デジタル化が叫ばれる現在、膨大なデータを分析し、経営や事業戦略に影響を与えるデータアナリストはあらゆる業界で重宝されています。しかし、実際はそういった注目度と現実の業務とのギャップに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、データアナリストのあまり知られていない悩みを紹介する他、データアナリストとしての経験が活かせる転職先をいくつかご紹介します。
この記事を読むことで、少しでも皆さんの気持ちが楽になり、これまでの経験に自身を持っていただけると幸いです。
実は、私自身も現在データアナリストとして勤務しており、実体験も踏まえご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2022年2月23日最終更新
目次
データアナリストを辞めたい理由
データアナリストをやめたいと思ってしまう理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
単純作業が多く業務が地味
まず、1つ目に「単純作業が多く、業務が地味」ということが挙げられます。
データは生のものをそのまま分析できるわけではなく、分析可能な形に整理する必要があります。膨大なデータに含まれるノイズを取り除いたり、扱いやすい形にデータを変換したりという、地味な作業の繰り返しにかなりの時間を要すのが実務の実態なのです。
その上で、正確な処理のためにミスは決して許されません。このようなハードプレッシャーの中でコツコツと作業を進めることに辛さを感じる人も多いでしょう。
日々の学習に追いつけない
2つ目は、「日々の学習に追いつけない」ということです。
データ分析には様々なスキルや知識が必要不可欠です。基礎的な知識はもちろん、クライアントによって必要な内容が変わってくるので、案件ごとに学習の機会は欠かせません。
また、ITやデータは移り変わりが激しい業界であるため、常に最新の情報をキャッチアップしておく必要もあります。そのため、日々学習の時間に圧迫され、余裕がなくなってしまう場合があるのです。
コミュニケーション能力を求められる機会が多い
3つ目は、「コミュニケーション能力を求められる機会が多い」ということです。
一人で黙々と作業することももちろん多いですが、クライアントへプレゼンをしたり、様々な部署の方と交渉をしたりなど、コミュケーション能力を求められる場面も多々あります。
単純作業は得意でも、そこから得られた知見や複雑な分析結果を正確に伝えられなくては意味がないのです。そのため、人と話すことが苦手な方は、この点でつまずいてしまうこともよくあるようです。
成果に対するプレッシャーが大きい
4つ目は、「成果に対するプレッシャーが大きい」ということです。
データアナリストは比較的新しい職種で、その業務内容もしっかり定義されているわけではありません。よって、依頼される業務が多岐に渡ったり、過度な期待をされたりするケースもよくあります。
データアナリストはデータのプロフェッショナルで、「依頼すればすぐに結果が出る」、「必ず正確なデータが得られる」と考えているクライアントも実際のところ多いのです。
しかし、先程も述べたように、データ分析には時間がかかり、精度に関しても100%というのはなかなか難しいのが現状です。よって、期待されることと自分が実現できることとの乖離にストレスを感じてしまうのです。
データアナリストから転職するメリット/デメリット
つづいて、転職を検討されている方へ向けて、データアナリストから転職するメリット・デメリットをご紹介します。
データアナリストから転職するメリット
まず、データアナリストから転職するメリットには
あらゆる業界で活躍できるチャンスがある
よりよい待遇、収入が期待できる
フリーランスとして独立しやすい
の3つが挙げられます。
幅広い知識が必要なデータアナリストは、統計学や数学、ツールなど直接分析に必要なもの以外にも、マーケティングや経営に関する知識についても業務の中で獲得しています。
そのため、業界を問わずその知識を活用できるチャンスがあるのです。
また、現在、データ分析はあらゆる業界で必要不可欠なものとなっています。
一方でデータを活用できる人材は不足しており、売り手市場なのが現状です。実際、フリーランス向けに高単価の案件も多数募集されています。よって、転職やフリーランスへの転身により、今よりも高収入となる可能性があるのです。
データアナリストから転職するデメリット
一方、デメリットとしては
見本となる存在がいない
周囲に相談できる人がいない
転職のタイミングが図りづらい
といったことが考えられます。
先述したように、データアナリストは比較的新しい職種であるため、転職のロールモデルも他の職種に比べ多くありません。そのため、転職をした後どのようなキャリアを築いていけば良いのかわからず、不安を抱えてしまう人は多いでしょう。
また、データアナリストは採用人数も少ない傾向にあります。特に新入社員の場合は、先輩もあまりいないので転職を考えた際も、誰にも頼ることができず心細い転職活動となってしまうかもしれません。
そしてもう一点、データ分析の業務は短期間で終わるものではなく、比較的長期間の案件がほとんどです。
それに加え、少人数で業務を行っている場合は、転職しようと思い立っても、なかなかプロジェクトから離れることを言い出せないケースも考えられます。
データアナリストで働くことで身につくスキル
データ分析を行うために、統計学や数学の知識は必須です。高校レベルの基礎知識はもちろん、データの収集、可視化のために様々な専門ツールを利用することも多いため、これらを扱うスキルも身につけることができます。
また、データアナリストは仕事内容によって主に2つの種類に分けられます。
コンサルタント型で身につくスキル
1つ目は、コンサルタント型です。
分析したデータを用い、クライアントの経営、事業戦略を考えることがメインの業務となります。データを分析するだけでなく、クライアントに対して、提案をする機会も多いため、ビジネスに関する知識やコミュニケーション能力が身につきます。
エンジニア型で身につくスキル
もう1つのタイプは、Webサイトやゲームなどのアクセス解析を行い、システムの改善を行う、エンジニア型です。
こちらは、より膨大な量のデータかつ高度な解析をすることが多いため、コンサルタント型よりもプログラミングスキルの習得が早い傾向にあります。
また、技術的なスキルだけでなく、それを活用する力も求められます。
あらゆるデータや数値から問題を発見し、それを解決に導くための論理的思考力はどちらのタイプにおいても重要なスキルと言えるでしょう。
データアナリストからの転職先第1位:マーケター
データサイエンティストとして働いた経験は、マーケターとしても役に立ちます。
現状を分析し、ビジネスへの展開を図るという点で、両者は親和性の高い職種だからです。
マーケターとして働く例としては、広告代理店などのマーケティング支援会社で働く他、メーカーなどの事業会社にあるマーケティング部門への転職も候補の1つです。
特に後者は、新人で配属されることが少なく、知識やスキルが求められるため、データ分析の経験は高く評価されるでしょう。業界の幅が広いので、自分の興味関心に沿った会社への転職もしやすいことが特徴です。
広告代理店では、「電通」や「博報堂」が有名ですが、マーケティング部門はほとんど全ての会社に設置されているため、企業選びの際には福利厚生や待遇など業務以外の項目も考慮し、選択することが必要になってきます。
マーケターとして転職する際には、
というように、データサイエンティストとマーケターの共通点を示し、スキルをその会社で活用したいアピールすることが大切です。
データアナリストからの転職先第2位:エンジニア
データサイエンティストは、業務の中でプログラミングを扱うため、スキルも身についている場合が多いです。
一人で黙々と作業をするのが好きで、学習も苦ではない方であれば、よりこの分野の専門性を高めた、エンジニアはピッタリの職種でしょう。
また、統計学やビジネスの基礎などもある程度習得しているという、他のエンジニアとの差も転職では有利に働くはずです。
エンジニアとして働くことのできる企業には、「サイバーエージェント」や「NTTデータ」「日本マイクロソフト」といった企業例があります。
他にも使用する言語によって幅広い業界への転職が可能なのが、エンジニアの魅力です。
エンジニアへの転職理由としては、以下のように
というように、エンジニアの素質があることを伝え、専門性を磨きたいという向上心を示すことができると効果的でしょう。
データアナリストからの転職先第3位:コンサルタント
2つ目に挙げたエンジニアとは逆に、クライアントの経営やビジネスの側に比重をかけて仕事がしたいということであれば、コンサルタントがおすすめです。
コンサルタントの業務は、企業の課題を把握し、それを解決するための戦略提案を行うこと。
具体的には、現状把握のためのヒアリング、課題の発見や仮説の立案、検証、今後の戦略の提案といったことが挙げられます。
このあらゆる場面で、データアナリストとして鍛えられた、コミュケーション能力やロジカル・シンキングを活かすことができるはずです。
コンサルタント業界で有名なのは、「アクセンチュア」「デトロイトトーマツコンサルティング」「アビームコンサルティング」などです。
これらの企業へ転職する際には、
と、これまでの経験から得られたスキルをアピールしつつ、経営やビジネスに対する興味を示すことが求められます。
データアナリストからの転職先第4位:データサイエンティスト
データアナリストとよく混同される職種のデータサイエンティストですが、2つの大きな違いは必要なスキルにあります。
データアナリストが統計学などを頻繁に用いるのに比べ、データサイエンティストは機械学習をメインに扱います。それによって、使用するツールやソフトウェアも変わるのです。
ただ、基本的な論理的思考力やデータに関する知識は共通して必要なことが多いため、データアナリストからの転身は未経験でデータサイエンティストになるよりは容易でしょう。機械学習を学んでみたい、構造化データだけでなく、音声や画像などの非構造化データを分析してみたいという人にはおすすめの職種です。
データサイエンティストを採用している企業には、「日立製作所」「富士通」「LINE」などが挙げられます。
この職種で転職を行う際には、
というように、スキルアップしたいという向上心を見せることができると有効だと考えられます。
▶︎データサイエンティストで募集中の中途採用求人おすすめはコチラ
データアナリストからの転職先第5位:フリーランス
業務自体は苦ではないものの、会社や上司に不満がある場合は、フリーランスへの転身も視野に入れてみてください。
現在、IT人材は人材不足。データ分析が可能な人材をたくさん雇用することは容易ではないため、フリーランス向けの案件も多く募集されています。その単価もどんどん高くなっており、スキルさえあれば高収入も見込めます。
また、会社の縛りがないので、自分の興味や得意分野に合わせて案件を選択することも可能です。フリーランスならではの働く時間、場所のフレキシブルさも魅力でしょう。
データアナリストとしてフリーランスで活動する方法には主に2種類があります。
1つ目は、クライアント先に常駐をし、そこで業務を行う方法です。クライアントとのコミュニケーションを密に行えることが魅力です。
2つ目は在宅にて案件を行う働き方です。出社の必要がないため、より自由に働くことが可能です。
また、受注方法には、単発・短期間の案件をクラウドソーシングサイトで受ける方法があります。単発で受注し、その後継続で依頼されることもあるため、まずはスポット的に行ってみるのも良いかもしれません。
フリーランスとして案件を受注する際には、
というように、自身の経験やスキルを紹介しつつ、他の人との違いを示すことができるとより良いでしょう。
データアナリストからの転職に強い転職エージェント
今回紹介したデータアナリストからの転職先おすすめに転職するためには、データアナリストからの転職に強い転職エージェントの活用をおすすめします。
実際に2024年現在中途採用市場で求人を出している企業を紹介してもらえるだけでなく、書類選考対策や面接対策、年収交渉まで転職に関わる全ての段階をサポートしてもらうことが可能です。
数ある転職エージェントの中でも、とりわけ「doda」に関してはデータアナリストからの転職実績がNo.1で豊富で、今回紹介したような転職先の求人も全国10万件以上扱っていますので転職先の選択肢が豊富です。
担当キャリアアドバイザーには、元エンジニア出身の人や元データアナリストなど業界や職種別に分けて割り振られますので、専門性のある話にも問題なく対応してもらえることでしょう。
全国47都道府県どこに住んでいても、オンライン面談や電話面談で対応してもらえますので、ぜひデータアナリストからの転職を検討されている方はdodaを活用して転職活動を進められてみてくださいね。