる人
- 厳しい決断ができる人
- 人の感情に敏感な人
- 相手の立場に立てる人
- 問題解決能力が高い人
- 法律を具体化できる人
- 法律違反に敏感な人
一つ一つ詳しく見ていきましょう。
人事に向いてる人①:冷静に対処できる人
人事は社内外のあらゆる企業や取引先、団体などとの交渉を行います。
状況によっては暴力団のような反社会的な団体との折衝に挑むこともあるため、冷静な対処をできる能力がある人が求められます。
総務人事など、総務を兼ねている場合は特に、暴力団対応などには気を付ける必要があります。
具体的には、会社で新工場を建設することになったが、その騒音がうるさい、特定の暴力団の息のかかった業者を使えといった脅しがかかることもあります。
毅然として、追い払うようにしてください。
コツとしては、ただひたすら話を聞いて、無茶な要求に対しては「それはできませんね」と水平交渉を長く続けて相手が我慢の限界になるまで対応をすることです。
暴力団関係者は、実際に手を出したりすれば負けだということをよく理解しているので、慌てず騒がず、淡々と話し合いを行うようにしてください。
一度巻き込まれると、いつ終わるのかという気持ちになりますが、根負けすれば相手の思うつぼです。
人事に向いてる人②:社員に嫌われることを恐れない人
人事が社員に好かれることはまずありません。
人事は基本的に会社側の立場で仕事を進めるので社員の敵となってしまいますが、社員のためになると思って仕事を進めることができる人でないといけません。
特に社員の評価などは現場の部課長などと話し合いで決定することも多く、一般社員の知らないところで人事は評価を下します。
現場の部課長が決定した評価に対して注文をつけることもあるため、基本的に社員全員を敵に回すという認識で仕事をするのが大切です。
関連:【人事歴10年が語る】人事の仕事内容一覧!未経験者の仕事は?
反対に現場社員に好かれる人事を目指すと、かえって社員にためにならないこともあり得ます。
バランスは難しいですが、基本的には社内では嫌われる存在である、ということを大前提にして行動をするようにしてください。
現場に好かれる人事というとなんとなく聞こえが良いですが、するべき仕事をしていないと経営者に判断されることもあります。
社員に好かれようと思って仕事をするのではなく、社員のためになることをして、ドンドン嫌われた方が早く出世できる傾向にあるでしょう。
人事に向いてる人③:負ける喧嘩はしない。必ず勝つ喧嘩をできる人
うっかり漏らした一言で、労働基準監督署に踏み込まれて何千万円ものお金を会社が失ったりする可能性があります。
人事は常に勝つ喧嘩をする必要があります。
具体的には、覚せい剤を使用した社員がいて、解雇ではなく自主退職でできるだけ穏便に退職してもらわないといけないといったケースに遭遇することもあります。
懲戒解雇は滅多な理由では行えない上に、覚せい剤を使用した社員に国選弁護人がついているケースでは、国選弁護人が解雇無効を無理やり主張してくることもあります。
うまく交渉をして、退職金の上積みなどでできるだけ穏便に退職してもらえるように措置をとるなど、ギリギリの交渉事をして勝つように心がけるようにしましょう。
社員の起こした不祥事が表ざたになるまでに雇用関係を終了させておかなければ、会社名ごと新聞で報道されたりします。
人事に向いてる人④:厳しい決断ができる人
厳しい決断ができる人でないと、人事は務まらない可能性があります。
契約社員の方や、派遣社員の方を解雇したり、ときには厳しい決断をして会社を守る必要性があります。
特に人員の増減については、現場に人が足りていなくとも生産需要や売り上げなどを把握して、整理解雇や、採用補充などを行う必要があります。
厳しい判断をすることも多いので、しっかりと現場に対しては物を言っていくことが大切です。
人事は現場に対するけん制組織の側面があるので、現場の言うとおりに動くのではなく、しっかりと状況判断をする必要性があるでしょう。
人事職に向いている人⑤:人の感情に敏感な人
人事は人の感情に敏感な人が向いている仕事と言えます。
人事はうつ病などの精神疾患を患ってしまった社員のメンタルケアを産業医の方たちと共に行い、復職を支援するなど、社員が定年まで無事に過ごせるように尽力する必要があります。
メンタル疾患者を出さないためには、残業時間の抑制などの人事政策を打つのはもちろんのことですが、社員の顔色などをしっかりと見て、部課長からの報告などで最近元気がないと言われている社員の様子をチェックすることが必要です。
元気のない社員はいずれメンタル疾患に陥る可能性もありますので、とにかく、社員と細かくコミュニケーションを普段からとって、気を配る必要があるでしょう。
人事の仕事に向いてる人⑥:相手の立場に立てる人
相手の立場に立てることも人事にとっては重要な資質です。
たとえばお子さんがいらっしゃる女性社員であれば、定時で会社を上がりたいし、給与はそこそこで良いという方もいれば、男性社員で残業代をたっぷり稼ぎたいのでドンドン残業したいという方がいます。
一律に残業時間を減らすとかえって社員のやる気を損なうことにもつながりかねませんし、子供のいる女性社員の信頼を勝ち取ることはできません。
給与制度や働き方の問題一つをとっても個人によって全く考え方が変わってきますので、社員全員が納得することはできなくても、妥当な解決策を示せるようにしましょう。
様々な立場で働く社員の気持ちを読みながら、やる気を維持するような仕組みを考えつけないといけません。
自分の会社で働いている社員の気持ちにある程度配慮しつつ、経営者の要求も飲む必要性があるため、かなりのバランス意識が必要です。
経営者の立場、社員の立場、両方の気持ちが汲み取れる人事になることがベストです。
人事部に向いている人⑦:問題解決能力が高い人
人が会社に集まると必ず問題を起こし、ときにはとんでもない事態を招くこともあります。
・従業員が会社で人を殴った
・覚○○剤をしていた
・会社のお金を横領していた
・会社に通勤してこないと思ったら痴漢で鉄道警察に拘留されていた
…etc
上記のように、普段常識的に考えれば「そんなバカな。なんでそんなことをするんだ。理解できない」というような問題が次々押し寄せてきます。
どうやって問題を解決していくのかが大切です。
基本的に警察沙汰にすると会社の名前が新聞などに出てしまいますので、そうなる前に手を打つ必要があります。
✅人を殴った→従業員間での話し合いで決着をさせる
✅会社のお金を横領していた→退職金を多めに積んで、退職願を提出させて会社とは無関係な無職状態にしておく
といった具体的にどう問題を解決するかが大切です。
人事労務に向いてる人⑧:法律を具体化できる人
人事は様々な労働法規を駆使して、会社を守り、従業員を守る必要性があります。
法律知識を実際に自分自身で具体化して、机上の空論ではなく、会社ごとの実情に合わせて運用していく能力が必要ですので、法学の基礎知識がないと厳しいです。
たとえば、残業時間が多いということが問題となったとします。
その場合、法律違反は法律違反なのですが、馬鹿正直に法律を守ってしまうと、製品が製造できずに会社がつぶれてしまうこともあり得ますよね。
残業時間を軽減するか、36協定を結んで労働組合などの理解を得ることで、乗り切るなど、その時々によって立ち回りを工夫する必要があります。
法律を駆使して、社会的な批判を受けず、かつ現実的にどう起こっている問題に対処するのかが大切です。
人事総務に向いてる人⑨:法律違反に敏感な人
「自分のしている仕事がいつの間にか違法行為になっている」という事態を、人事は積極的に避ける必要性があります。
たとえば、女性の深夜労働は最近では法律で一定の業種には2019年に解禁されて現在は問題ないですが、以前は禁止されていました。
このように、何となく女性を深夜に働かせてしまうといった行為が、違法行為となります。
36協定を結んでいないのに、社員に残業をさせてしまう
賃金控除の協定書を結んでいないのに、給料からお弁当代や昼食代を引いてしまう
女性を深夜労働禁止なのに関わらず、本人が希望したからと深夜に働かせてしまう
下請けをしてもらっている業者に対して、業務外のことを依頼してしまう(※結果的には公正取引委員会などから糾弾され、社会からの信頼を失う)
…etc
人事は経営者よりも、人に関連する法律を知っていなければなりません。
人事労務・労務管理・人事総務に向いてる人
では次に、人事の仕事の中でも人事労務・労務管理・人事総務に向いてる人の特徴について解説して行きます。
人事労務・労務管理に向いてる人の特徴
- コミュニケーションスキル:労務管理者は社員や経営陣とのコミュニケーションが頻繁に発生します。労働条件、福利厚生、労働法などの話題を明確に伝えるためには、優れたコミュニケーションスキルが必要
- 組織力と計画性:人事や労務管理は、給与計算、採用、退職、教育、評価など、多くのプロセスを管理する必要があります。これらの業務を効率的に行うためには、組織力と計画性が必要
- 問題解決スキル:人事労務管理者は、社員の間で発生するさまざまな問題を解決する役割を担っています。これには、コンフリクトの解決からパフォーマンスの改善まで、幅広い問題解決スキルが必要
- 法規制の理解:労働法や社会保険制度など、労働に関する法規制の理解は不可欠です。これらの法律を理解し、適切に適用することで、企業と社員の利益を守ることが可能
- プロフェッショナルな態度:人事労務管理者は企業の代表として行動するため、高い倫理観とプロフェッショナルな態度が必要
- データ分析能力:労働者のパフォーマンスを測定し、労働者の満足度を向上させる策を立てるためには、データ分析スキルも重要
人事労務・労務管理の仕事に転職する際に上記スキルを全て持っていればベストですが、なかなか最初から揃えている人は少ないためすべてが最初から完璧である必要はなく、時間をかけて磨くことが大切です。
人事総務に向いてる人の特徴
- コミュニケーションスキル:労務管理者は社員や経営陣とのコミュニケーションが頻繁に発生します。企業の方針や手続きなどを社員に理解してもらうための説明能力も必要
- 組織力と計画性:組織力と計画性:人事総務部門では、多くの業務を扱い、予算管理や計画立案なども行うため、高い組織力と計画性が必要
- 細部への注意:規則や手続きを厳密に遵守する必要があるため、細部への注意力が必要
- 法律知識:労働法や法令を理解し、適用する能力は非常に重要です。違反が生じないように、また、適切なアドバイスを社員に提供できるように、法律知識が必要
- 問題解決能力:労働関連の問題や社員間の対人関係の問題など、多様な問題を円滑に解決するための問題解決能力が必要
- ディスクリートさ:人事総務職では、社員の個人情報や企業の重要な情報を扱うため、情報を適切に保管し保護する能力が必要
人事総務に転職・就職したい人は、上記経験やスキルをこれまでの職務の中で磨くことができたかどうかを面接選考の場で見られると思ってもらって良いでしょう。
人事の仕事内容&難易度一覧
人事に向いている人を知るためには、まずは人事の仕事内容を理解しておく必要があります。
仕事内容と共に仕事の難易度を⭐️で整理しました(※⭐️の数が多いほど難易度は高い)。
仕事内容 | 職位 | 難易度 |
新卒採用 | 一般社員 | |
中途採用 | 一般社員 | |
労務管理(給与計算、社会保険事務) | 一般社員 | ※ルーチンワーク |
安全衛生 | 一般社員 | |
コンプライアンス管理 | 一般社員 | |
人事企画 | 係長以上 | |
問題社員対応(懲戒解雇・不要人員削減) | 課長職以上 | |
人事評価・人事考課運用 | 部長職または役員 | |
労働基準監督署監査対応 | 部長職または役員 | |
社員の冠婚葬祭出席(慶弔関係) | 課長職以上 | |
他、社員が起こした問題などは、各人事部員が責任を持って対応する | 特に定めなし | 読めない |
新卒採用・中途採用
キャリアが浅いうちは、新卒採用と中途採用の面接官を務めたり、求人広告会社や人材紹介会社と折衝していくこともあります。
新卒採用と中途採用に関しては中途採用の方が即戦力採用のためどちらかというと難易度が高く、求職者が会社に合う人材なのか見極めなければいけません。
人事として会社説明会に登壇することもあるため、自社の事業内容や組織風土について何を聞かれても答えられるような知識が必要不可欠です。
人事の花形と言われるのが採用業務です。
新卒採用の仕事内容
- 大学や専門学校への訪問(キャリアセンター、教授への挨拶)
- インターンシップ対応(コンテンツ制作や企画立案など)
- 面接の実施
- 内定式(10月)の準備や開催(オンライン含む)
- 入社式の開催
- 新入社員研修の実施
中途採用の仕事内容
- 求人票作成
- ダイレクトリクルーティング(スカウトの配信)
- 転職エージェントとの打ち合わせ(KPI進捗管理)
- 面接(1ヶ月あたり30~50人くらい、1日2人程度)
- 営業部との連携(内定時のオファー金額の設定など)
- 配属先の決定・中途入社研修の実施など
※1月、4月、7月、10月→採用数が多い月(1ヶ月半くらい前から繁忙期になる)
労務管理(給与計算、社会保険事務)
給与計算や、社会保険業務は、経理の仕事内容に近いです。新卒採用や、中途採用のサポートなども行うこともありますが、日常業務の大半は事務処理になります。
業務は比較的地味な作業です。
コンプライアンス管理
コンプライアンス管理や、安全衛生業務などで会社の現場仕事を管理監督する役割も担うため、最初は辛いと感じることも多いです。
人事企画&人事評価制度の策定・運用
職位が上がってくると、人事企画や、人事評価制度の策定や運用など、人事業務の中でも重要な仕事が回ってくることになります。
人事企画や人事評価制度の策定・運用は、労務管理の基礎知識がないと行えない業務のため、労務管理を通して、自分から積極的に会社の情勢を掴むという意識で、下積みをすることが大切です。
人事のより詳しい仕事内容については「人事の仕事内容一覧!未経験者の仕事は?」でも解説しているので、併せてご参考頂けたら幸いです。
人事に向いている人に必要な5つのスキル
人事の仕事に向いている人に必要な5つのスキルは以下5つです。
- コミュニケーションスキル
- 正確かつスピーディーな事務処理能力
- 人事関連の法律知識の情報収集スキル
- PCスキル(Excelや人事管理ツールなど)
- スケジュール管理&調整能力
それぞれ詳しく見て行きます。
コミュニケーションスキル
人事の仕事を行う上でまず一番重要なスキルがやはりコミュニケーション能力で、対社内対社外どちらにおいても高いコミュニケーションスキルが求められることは間違いありません。
例えば対社内においては、自社の社員に対して配置転換の整合性と説かなければいけませんので、部署間、社員間、経営陣と社員の利害関係を調整してそれぞれが納得行く解決策を提案できなければいけません。
対社外においては会社説明会や面接の実施のように初対面の人とコミュニケーションを取る機会が極めて多いので、会社の顔として喋れることや高いビジネスマナーも求められるでしょう。
正確かつスピーディーな事務処理能力
人事の仕事はとにかく忙しいため、正確かつスピーディーな事務処理能力があることは必須です。
例えば人事労務担当を例に挙げると、給与や社会保険、労務関係という重要な業務を担当しますので絶対に間違いがあってはいけませんし、ミスがないのが当たり前の仕事ですよね。
ミスや誤りがないことは当たり前で、かつ膨大な業務量をこなすためにスピード感を持って作業していくことが求められるため、高い業務処理能力は人事の仕事を行う上で必須と言えるでしょう。
人事関連の法律知識の情報収集スキル
人事は採用担当・労務担当どちらにおいても法律に触れる機会が多いことは前述した通りですので、法律に関する知識を備えているか情報収集するスキルは非常に求められます。
例えば労働基準法や労働安全衛生法、社会保険、雇用保険の手続きなどを熟知していなくてはなりませんし、最近は新型コロナの影響で補助金や助成金などの知識も人事に求められる傾向があります。
社会保険労務士の資格まで取っておく必要はないですが、常に法律の改正など最新情報をキャッチアップしておくことは間違い無く必須です。
PCスキル(Excelや人事管理ツールなど)
人事の仕事は社内の重要な数値をExcelや人事管理ツールなどに落とし込む必要があるため、一定以上のパソコンスキルも必須のスキルです。
エクセルに関してはマクロ関数などまで組めれば理想的ですが、最低でも簡単な関数くらい(=SUM関数など)は組めるレベルのスキルがあると重宝されます。
最近は人事管理ツールのカオナビやHrmosなど様々な管理ツールを導入している企業も増えてきていますので、新しい人事管理ツールを使いこなせられるPCスキルも必要とされるでしょう。
スケジュール管理&調整能力
人事の仕事は採用担当と労務担当どちらにおいても突発的な仕事が入ることもしばしばあるため、臨機応変なスケジュール管理及びスケジュール調整能力は必須と言えます。
特に採用担当者の繁忙期に関しては、1日に何人もの候補者と面接を行ったり説明会を開催することが求められるため、細かい仕事の区切りをスケジュール調整できなければ仕事に押し潰されてしまうでしょう。
人事への転職を成功させるために資格がなくても転職することは不可能ではありませんが、資格を持っておくとより有利に転職活動を進めることができますので、以下に代表的な資格を挙げておきます。
☑️キャリアコンサルタント
☑️メンタルヘルス・マネジメント検定
☑️社会保険労務士
上記資格の中でも社会保険労務士は国家資格の中でも合格率は6〜7%とかなり難易度の高い国家資格ですが、持っておくと書類選考や面接官で熱意のアピールに繋がります。
人事の今後の将来的なキャリアビジョン
人事の仕事を行う上で目指すべき将来のキャリアビジョンは、
- 人事のスペシャリストになる
- 組織コンサルや人事コンサル
- 人材関連ビジネスの営業マン
上記いずれかを目指すことになる人が多いです。
人事の仕事が好きでずっと続けて行きたいという人は、人事の仕事周りを全て経験して徐々に役職や管理職マネジメントを任されて、人事課長→人事部長と出世していくキャリアプランが王道です。
あるいは人事の経験を生かして、組織コンサルや人事コンサルなどにキャリアシフトしたり、人材紹介の営業マンや人事管理ツールの営業などに転職する人もキャリアプランとして多いのが特徴です。
いずれにしてもHR領域である人事関連ビジネスにそのまま何らかの形で携わり続ける人が多いのが人事のキャリアビジョン・キャリアプランの特徴と言えますね。
人事の仕事のやりがいは?向いている人
人事の仕事は組織の中心的な役割を果たし、企業の成功に大いに貢献するため多くのやりがいがあります。
具体的なやりがいとしては、
- 社員の成長を支援する:人事部門は新入社員の研修からリーダーシップの育成まで社員の成長と発展を支援します。社員の成長を直接的に支えることは大きなやりがいに繋がります
- 組織の文化を作り上げる:人事部門は組織の文化を作り上げる役割も果たします。企業のビジョンや価値観を具現化し働きやすい環境を作り出すことにつながります
- 企業の売上に直接貢献する:適切な人材を採用し育成することは企業の売上に直結します。人事が採用を担当することで企業の成長と成功に直接的に関与できるでしょう
上記に少しでも貢献したいと当てはまる場合は、人事の仕事に向いている適性が高いと言えるでしょう。
人事に転職成功した人の年収と求人例
人事への転職を成功させた人の平均年収としては、経験者と未経験者を含めると多少誤差がありますが平均年収は537万円となり400~600万円範囲のいずれかに該当することが分かりました。
特に人事転職の中でも英語力を持っており、外資系企業の人事として転職することができた場合は年収が高くなる傾向があり、グローバル展開を視野に入れた企業は高年収を実現させられる傾向があります。
実際に大手転職サイトdodaで募集されている人事の求人例を一部紹介すると、以下のような求人が出ています。
東京都【年収:430万円 ~ 600万円】人事(労務/制度)
■ポジション
人事(労務/制度)◆働きやすさ◎、住宅手当や福利厚生面が非常に充実しています!■仕事内容
人事企画グループおいて、人事制度の設計や運用・管理に携わっていただきます。
・人事運用(異動、評価、労働時間管理、労使対応、安全衛生、就業規則管理、福利厚生等)
・人事制度の企画・設計
・給与計算 等■必要な経験・能力
【必須要件】
・人事労務業務のご経験(3年以上)
・人事に必要な基本的な知識(労務・給与など)を有している方
大阪府【年収:350万円 ~ 500万円】リクルーター(アシスタントからスタート/未経験者歓迎)
■ポジション
リクルーター(アシスタントからスタート/未経験者歓迎)IPO準備/急拡大されているIT企業/フルリモート歓迎■仕事内容
入社後は基本OJTメインで現採用担当と協力しながら、主に中途採用の面接日程調整、ダイレクトリクルーティング、求人の更新・修正などを行っていただきます。
将来的には、ビジネス、エンジニア、コーポレート部門などの採用担当をお任せします。■業務内容
候補者との日程調整、資料作成、エージェント対応など■必要な経験・能力
未経験者 歓迎【必須】
・ベンチャー企業でリクルーターをやる覚悟のある方
・コミュニケーション力がある方
・社会人経験3年以上
・PCスキル(Word、Excelなど)
福岡県【年収:401万円 ~ 598万円】教育・研修
■ポジション
教育・研修 ※東証プライム上場企業■仕事内容
【社内研修の実施】
研修コンテンツ企画、研修計画/ロードマップ/資料作成、研修実施
研修には「新入社員研修」「入社後のフォローアップ研修」「役職別研修」「PCスキル研修」「女性活躍研修」などがあります。【社員フォロー(リテンション)】
新卒1年目社員のメンター、中途入社社員のフォロー面談、社内アンケートの実施/分析/対応【女性活躍支援】
産休育休者支援、復職支援
休職に入る社員の休職中の社員のサポートを行います。上長と面談の場を設けたり、子育ての相談をしたり、会社と休職者を繋ぐ役割を担います。■必要な経験・能力
【必須要件】
キャリア面談の経験、スクールや塾の講師経験、教育/研修経験
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人事は会社を守る最後の砦。突破されたら社会的な制裁を受ける
人事の仕事を行っていると、社員が不祥事を起こした場合や、うっかり間違えて、前科のある社員を入社させてしまうこともあり得ます。
そうした場合には、マスコミなどに叩かれる前に対処する必要があります。
人事は会社を守る最後の砦の役割を担いますので、人事を突破されたら、あとはニュースや新聞沙汰になり、社会的な制裁を受けることもあり得ます。
厳しい仕事を黒子になりながらこなせる人が優秀な人事であり、向いているといえますし、常に社内の常識を疑える人も人事に向いています。
なんとなく社内で行っている仕事を、現在の社会情勢に照らし合わせると、とんでもない時代錯誤になっていることもあり得ますからね。
会社を守ることが、人事の仕事です。
常に社会的な常識から、社内で行われていることが果たして社会から認められるものなのかどうかを考えながら仕事ができる必要があります。
日々の業務に対する意識が最終的には会社を守ることになるので、常に社会の動向に敏感であることが人事にとっては大切であると言えるでしょう。
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人事女性の性格に関するQ&A一覧まとめ
人事女はうざい・怖い?性格悪い?
人事の女性は時に社員にとってうざい存在であったり、怖い存在でなければ会社内での存在感を発揮できなくなるため、嫌われ役に徹して性格悪いと社内で思われることも少なくありません。
しかし根っから性格が悪いわけではなく、会社の人事として組織を充分に機能させるために必要な役割であり、結果的に社員に怖いやうざいなどと思われてしまっているという現状です。
少し社員としてはうざいという感情にそのまま従うのではなく、会社を良い方向に導くために必要なことをしてくれているというマインドで接すると良いでしょう。
人事や採用担当は美人多い?理由は?
人事や採用担当は美人多いのは事実としてあり、理由としてはやはり会社の顔として採用説明会や面接など社外に出る場が多いので、容姿やルックスが優れた方が会社のイメージアップに繋がるからです。
実際に新卒の時にいきなり人事の採用担当者に抜擢された女性社員がいましたが、やはりルックスが優れていて新卒採用や中途採用問わず会社の顔として思う存分に活躍していました。
もちろん美人でなければ人事や採用担当者になれないという訳ではありませんが、人事にされる要素の一つとしては含まれていると言えるでしょう。
人事に向いていない人/配属される人は?
人事に向いていない人の特徴としては、会社組織を良くすることに対して全く興味がない人、そもそもコミュニケーションを取るのが嫌いな人などは人事の仕事は向いていないと言えます。
逆に配属される人の特徴としては、前述したようにルックスが優れている人、コミュニケーションが円滑な人、営業や事務など他職種で結果を残して社員の信頼が厚い人などが挙げられます。
いずれにせよ人事の仕事に就きたい場合は、社内で異動して人事に配属されるという選択肢はもちろん、転職して人事になるということもできるので、転職サイトを利用して転職も一つの選択肢に入れておきましょう。
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