「30代でベンチャー企業に転職すれば勝ち組になれるのか?それとも厳しいのか?転職して後悔してしまうのか?」と疑問に思ったことはありませんか?
私はこれまで人材紹介コンサルタントとして、30代のビジネスパーソンのベンチャー企業への転職支援を数多くて手がけてきました。
楽天、サイバーエージェント、グリーなど、ベンチャー企業に30代で入社後、活躍して役員に上りつめた人もいます。
年収レンジも軽く1000万円を超えていますので、まさに勝ち組と言えるでしょう。
しかし彼らとて、最初から迷うことなくベンチャー企業に飛び込んだ訳ではなく、悩み、葛藤するなかで最終的な決断を下したのです。
ここでは30代でベンチャー企業に転職するにあたって迷ったときの判断基準や、失敗や成功事例をまとめてみましたので、紹介したいと思います。
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【最終更新日.2022年4月11日】
30代でベンチャー企業への転職がお勧めな理由
まず結論から言えば、30代でベンチャー企業への転職はお勧めです。
その理由を挙げてみましょう。
幹部候補として採用される
ベンチャー企業は組織拡大のため、経験豊かで将来性のある優秀な人物に来て欲しいと考えています。
下記データからも分かるように、中小ベンチャー企業では一定のキャリアを積んだ30代のミドル人材を求めているんですね。
(日本商工会議所「人手不足の現状に関する調査」より)
外部から30代のミドル人材を採用する1つの理由に「社長のワンマン型の経営から社内の体制を見直し、組織化したい」という背景があります。
他の企業で組織運営を学んだ人を幹部として登用し、社内の改革を進めようとします。
私が担当をしていたベンチャー企業では、副社長のポジションの募集にあたり社長よりも年収を高くするなど、口説きに口説いて採用に至ったケースもありました。
30代であれば将来の幹部候補としてベンチャー企業から好条件が与えられ、勝ち組の仲間入りも夢ではないのです。
キャリアチェンジが可能
30代であれば、キャリアチェンジも可能です。
下記グラフでも示されているように、特にIT業界の人手不足は深刻で、30代であってもIT業界における技術者への需要は高くなっています。
(マンパワーグループ:「人材不足に関する調査」より)
最近では研修制度を整えたIT企業も増えてきており、30代で未経験でもITスタッフとして採用が決まるケースは少なくありません。
ビジネス環境の変化が激しいため、知識や経験はあっという間に過去のものになってしまうこともよくあります。
分野にもよりますが、本気で半年から1年かければある程度の知識は身につきますので、若いからといって優位性があるわけではありません。
社会人経験が豊かだからこそ、職種が変わっても新しい手法やノウハウを社内に持ち込んだり、それまで培ってきたコミュニケーション力を生かしてキャリアチェンジを成功させることができます。
経験を短期間で広げられる
私がコンサルタントを始めたばかりの頃、驚いたことがあります。
それは、誰もが良く知る大手企業に勤めているにも関わらず〝職場の人間同士で仕事を奪い合うのが日常茶飯事〟だという話です。
業務の大部分がアウトソーシングされて社内で行う仕事がほとんどないため、上司から順番に仕事を取っていくのです(若手は仕事がない日々を過ごすことに)。
「大手だから大きな仕事を任されると思ったのに」
「就職活動で迷ったもう1社のベンチャーにすればよかった」
などと、後悔しながら転職の相談に訪れる人は少なくありません。
一方、ベンチャー企業に転職をすると、1つの仕事に限らず複数のポジションや業務を兼務します、なぜなら、シンプルに人手が足りないからです。
結果として、経験値が猛スピードで積みあがっていきます。
大手の看板を捨ててでも経験値を最短で広げさせてもらえるのが、30代でベンチャー企業に転職するメリットの1つなのです。
自分の強みを認識できる
「30代になって、自分の強みが分からない」そんな悩みも、30代でベンチャー企業に転職をすれば自分の強みを認識できるようになります。
たとえばあなたが前職で営業職のキャリアを持っていたとすると、ITのベンチャー企業では技術者は多くても、営業マンは珍しい存在です。
「大手企業で営業を経験していたことで、〝バリバリ営業ができるすごい人〟と転職したベンチャーで認められるようになり、自分の強みを改めて認識できた」
このように、前職では特に意識しなかったスキルや能力が、異分野では自分自身が考えている以上に評価されることもあるのです。
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30代でベンチャー企業へ転職することのリスク
30代でベンチャー企業への転職は基本的にメリットが多いので推奨しますが、もちろんリスクが全くない訳ではありません。
大きく4つに分けられます。
後戻りができなくなる
大手企業勤務の人がベンチャーに転職すると、職場の社風が合わずベンチャー企業に慣れられずにストレスを溜めてしまい、
「やっぱり前の会社のほうがよかったな」
「転職は失敗だったな」
などと後悔をして、大手企業に再び戻ろうと考えることがあります。
ベンチャー企業は同族企業であったり、大手よりもバックグラウンドが多様な社員で構成されているため、会社のカラーや社風が大手とは異なります。
しかし転職して社風の違いが分かり、自分に合わないと感じた途端「失敗した!また転職しなければ」とすぐに転職を考えたとしても、元の会社には戻れません。
キャリアとしての一貫性を損ない、評価は下がってしまうからです。
ベンチャー企業に転職をするのなら、仕事内容だけでなく会社の社風なども自分自身に合うかどうか慎重に見定めておきましょう。
関連:良質なベンチャー企業の見極め方・見分け方・見つけ方を解説
年収が下がる
給与水準が下がるのも、ベンチャー企業へ転職するリスクの1つです。
大手企業から中小のベンチャー企業へ転職すると、良くて現状維持の年収です。
下記グラフでも示されているように、通常、1割から2割は下がるものだと思ってください。
▼年齢+企業規模別の平均年収(女性)
(厚生労働省「賃金構造基本統計調査の概況」より)
多くのベンチャー企業では、企業成長に向けての再投資のため利益を優先し人件費は抑制される傾向にあるので、30代でベンチャー企業への転職を考えるなら、年収が下がるリスクを覚悟しておきましょう。
とはいえ、ベンチャー企業で高収入が期待できないのではありません。
たとえばストックオプションなど、自社株を付与することで大手勤務から転職してきた人材のモチベーションを保つ工夫などもされています。
30代でベンチャー企業に転職をし、自社株の時価総額が数千万円相当に増えたケースもありました。
転職先で浮くリスク
とある転職希望者の中で、将来の幹部人材として採用が決まり、事業部の部長の肩書きを与えられた人がいました。
意気揚々と乗り込んだものの、歓迎どころか周囲の態度は冷ややかで、ある社員は採用を見直すように社長に直談判をしたというのです。
いったい何が原因だったのでしょうか?
実は鳴り物入りで転職してきた人は、1人だけ給与形態が違ったのです。
社長が欲しい人材だったこともあり、新規事業開発部長として、既存の社員とは別の高い賃金テーブルで採用をしていたのです。
転職をしてきたばかりで30代にも関わらず、役員クラスの報酬を得ることが分かり、生え抜き社員が次々と辞表を出すなど社内が騒然となる事態に。
結局しばらくの間は、社長秘書というポジションになったのです。
このケースのように30代で経験を買われて厚遇されたがために、社内の人間との調整が難しくなってしまい、予定していた仕事ができない恐れがあります。
有能だと評価されればされるほど、転職先で浮いてしまうリスクがあることを覚えておきましょう。
経営者の思想に逆らえない
30代でベンチャー企業に転職すると、幹部として採用されたり重要なポストに就くことが多くなるため、必然的に経営者と近いポジションになります。
ベンチャー企業は少人数になればなるほど経営者と近くなるため、経営者の考え方がダイレクトに伝わります。
大手企業は人数が多いためトップの思想も薄まる傾向にありましたが、ベンチャー企業は社長や会長の理念や考え方といった思想が色濃く出ます。
事業内容以上に、トップの思想に納得できるかは重要です。
「社長に意見をしたら、ベンチャー内での処遇が悪くなってしまった」
「新しい風を吹き込もうとしたら、オーナー一族から反対にあった」
などというように、ベンチャー企業特有のしがらみに苦しむ転職者がいます。
そのためベンチャー企業に就職するときは"経営者に賛同できるかどうか"が重要なチェックポイントの一つと言えるでしょう。
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30代でベンチャー企業に転職するか迷ったら
30代でベンチャー企業への転職で迷ったときはどうすればよいのか、ここでは具体的な対処法について紹介します。
キャリアの棚卸し・整理をする
迷ったときほど、自分自身を知る必要があります。
なぜなら、転職するかどうかで迷っているということは自分の強みが分かっていない証拠だからです。
他人に転職相談をするにしても経歴書を作成する必要がありますので、職務経歴書のフォーマットに沿ってキャリアの棚卸し・整理をしましょう。
強みを把握することで、「スキルや能力が通用するのか」「売りになる実務経験は何か」がはっきりとします。
自分自身のキャリアにおける強みやこれから身につけたいことを洗い出して、改めて自己分析をしましょう。
ベンチャー企業で働いている知り合いなどに話を聞いてみる
ベンチャーで働いている人に「実際どうなのか?」と職場の話を聞いてみるのも参考になります。
どんな経験ができてどんなスキルが身につくのか、業務を通じたやりがいや苦労話などを聞くと、ベンチャー企業の実情がリアルに分かるはずです。
〝活躍している社員に共通のスキルや能力〟も聞いておくと、自分自身と重ねてベンチャーで活躍する素地が備わっているかの判断材料になるのでお勧めです。
社長や役員の人柄を聞いておくのもおすすめです。
ベンチャー企業独特の社長と社員との距離感から社風が伝わってきて、スタートアップのダイナミズムも実感できるでしょう。
事前準備やシミュレーションを怠ってしまうと、「こんなことになると思っていなかった」と痛い目にあいかねません。
ベンチャー企業は大手と比較するとまだまだ未完成の会社ですが、転職をする前に聞いているからこそ覚悟ができることもあります。
企業への理解を深める意味でも、自分のキャリアを守る意味でも、ベンチャーで働いている人に話を聞いて実情を把握しておくことは非常に重要です。
転職エージェントで相談してみる
30代でベンチャー企業に転職するべきかどうか迷ったら、一度転職エージェントに相談をしてみましょう。
転職エージェントでは、大手企業からベンチャーへ転職した人の〝その後〟を熟知しています、つまり、数多くの失敗や成功した事例を見ています。
ポイントは、30代でベンチャーに転職した人の〝いい話〟だけを聞いて、「ベンチャー万歳!」と、舞い上がらず〝悪い話〟を聞いてこそ意味があります。
マイナスポイントも情報収集した上でやりたいことや希望を差し引きして、プラスになるか判断をしましょう。
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30代でベンチャー企業に強い転職エージェント
ではそんな転職エージェントの中でも、特に〝30代でベンチャー企業への転職を考えている人に強い転職エージェント〟をご紹介しましょう。
課長やマネージャーなど、役職が上位になるほど自力での転職活動が難しくなりますし、公開求人が少なくなったり、転職活動が長期化するリスクを避けるためにも転職エージェントの利用は必須です。
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