自衛隊から転職したい人に向けて、自衛隊の転職先おすすめ4選について元自衛隊の筆者が体験談を元に徹底解説して参ります。
- 【民間】にでて、自分はやっていけるだろうか?
自衛隊の退職・民間企業への転職を考えるとき、多少なりとも頭をよぎるのがこの「漠然とした不安」ではないでしょうか?
私もそうですが、例えば
- 組織体質が自分には合わない
- 体力的にずっとは厳しい
- やっぱり民間の華やかさに憧れがある
自衛隊在職時に幹部として隊員に接する中で、去っていく方々はこうした想いが多く、同時に「辞めたい」が先に決まっていることが多かったと記憶しています。
様々の事情で 自衛隊を離れるという決断をした、または検討されていると思いますが、いま、民間に20代後半から転職して「民間」の仕事に就いた自分がこちらを読む方々に伝えたいのは「積み上げた経験は必ず役に立つ」ということです。
今回はそちらをお伝えしたいと思います。
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2023年3月13日最終更新
目次
自衛隊から転職したい辞めたい理由
【民間】という言葉を冒頭で使用して、自衛隊内で【外の世界】を指すような言葉でよく使われていたなと、懐かしく思います。
思えば私は単純な憧れ、すなわち
- 社会や国のため
- 困っている人を助けるため
- いざとなれば国を守るべく戦うため
など高校時代に触れた書籍・ゲームなどの影響もあり大学から入隊を決意しました。
数年を経て後に実勤務になってからしばらくしてからでしょうか・・・
理想と現実の違いに直面し、果たして自分がしていることが上記のことにつながるのか?本当に意味があるのか?という疑問にしばしばぶつかりました。
「【民間】で○○がしたい」ではなく「自衛隊では自分の道がないかもしれない」
私が率直に感じたのはそうでした。
戦争や災害という「起きないほうが幸福なこと」に「ひだすら準備をして過ごす」という「自衛隊が永遠に抱えるジレンマ」に近いものがどうしても前向きに捉えることができず、本来の活躍をすることが望まれはしない仕事というものに向き合うことができない自分がいました。
- 体力・精神的なきつさに意味を見いだせない
- 価値観や考え方が精神論ベースで閉鎖的
- 外の世界との結びつきが少ない
- 『組織の性格(そこに属す以上切り離せない)人間関係』が自分に合わない
こうしたことは自分自身の主な理由ではありませんが、他の方とも同じくして、やがて日々積み重なっていきました。
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自衛隊の転職前で不安に感じること
ただし、いざ辞めることを出発点に考えても「何がしたいか?何が【民間】でできるか?」を考えても全く明るいイメージはもてませんでした。
同世代はみんな新入生のステージをクリアし、既に前線で会社の利益に貢献する役割を果たしている中、いまから合流しても、必ず立ちはだかる出遅れ感「え、そんなことも?」という外部環境の目・・・かといって一人でやってみるとしてスキルや経験を含め何もできない。
こうした漠然とした不安は少なかれ共通していると思います。
そうです、皆様も感じてらっしゃる通り、それくらい自衛隊組織は「別世界であるくらい閉鎖的」なので、慣習や考え方、スキルがそのままつながらないのです。
選択肢が極端に少なすぎるというのは、退職時の年齢があがるほど体感として大きいかなと思います。
自衛隊からの転職後に不安に感じること
私の場合は退職後無職で半年ほど過ごしました。
旅行したり、旧友と飲んだり、本を読んだり(今思えば、決してこれからは持てない時間を一生分過ごした気がします。)
「さすがに何か働かないと」という危機感にかられ(本当にそれだけです)実家の近くの倉庫のバイトから始めたのですが、しばらくは「先にやってきた人たち」との圧倒的な経験や感覚の差を肌で感じました。
「これは、こういうものでしょ」と他の方が「考える・作業すること」からすら全くピンとこなかったのを覚えています。
さらに、「求められること」は、自衛隊にいた折の頑張り具合・気持ちや姿勢が評価される物差しとは全く違い「結果」です。
「ダメなら解雇~食べていけなくなる」ということが仕事の失敗の先にあるという公務員にはない感覚、こうしたことが当初の不安を後押しする最大の要素でした。
そうした不安・ネガティブになりがちな心境の中、新しい仕事を考える中で、実際に経験した私自身が思う、「この経験が活かせる」「自衛隊にいたからこそ活躍の場の可能性がある」と考えられるお仕事を私の私見も交えてお伝えできたらと思います。(もちろん私が民間に出て数年間 仕事上いろんな職種の方々と触れてきた中での考えも含めています。)
自衛隊からの転職先おすすめ①:物流関係
自衛隊からの転職先おすすめとして物流関係が挙げられます。
私自身がまさにそうでした。
特有のビジネススキルが要求されず、しっかりと体が動いて、まさに在職時に仕事として体力を錬成していたという強みもありますほか、同じく在職中に関わった作業と比較的近い感触の業務に従事できる可能性が高いと思います。
自衛隊と同じように安全管理意識を念頭に、定められた基準(マニュアル)通りに従事すれば業界の雰囲気もどことなく似たものもあるのでおすすめです。
比較的環境の違いによるストレスを感じずに馴染んでいけるのではないでしょうか。
自衛隊退職時に、民間で使える技能を退職予定者に習得させるプログラムが私の頃はあり(現在もあるのであれば)それを活用し「フォークリフト免許」「大型免許」等を取得すれば倉庫作業や荷物運送のシーンで即戦力に近い状態で迎え入れてもらえます。
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自衛隊からの転職先おすすめ②:営業職全般
自衛隊からの転職先おすすめ2つ目は営業職全般です。
新規獲得・既存ルートいずれでも)これは次にあげる2つの観点からですが、自衛隊出身のみならず、経験をしておくが会社様にも印象の比較的良い印象の職種です。
会社が企業活動をするうえで、最重要なのは「顧客の創出」という部分ですが、仕事をとる機能=営業を小規模の会社様では、社長本人がしているケースも珍しくないです。
事業を開始・維持するうえで最も原点となる機能「売上げをとる」という機能を経験することは、その厳しさも相まって経験しておいて(自身もそうですが)将来的にかなりプラスになります。
商売の基本に触れることができるという感じでしょうか。
自身の価値を高める+客観的に受ける評価の両面で私自身は経験していて良かったと感じています。
もう一点は、特性上、自衛隊で教わる「精神論・根性論」といったものが職種の中でそれをベースにした姿勢が評価を受けられることが多い上、これは私の私見です。
前述のように「売る」という行為に「特有のスキルが求められない=障壁が低い」という点です(国家資格を有していないとできない美容師や、専門学校で学んでないと戦力になりづらいデザイナー等とは異なり)。
ですから、商品と業界の知識を学んで、あとは自信の積み上げるもので勝負できるという公平性があります。
結果が数値に出る為、ステップアップもそれ次第という面白味もあります。
様々の職種に触れることができ、また中途採用にも比較的歓迎的(福利厚生や様々のサポートも面白いものが多いです)なリクルートグループや、私が在職時にはあった自衛隊退職者の就職斡旋(独自のルートがあるのでしょうか?)にある地場の有名企業の法人担当営業の募集等は話を聞いてみるのも良いです。
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自衛隊からの転職先おすすめ③:施工管理
自衛隊からの転職先おすすめ3つ目は施工管理、いわゆる現場監督のお仕事で実際に元自衛隊で活躍している人も多い職種です。
建築物を建てる現場を監督する建築施工管理や道路や橋などの工事の施工を監督する土木現場監督の2種類に分けられ、どちらも未経験から挑戦できる環境があります。
一級施工管理技士や二級施工管理技士の資格は転職する時には不要で、仕事をしながら資格を取得することができれば、更なる給料アップも望める点も魅力です。
職人さんたちに指示を出したり肉体的に動かす必要があるため、元自衛隊で鍛えられた体を存分に活かして活躍することができるでしょう。
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自衛隊からの転職先おすすめ④:縁故採用
最後に、これは記載するか悩んだのですが、「転職先として」という意味で「家業についてみる」「知人・知り合いの会社」でまずはスタートしてみるということです。
私のまわりではこれが多かった気がします。
「何かしたいかというと・・・・」というまま退職に踏み切った場合や「やっぱり全く新しい仕事や環境は・・・」といった不安をかなり精神的に緩和してくれると思います。
一旦 その流れで「民間」に触れて、時間をかけてある程度身についてきたら、そこの時点で自身を取り巻く環境や触れてきた情報もアップデートされてきたと思うので、本当にやりたいこと・向いている事に改めて向き合ってみる。
というのも私個人としては選択肢としてありなのかなと思います。
冒頭にあったように「辞めたい」が先に立つケースが少なくはなかったと記憶していますので。
実際に、父の経営する建設会社に入った、先に辞めた先輩が務める外資系保険会社に誘われて入社したという知り合達は、SNSでも近況を見る限り今でもその仕事で活躍をしています。
自衛隊からの転職【必勝】のコツ
抱えているお悩みや、私の経験からこうした未来がというお話をさせて頂きましたがいざ、決心して進めてみようとなった場合に「退職を控えた・時期を決めた後、在職時に準備としてできることは?」という部分にも触れてみたいと思います。
PCスキルをアップデートしておく
後方部隊の職種(通信や兵站、司令部)に従事する方は、PCスキルは現状に満足せずアップデートしておくことをおすすめします。
エクセル・ワード・パワーポイントを民間に出て業務で使用できる(各機能を使いこなせる)というのは「当たり前」でもあり、反対に処理速度が速いことは一目置かれる場合もあります。
例えば営業職でも見積はエクセル、お客様へ話す資料はパワーポイントで作成が一般的なので、これらの使い方を知っているだけでも、とっかかりが幾分か楽になります。
組織で評価される振る舞いをしておく
また「人の組織」なので、後輩のいる方はその指導の仕方をより洗練し、上司のいる方はその意思を推察・具現化しながら命令を実行するという「自衛隊で当たり前のようにする、人の組織での評価される振る舞い」はしっかりと刻み込んでおくのが良いと思います。
日の丸が作った「人」を育て・動かす仕組みはあらゆる組織と比較しても高いレベルにあるからです。実際に退職した先輩でそれを書籍化した方はヒットを記録していました。
英語を習得しておく
他にも海外派遣にそなえ、高校の英語レベルから初めて半年~9ヵ月で最低限の日常会話ができるという教育課程(カリキュラム)を見ても、普通の会社でそんな人材育成をなし得るのは簡単ではないと思います。
これらは面接時に必要な「履歴書・職務経歴書」に(表現の仕方はありますが・・・転職支援サービスでも教わるかと思うのでここでは割愛します)記載をしてアピールできることであると思っております。
採用企業様にとって「公務員からの転職者で、そもそも何ならできるか?」という目で見るときに、わかりやすいからです。
私の場合は、自衛隊で教育を受けた英語と、幹部としての組織運営・管理の経験、PCスキルで最低限簡単な作業は支障なくこなせるという部分が面接官であった当時の社長と話題になりました。(そのまま採用へ)
自衛隊からの転職に関するQ&A
自衛隊からの転職に関するQ&Aを一覧で紹介します。
自衛隊からの転職や再就職は難しいor厳しい?
自衛隊からの転職が一般的に難しいと言われている理由は、一般企業とは異なる独自の組織文化や働き方や職務経験を持った人材が多く、そのスキルや能力が一般的な企業でどのように評価されるかについて、課題があるとされているからです。
また、自衛隊には専門性の高い職種が多数あり、民間企業において、その専門性を活かせる職種や業種は限られるため、転職先が限定されることもあります。
一方で、自衛隊は組織力や指導力、リーダーシップなど、企業にとって魅力的な人材育成の場でもあるため、転職先によっては、自衛隊出身者に対して積極的に採用を行っている企業もあります。
自衛隊からの転職を考える場合は、自身のスキルやキャリアプランを明確にし、転職先に求められるスキルや資格を獲得することが必要です。
自衛官からの20代/30代/40代の年代別転職は?
自衛官からの転職について、年代によって転職のスタンスや求められるスキルが異なりますので、20代・30代・40代それぞれの転職について解説します。
【20代】
20代の自衛官は、若さと経験を武器に転職を考えることができます。しかし、まだまだ社会人経験が浅く、組織の中での経験が多いため、民間企業において必要とされるスキルやビジネスマナーなどが不足している場合があります。
そのため、20代の自衛官は、自身のスキルや経験をアピールするための証明書や資格の取得、業界・職種についての情報収集や、企業との交流イベントなどに積極的に参加することが重要です。
【30代】
30代の自衛官は、組織の中でのリーダーシップや指導力を活かし、幅広い業界でキャリアアップを図ることができます。また、30代になると、家庭を持つ人も増えるため、安定した職場環境やワークライフバランスを重視する傾向があります。
そのため、30代の自衛官は、自分のキャリアプランを明確にし、自分に合った業界や職種を選ぶことが重要です。また、自分のスキルや能力をアピールできるよう、自己PRの作成や面接対策などに時間をかけることが大切です。
【40代】
40代の自衛官は、組織の中での長年の経験やノウハウを活かして、経営やマネジメントなどのポジションを目指すことができます。また、自衛官として培ったリーダーシップやチームワークなどの能力を活かし、管理職やコンサルタントなどの職種も選択肢に含まれます。
自衛隊から大手企業に転職するのは難しい?
自衛隊から大手企業に転職することは、一般的には難しいとされていますが、転職できない訳ではありません。
自衛隊から大手企業に転職するためには、自身のスキルや経験をアピールできるよう、証明書や資格の取得、業界・職種についての情報収集や、企業との交流イベントなどに積極的に参加することが重要です。
また、転職エージェントなどの転職支援サービスや専門のコンサルタントのサポートを受けることも有効な手段の一つと言えるでしょう。
自衛隊からの転職後の生活
自衛隊退職後に転職して、最初は確かに実戦配備前の勉強・準備期間が続くかと思います。
私は物流の仕事をする中で、当時の社長に「営業をやってみないか?」と普段の仕事ぶりからなのか?人手が足りないからなのか?オファーがあり、挑戦の機会をもらって全国の百貨店や誰もが知る量販店を担当し、自衛隊の制服を脱いで改めて全国を回りました。
大きな転換点は、新規先で有名な全国展開する会社様の新店舗への導入新規契約を獲得したときです。
その時にはじめて自信がつき、組織に、会社に、経済に貢献出来ているのだと実感しました。
その後も自身のやり方の確立から成果を出していき(その喜びを知り)ご縁のあった他の会社様(営業周りでたまたま懇意になった先からお誘いを受け)国内営業・海外の営業を経験し、実績を積んだ後に、今は自分の事業を立ち上げて新たな挑戦をしております。
今だからこそですが、最初の不安は思い出に変わりました。(私ですらそうですから、必ず誰しもがそうなると思います。)
仕事の転換点は記載のように必ず訪れます。そこまで来たら十分充実している生活になっていると思います。
私が今思い伝えたいのは「全力でことに臨めば何か結果はついてくる」というまさに自衛隊で教わるようなことです。
稚拙な文章でしたが本記載がどなたかのお役に立てたらと思います。
自衛隊から民間企業に強い転職エージェントおすすめ4選【2023】
