メーカーの転職・就職

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靴製造メーカーに転職するには?仕事きつい?やりがいや仕事内容

靴職人

  • 靴づくりに関わりたい
  • 靴に囲まれて仕事がしたい
  • 靴が好きで靴メーカーに転職したいけど何をすれば分からない

という方も多いのではないでしょうか。

本記事では実際に靴メーカーで働いていた筆者の経験から、靴メーカーに転職するためのポイントを解説していきます。

人事や経理といった業種を問わない職種もありますが、今回はあくまで「靴づくりに携わることができる職種への転職」に絞って解説します。

靴メーカーへ転職するためには何が必要なのかを把握して転職を成功させましょう。

この記事の執筆者

Y.Nagata
靴関係の専門学校を卒業後大手靴メーカーに新卒で入社し、研究開発や品質管理を中心に幅広い業務に従事.
転職して‪メーカー系転職エージェント‬に入社し、述べ2,000人以上の転職支援に携わり、靴メーカーの人を中心に現役の転職エージェントとして活動している。

2024年11月29日最終更新

靴製造メーカーに転職するには?


靴メーカーに転職するには以下の職務経験があると、かなり有利になります。

「靴に関する知識がないと難しいのでは?」と思うかもしれませんが、別業種からでも上記の経験があれば転職できる可能性があります。

靴メーカーといっても業務内容はさまざまで、1人で靴を作り上げて売るわけではありません。

比較的に靴メーカーで多い職務に絞って紹介していきます。

研究開発(ゴム製品・プラスチック製品)

一見、「靴にゴムやプラスチックの知見が役立つの?」と思うかもしれませんが、靴底(ソール)にはゴムや樹脂が使用されています。

ゴムや樹脂の知見があれば、滑りにくい靴底材であったり、軽いけどクッション性のあるスポンジであったりなど、新しい材料の開発に貢献できる可能性があります

品質保証(工場管理)

こちらは製造メーカーであれば必須の部隊です。いかに不良を少なく、安定した商品をお客様に届けるかが重要になります。

別の業種の品質保証部門であっても、このような管理の方法を取ることで、〇%不良を減らすことができましたというような実績があると転職成功に近づけるでしょう。

国内の工場だけでなく、海外の工場で生産している靴メーカーも少なくないので、英語や中国語など、語学スキルを持っているとなお重宝されます

デザイナー

靴以外でも、他のアパレル分野でデザイナーの経験があれば転職できる可能性が高いです。

実際に、筆者が在籍した会社でも、最も入れ替わりの激しい職種でした。

靴業界では毎シーズン新しいデザインのものを求められる流れにあるため、デザイナーを必要としている企業は多いです。

アパレルなどの別分野でデザイナーとしての実績があれば、有利に転職を進められるでしょう。

CAD設計

こちらも靴の新製品開発には欠かすことのできない重要な職種です。

主にデザイナーや技術者が考えた靴底を作るための金型(モールド)を設計します。

CADのソフトが異なると最初は戸惑うこともあるようですが、設計の考え方は同じなので、CADの経験は大きな武器となります。

また、近年では3DCADも普及してきているので、扱うことができれば重宝されるでしょう。

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靴製造メーカーは未経験転職不可?


未経験だけど靴メーカーに転職したい

と考えている方もいますよね。

ただ、残念ながら靴メーカーで生かすことのできる職種の経験がなければ、転職は難しいかもしれません。

その理由と、未経験者でも転職するための方法を紹介します。

中途採用が少ない

靴メーカーでの仕事は専門的な知識が必要になるため、業界的には終身雇用体制の企業が多くなります。

そのため中途採用の枠が少なく、その中で未経験での採用となると、どうしてもハードルが高くなってしまいます

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即戦力が求められる

企業として中途採用に求めるものは即戦力です。

企業が中途採用を行う際は、何かの取り組み強化のための増員や、辞めてしまった中堅社員の穴埋めであることが多いです。

そのためどうしても、経験者と未経験者では即戦力として期待できる経験者が採用されるでしょう。

ただ、今までなかった新しい取り組みを始める企業があり、その方向性とあなたのこれまでの経験が合致すれば、転職のチャンスがあるかもしれません。

経営が厳しいところが多い

日本の靴業界は経営が厳しいところが多くなってきています。

特に革靴においては、出荷額も事業所数も年々減少している状態です。

そのため、新卒採用ならまだしも、中途採用の未経験者の育成にまで「コスト」や「時間」をかけられない企業が多いでしょう。

未経験でも靴メーカーで働きたいなら専門学校へ

靴業界で生かせる経験がないけれど「どうしても靴メーカーで働きたい!」と考えている方は靴の専門学校に通うことも一つの手です。

実際に、筆者が在籍した会社でも、一度就職後に靴関係の専門学校に行き直して入社したという人もいました。

靴メーカーで働くことを諦めきれない人は専門学校を検討してみましょう。

靴製造メーカーの仕事内容!きつい?


靴メーカーの仕事の大まかな流れとしては下記のようになります。

それぞれのフェーズで必要とされるスキルは異なります。

どんな仕事内容でどんなスキルが必要なのかを解説していきます。

マーケティングスキル

どんなモノを作りどうやって売っていくのかを考える重要なスキルです。

靴業界では年に2回(春夏1回、)新商品を出すことが多いため、1年を通して満遍なく忙しいのが特徴です。

マーケティング能力を身につけることができれば、靴メーカー以外の分野でも活躍できるはずです

デザインスキル

どんなモノを作るのか企画が決まったら、具体的なデザインに落とし込んでいきます。

そのために必要なのがデザインスキルです。

多くの場合、PhotoshopやIllustratorを使用してデザインを行うことになるので、この辺りのアプリを扱えることが必須になります。

また、靴のデザイナーはただ靴の絵を描いてデザインするだけではありません。

機能性や生産性まで考えなければいけないため、入社後にまず靴に関する知識をつけることが必要になります。

靴の材料やその特性に関する知識が増やしつつデザイナーとしての感性を磨いていきましょう

ゴム・樹脂の加工スキル

どんなモノを作るのか決まった段階で、目標とする靴を実現するための素材選定や材料開発を行うために必要なスキルです。

靴底には主にゴム、ポリウレタン、EVA、塩ビなどが使われるので、それらの知見を駆使して仕事を進めていかなければいけません。

靴を作るための設備に合わせての開発になるので、仕事をしながら学んでいくことの方が多いですが、知見があればあるほど武器になるでしょう。

新材料開発のプレッシャーや生産トラブルの対応など、精神的にしんどいことがある反面、特許をとれるような新しい材料を開発できる楽しさもあります。

CAD設計スキル

素材やデザインが決まってからの試作品を作るための金型を設計するスキルです。

靴底はゴムや樹脂で作られますが、デザイナーが描いたデザインをもとに、その型の設計を行う必要があります。

ただ型を作るだけでなく、生産時に不良が出ないか、履いた時に問題が発生しないかなど、様々なことを考慮して設計することになるので、CAD設計スキルに加えて品質保証的な目線でものづくりをするスキルも必要になってくるでしょう。

品質管理スキル

品質を安定して生産ができるのかを管理するスキルです。

工場を持つ製造メーカーにとって、重要なポジションになります。

安定して生産を管理するだけでなく、生産量もノルマを達成できているのか、能率も考慮しつつ工場を設計していくことが必要です。

トラブルが発生してしまうと生産が止まることもあるため、精神的にもプレッシャーのかかる立場ではありますが、不良率の削減や能率の改善など、数字で見て結果が分かるので、他職種と比較して、上手くいけば評価されやすいでしょう。

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靴製造メーカーで活躍するのに必要なスキルは?


せっかく転職して働くなら活躍したいですよね。

靴メーカーで研究開発職として活躍するために必要なスキルについて解説していきます。

ゴム・樹脂加工に関する知識

靴底にはゴムや樹脂(ポリウレタン、塩ビ、EVA)が使用されます。

開発したい靴に合わせて、衝撃吸収性や反発弾性、その他強度面などさまざまな要素を満たすゴムや樹脂の開発が必要になります。

また、新しい材料を開発するだけではなく、生産現場で不良が発生した際にトラブル対応も行う場面がでてくる可能性もあるので、ゴムや樹脂に関する知見が多いほど活躍することができるでしょう。

革や布、化繊に関する知識

靴の甲部分には革や布などが使われます。

革であれば天然皮革か合成皮革か、さらに合成皮革であればPU合皮かビニール合皮かなどたくさんの種類の材料を使い分ける必要があります。

それぞれの材料の特性を理解し、靴として使用しても着用感に問題が出ないか、また劣化や色落ちなどはしないか、などを見極めることができるスキルがあると活躍につながるでしょう。

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靴製造メーカーの魅力ややりがいを経験者が語る


靴メーカーの研究開発職で感じる1番の楽しさは「こんな靴があったらいいな」を実現できたことでした。

頭の中に描いている理想の靴を、試行錯誤しながら改良を加えて、思い通りのモノが完成したときは快感です。

筆者自身も1から考えた機能靴を数年かけてやっと世に出すことができました。

思い通りにいかず、悩み苦しい思いもしましたが、スムーズにうまくいかなかった分、完成した時の喜びは大きくなりました。

完成した時も満足感は得られますが、靴は作って終わりではありません。

お店に並んでいるのを見た時、お客さんが靴を手にとって眺めている時、実際に街で履いている人を見かけた時、何度もやりがいを感じる場面がやってきます。

そうしたやりがいを感じることでまた、『次も新しいモノを!』と、仕事に没頭できます。

また、実際に自分で履いて試しながらモノづくりができるというのも1つの魅力かもしれません。

靴が好きな人にとって、靴メーカー研究開発職は最高の仕事になるでしょう。

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