新卒で入った機械メーカーの会社で数年経過し「このまま同じ会社に勤めていても良いのかな」と悩むことはないでしょうか。
特に機械メーカーは日系の伝統的な企業が多く、雑務や社内調整の多さ、古くからの慣習に疑問を持つことはないでしょうか。
今回は機械メーカーから転職を考えている方のために、転職の始め方や転職先おすすめの9選をご紹介します。
著者自身日系機械メーカーで8年以上勤務し、同じような疑問を頂き昨年から転職活動を進めており、経験を元にしていますので、ぜひご参考にして下さい。
工業系の高校を卒業後新卒で日系機械メーカーへ就職。
入社後8年間エンジニアとして技術部門の仕事に従事。
ワークライフバランスに限界を感じ現在は別分野で活躍中。
【2024年9月30日最終更新】
目次
機械メーカーから転職したい・辞めたい理由
社内調整に追われる
専門外の雑用が多い
古くからの慣習が残る
単純作業に飽きてしまった
リモートワークが難しい
社内調整に追われる
まずは社内調整に追われてしまうという理由です。
機械メーカーの多くは、調達→開発→製造→販売→納品→サポートといった一連の流れがあります。多くの場合、それぞれ部門があり、異なる立場で異なる利害を持っています。
他部門の合意形成を得るために、何度も打ち合わせをしたり、資料を作成したりしていないでしょうか。組織が大きく意思決定にダラダラ時間がかかることも多いです。
社内調整ばかりしていると、本当にこれがやりたい仕事なのかと思ってしまいますよね。
専門外の雑用が多い
次にメインの仕事以外の雑用に追われてしまうという理由が挙げられます。
日系企業の場合、会社から任される範囲が広く、自分の専門以外のこともこなす必要が出てきます。
例えば、製品マーケティングとして働いており、本来は売れる仕組みを考えるため、市場や顧客ニーズの調査をしたいと考えていますが、社内の報告書作成や事務作業に忙殺され、うまく進まないという経験はないでしょうか。
自分の専門業務に集中できないとこのままで良いのか考えてしまいます。
古くからの慣習が残る
古くから残る慣習や決まりに縛られるという理由も挙げられます。日系機械メーカーの多くが、歴史ある伝統的な企業が多いです。
部門で決まっていることだからといって、非効率的な方法やルールが残っていないでしょうか。毎日の昼礼、承認プロセス、管理するための大量の書類など、形だけ残っているようなものです。
新たなツール導入やプロセスを提案しても、古くからの慣習が強く改善が見込めないままだと、会社への不信感を持つようになります。
単純作業に飽きてしまった
機械メーカーでは仕事内容として単純作業が多く、単純作業に飽きてしまったと嘆き転職を考え始める人も少なくありません。
同じ単純作業ばかりだと専門性のあるスキルを身につけることもできる、時間だけが過ぎてしまいますので他の仕事にも挑戦したいと考えるのはごく当たり前のことですが、機械メーカーは特にその傾向が強いです。
新しい技術や専門性のある経験を積むために転職活動を始めることは悪いことではないですし、機械メーカー側の責任でもあります。
リモートワークが難しい
最後にリモートワークが難しいという理由です。
製造業は現場主義のところが多く、出社が必須になりますし、確かに工場など現場でないと作業ができない部門もあります。
一方営業職や管理系の仕事は、比較的リモートワークが可能ですので、そういった部門であっても横並びで出社をしていないでしょうか。
コロナ禍が明け始めると、以前と変わらず毎日出社をしているという話も聞きます。柔軟な働き方をしたい方にとって、リモートワークが選択できないと不自由なことも多いでしょう。
機械メーカーで働くことで身につくスキル
機械メーカーで働くことで身につくスキルを営業・エンジニアなど職種別に分けてご紹介致します。
営業
☑️コミュニケーション能力
機械メーカーに限らず、営業は人対人の仕事のため、コミュニケーション能力が身につきます。
☑️業界や商材の知見・経験
機械メーカーは家電製品などの身近な物から、研究装置や産業機器など幅広いです。ある分野の業界や商材の知見を深めることができます。
☑️社内調整の経験
機械メーカーは規模が大きく、いろいろな関係者とのやりとりが必要です。他社でも生かせるスキルであります。
エンジニア(機械設計)
☑️業界や商材の技術的な深い知識
営業よりも一つの分野に特化するため、より深い技術的な知識を習得できます。
☑️チームでの開発経験
機械メーカーは規模が大きいため、チーム単位で開発計画をきめ、動く必要があります。そういったチームでの進め方を習得できます。
☑️最低限の英語力
機械メーカーの中には、海外にも開発や製造拠点があるため、英語を勉強している方もいるのではないでしょうか。
機械メーカーからの転職の方向性について
機械メーカーから転職先を選ぶ際の方向性について解説します。
異業界・未経験の職種への転職
機械メーカーから異業界へ転職する場合、これまで経験したことがない職種へのキャリアチェンジを検討するのも選択肢の一つでしょう。
営業職や技術専門職では、未経験者でも応募しやすいポジションも存在するため、興味のある方はチェックしましょう。
営業職では、コミュニケーション能力や顧客対応スキルが求められるため、機械業界での経験を活かしつつ、業界知識を新たに学ぶ姿勢が重要です。
一方、技術専門職では、特定の専門知識が必要な場合が多いため、関連する資格取得や自己学習が求められます。
異業界での挑戦は不安も伴いますが、成長の機会として前向きに捉えたいものです。
異業界の経験職種への転職
異業界へ環境を変えながら、これまでの経験を活かして同じ職種で就業することも選択肢の一つです。
営業職は、顧客のニーズを把握し、適切な提案を行うスキルは業界問わず求められるため、業界を変えても経験を活かせる可能性があります。
また、技術専門職については、異業界での専門性や技術力をアピールすることで、転職活動がスムーズに進むでしょう。。
ただし、業界特有の商慣習や技術に対する理解が不足している場合、採用後に戸惑うこともあるため、事前にリサーチを重ねることが重要です。
同業界・未経験職種への転職
同業界内で未経験職種にキャリアチェンジすることも選択肢の一つです。
具体的には、営業職から技術専門職へ、もしくは技術専門職から営業職へのキャリアチェンジなどが挙げられます。
営業職では、機械業界の知識を活かしつつ、提案力や顧客開拓などの営業スキルを習得することが求められます。
技術専門職においては、座学ベースだけでなく、手も動かしながらより実践的で専門的なスキルを身につける必要があります。
未経験であることを不安に思うかもしれませんが、業界内でのネットワークや経験者のサポートを活用することで、自信を持って新たな職務に挑むことができるでしょう。
同業界の経験職種への転職
同業界で経験職種へ転職するのが最も王道の選択肢と言えるかもしれません。
営業職でも、技術職でもこれまで培った経験を最も評価してもらえるでしょう。
一方で、転職に伴ってどのような環境や任される仕事の変化があるのか?という事前情報収集がミスマッチを防ぐためには重要になるでしょう。
また、転職先として「なぜ同業界同職種へ転職したいのか?」という疑問を持っているため、転職理由や志望動機をしっかり準備する必要があります。
機械メーカーからの転職先おすすめ9選!異業種は?
ではお待たせしました、機械メーカーからの転職先おすすめを営業職と機械設計に分けて厳選してご紹介して参ります。
機械メーカー営業職からの転職先おすすめ
コンサルタント | |
IT業界 | |
外資系機械メーカー | |
ベンチャー企業 |
※⭐️の数は機械メーカーとの仕事の親和性
機械メーカーエンジニア(機械設計)からの転職先おすすめ
機械メーカーのエンジニア(機械設計)からの転職先については下記となります。
外資系機械メーカー | |
自動車・輸送機器業界 | |
ロボット・産業機械業界 | |
消費財メーカー | |
エネルギー・環境関連業界 | |
コンサルティング会社 |
それぞれ一つずつ詳しく見ていきましょう。
機械メーカー営業の転職先おすすめ①:コンサルタント
機械メーカーの転職先おすすめ1つ目がコンサルタントです。
コンサルタントは企業の経営上の課題を発見し、解決に導く役割です。特に機械メーカーの営業職は導入から成約までが長く、相手の課題をしっかり理解する力が必要です。そういったスキルはコンサルタントとしても必要になります。
コンサルタントの顧客の一つがメーカーですので、機械メーカーで身についた社内の仕組みや、現場を知った上で、コンサルタントとしてクライアントに提案できるところは強みでもあります。
コンサルタント志望動機例文
クライアントの成功をより近い立場で支援したいと思い志望しました。
これまで研究装置メーカーの法人営業として5年間、大手企業を担当してきましたが、業務を通じて、開発部門のトップや決済者と接してきました。
メーカーの法人営業という立場では、機械を販売するまでで、顧客の課題にしっかり貢献できているのかが理解できませんでした。
クライアントにより近い立場で、事業を支援できる点に魅力を感じ志望しました。
コンサルタント会社例
戦略系コンサルティング大手
デロイト トーマツ
※総合系コンサルティング
機械メーカー営業の転職先おすすめ②:IT業界
次に機械メーカーの転職先おすすめはIT業界です。
IT分野は引き続き成長産業で、採用にも積極的な傾向があります。IDC Japan社のレポートによると、2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は2.8%で推移していきます。
IDC Japanレポートより引用
ユーザーとしての立場を生かすこともできます。機械メーカーで働く中でITツールを使用していないでしょうか。
営業であれば、SFAやCRM、バックオフィスであればHRや会計ソフトなどです。
ユーザーとして使用していると、気になるところや不便なところを持たないでしょうか。ユーザー視点を既に持っていることになり、重宝される経験です。
IT業界志望動機例文
現職で御社のITツールを使用しており、ユーザーの立場をいかし顧客に寄り添った営業活動ができると感じ、志望しました。
これまで5年間、機械メーカーで営業として働いてきましたが、営業管理として御社のITツールを使用してきて、業務の効率化につながった経験があります。
ユーザーと同じ視点を持った営業として、顧客のニーズをしっかり把握し、信頼される営業を目指していきたいと思います。
IT業界会社例
顧客管理システム(CRM)や営業支援システム(SFA)を提供するIT企業
•サイボウズ:
クラウドベースのグループウェアや業務改善サービスを提供するIT企業
機械メーカー営業の転職先おすすめ③:ベンチャー企業
最後におすすめの転職先はベンチャー企業で、ベンチャー企業は創業間も無く組織がまだ定まっていないことも多いです。
機械メーカーにいたからこその知見を活かすことができるでしょうし、ベンチャー企業の取引先の一つに大企業があり、力を入れて取り組む傾向があります。
大企業相手に営業してきた方は、エンタープライズセールスという役割がおすすめで、重宝されることもあります。
ベンチャー企業志望動機例文
御社の成長と共に自分自身のスキルを高めていきたく、御社を志望しました。
これまで7年間機械メーカーで営業として働いてきましたが、国内の大手顧客がクライアントで、大手企業開拓の営業ノウハウを持っております。
チームとして5人の部下を持ちながら営業活動をしてきました。それらの経験を活かし、自身の活躍はもちろんチームとしても成長できるよう努めていきます。
ベンチャー企業会社例
•キャディ株式会社(https://corp.caddi.jp/) の受発注プラットフォーム企業
•OPEN8(https://open8.com/): 動画領域のDXを推進する企業
機械設計からの転職先おすすめ①:外資系機械メーカー
次は外資系機械メーカーという選択で、中でもエンジニア系は引っ張りだこです。
業界や商材の技術的な深い知識を磨いてきた機械設計の技術者は、外資系企業でヘッドハンティングされることもしばしばあるでしょう。
外資系機械メーカー志望動機例文
貴社を志望したのは技術力を大切にしながら、最先端の開発に力を入れているところに魅力を感じたからです。
現職では、HW開発エンジニアとして10年間働いてきましたが、研究装置をリリースするためのプロジェクトに多数関わり、先端技術識の高まりを感じてきました。
今後さらに重要度が高まっていくであろうこの分野で、先端を走る御社と主にスキルを磨いていきたく志望しました。
外資系機械メーカー会社例
•ヒューレット・パッカード: コンピューターや電子計測機器のメーカー
機械設計からの転職先おすすめ②:その他
その他にも機械設計からの転職先おすすめとしては以下の転職先が挙げられます。
自動車・輸送機器業界
機械設計の知識や経験を活かして、自動車や鉄道車両、船舶などの開発や設計に携わることができます。また、自動車部品メーカーや車両車体メーカーなどの業界にも、機械設計のスキルが求められています。
ロボット・産業機械業界
自動化・ロボット化が進む現代社会において、ロボットや産業機械の設計・開発は非常に重要な分野です。機械設計の知識や経験を活かして、自動化に貢献する製品の開発に携わることができます。
消費財メーカー
機械設計のスキルは、消費財メーカーにも求められます。家電製品や生活用品、医療機器など、様々な製品の設計に携わることができます。
エネルギー・環境関連業界
エネルギー関連産業や環境技術産業においても、機械設計のスキルが求められています。例えば、風力発電や太陽光発電の設備、燃料電池や再生可能エネルギー関連の設備の開発・設計に携わることができます。
コンサルティング会社
機械設計のスキルや知識を活かし、製品の開発やプロジェクトのコンサルティング、技術支援などの仕事に携わることができます。
以上のように、機械設計の経験を活かせる職種や業界は多岐にわたります。自分のスキルや興味に合った業界を選び、転職活動を行っていくことが大切です。
機械メーカーからの転職必勝のコツ4選
機械メーカーは規模が大きい会社が多く、調整力やチームで働く力が求められ、こういったスキルはあまり言語化しきれていないことが多いです。
以下の4つのコツを意識することで、転職活動の準備をスムーズにできます。
現職の良い点/悪い点の洗い出し
現職で感じる良い点•悪い点を振り返りましょう。どういったところに悩みがあり、何が改善されれば良いか、紙に書き出すことがおすすめです。
この時現状の不満ばかりに目が行きがちですので、現職での良さや、手にいれていることもあるはずで、そういった部分もしっかり書き出しましょう。
それらを理解せずに転職してしまうと後悔の元です。まずは冷静に良い点•悪い点を振り返ってみましょう。
取り組んできた仕事の棚卸し
これまで経験した仕事を内容ごとに分類して「どんなことを、どのように行ったか」を具体的に書き出し、数値で具体的に書くことを意識しましょう。
「どのくらいの量、どれくらいの時間行ったか、その頻度など」相手が理解しやすいよう数値で表すことが大事です。
転職エージェントのような第3者に内容を見てもらうと新鮮な発見があり、おすすめです。
実績や再現性の振り返り
取り組んできた仕事の整理ができたら、その中で成功や改善したエピソードをクリアにしましょう。
その際、①実績、②実績を出すまでのプロセス、③再現性で考えることが大事です。
仮に選考が進んだ場合、面接官に「この人なら当社でも変わらず活躍してくれそう」と思わせるようこちらも具体的に振り返りましょう。
転職先に求める条件の明確化
機械メーカーでのこれまでの経験やスキルを棚卸しし、再現性まで落とし込むことができたら、最後は転職先に求める条件を明確化していく作業となります。
同業他社に転職する場合でも、異業種を目指す場合でも、転職先に求める条件を明確にすることは非常に重要で、例えば明確化するとよい条件の具体例として以下のようなものがあります。
☑️自分がやりたい仕事
☑️実現したい年収水準
☑️勤務地エリア
☑️勤務時間や休日など
…etc
上記のうち、重視する点・妥協してもよい点を明確にしておくことで、転職活動の軸が明確になり途中で転職目的を見失うことを防げます。
転職先に求める条件を満たす企業を探すためには、ご自身で求人サイトを検索する手法もありますが、転職エージェントに募集中の企業を紹介してもらった方が効率的で非公開求人や優良企業も多いので、ぜひdodaのような求人数の多い完全無料の転職エージェントを活用することをおすすめします。
機械メーカーからの転職先選び方失敗事例
異業界の商慣習・雰囲気のギャップが大きすぎた
異業界への転職は魅力的ですが、商慣習や職場の雰囲気に大きなギャップがあることが少なくありません。
特に経験職種への転職の場合、業界特有のルールや業務の進め方に戸惑うことが多く、ストレスを感じるケースもあります。
これにより、業務の円滑な遂行が難しくなるため、転職先の企業文化や業務スタイルを事前にしっかりと理解することが重要です。
未経験職種のキャッチアップに苦戦
未経験職種への転職は、新たなスキルを身につける必要があり、時には大きな負担になることもあります。
特に、専門知識や実務経験が求められる業務においては、キャッチアップに苦労し、思うように業務が進まない場合もあります。
このため、入社前に業務内容や求められるスキルについてのリサーチを行い、必要な準備を整えておくことが大切です。
就業時間や職務内容が求人票と違った
求人票と実際の職務内容や就業時間が異なることは、業界職種を問わず発生するリスクがあります。
このようなミスマッチを防ぐためにも、転職エージェントを活用することが効果的です。
特に技術専門職として勤務している方が、平日日中にお休みが取りにくく面接の参加回数が限られるため、詳細な情報を得ることが難しい場合があります。
信頼できるエージェントを通じて、事前に実際の業務内容や職場環境についての情報を収集し、納得のいく選択ができるように心がけましょう。
機械メーカーからの転職先をもっと知るには?
3つのコツを試して頂くと、自分の中で価値観や強みが明確になってくるかと思います。価値観がクリアになり、やはり環境を変えたいと思う方もいる筈です。
その際、どのように会社探しを進めるべきかわからない時は転職エージェントに相談をしてみましょう。あなたの価値基準に合った求人を提示してくれます。
転職ありきではなく、今のあなたの市場価値を知るためにも早めにコンタクトしてみましょう。おすすめは以下の2社です。
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