「一度は転職を経験したことがある」という方も増えてくる年齢の29歳ですが、「2回目、3回目の転職は不利になる?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、転職市場の現状と300名を超える20代の転職を支援してきたキャリアアドバイザーとしての経験をもとに、転職回数が増えることで転職活動へ与える影響と、転職回数3回目・2回目で転職を成功させるためのポイントをご紹介します。
事前の準備や転職活動の進め方次第では3回目・2回目の転職であっても十分に転職活動を成功させることができますので、ぜひ29歳で転職を検討されている方は最後までお読みいただき参考にしてください。
最終編集日.2021年11月9日
29歳の平均転職回数
20代では転職経験のない人が76%と一番多く、29歳の平均転職回数は0~1回で転職が一般的となってきた現代でも20代で転職する人はまだまだ少ないことが現状です
しかし、30代に入ると半数以上の人が転職を経験しており、20代→30代になるタイミングで転職を考える人が最も多いことが分かります。
関連:30代で転職2回目・3回目は厳しい?転職回数何回まで許される?
関連:31歳で未経験分野への転職は厳しい?転職回数0回でもダメ?

29歳と30歳を比較すると「たった1歳差」と思われるかもしれませんが、実は転職市場においてはこの"1歳差"が非常に大きく響いていきます。
理由として、採用企業は転職サイトや転職エージェントに中途採用の求人を募集する際に「必須条件」「尚可条件」という2つの条件を採用基準として定めます。
名前の通り「必須条件」はその条件を満たしていなければ書類選考すら通過することはできず、「尚可条件」は満たしていなくても多めに見てもらえる基準です。
そして「必須条件」の中で"年齢"を定めている採用企業は非常に多く「20代であれば応募可。30代は不可」と定めている企業が非常に多いんですね。
そのため29歳の時であれば書類選考に通過できていた企業も、30歳になった途端全く書類選考に通過できなくなってしまいますので、29歳であれば"今すぐに"転職活動を始めるべきと言えるでしょう。
29歳で転職回数「3回目」は多すぎる?
一般的に転職回数が多くなればなるほど転職活動に不利になると言われています。
以下のグラフは転職サイトdodaが調査した年齢別の転職回数と成功率を表していますが、29歳があてはまる20代後半で3回目の転職の成功確率は2回目に比べてかなり落ち込んでしまい、成功率は30%以下となってしまいます。

(doda公式HPより引用)
しかしあくまでも成功率の話ですので、29歳で3回目の転職希望者の3割が転職に成功していると考えると、事前にしっかりと対策をすれば転職を成功させることも十分可能な転職回数です。
29歳で3回目の転職となると平均よりも転職回数が多いため、面接ではほぼ必ず"転職理由"を聞かれることになるでしょう。
転職理由を伝えるポイントは、ネガティブな表現を控え「ポジティブな理由」に変換することです。
上司への不満、人間関係など(転職しても同じ理由で辞めるのではないか?と思われてしまう)
<ポジティブな転職理由表現例>
キャリアアップ、年収を上げたい、経験やスキルを身に付けたい(とにかく前向きな表現に!!)
以下に転職理由の例文を紹介しますので、参考にしてください。
29歳3回目の転職理由例文
これまで百貨店の販売員、コールセンターのSV、不動産の提案営業を経験してきて、様々な職種経験を通じてどのようなお客様にも対応できるコミュニケーション能力を身につけることができました。
これから新しい事業展開を目指す貴社に、様々な職務経験によって身に付いた知識やコミュニケーション能力を活かして貢献していきたいと考え志望しました。
上記例文のように"今までの経験やスキルを次の転職先でどのように活かせるか"という視点で志望動機や転職理由を伝えられるかどうかで転職成功率は本当に大きく変わってくるので、しっかり面接対策はしておくべきです。
29歳転職回数3回目で未経験転職は可能?
29歳3回目で未経験分野の転職については、業界・職種共に未経験の場合はかなり厳しいものになると考えておいた方が良いです。
逆に業界か職種のどちらかに経験があり、業界か職種どちらかだけを転職してキャリアチェンジさせたいのであれば、29歳転職回数3回目でも問題ないと言えます。
たとえば例を挙げると、メーカー営業職の経験があって他の業界の営業職に転職したり(職種経験あり)、Web広告の営業経験があって、Web広告会社のマーケティングに転職する(業界経験あり)などは現実的に可能だということになりますね。
29歳で転職回数「2回目」は多すぎる?
それでは転職回数が「2回目」の場合はどう違うのか見ていきましょう。
前述のdoda調べのグラフを再度参照すると、29歳があてはまる20代後半で2回目の転職の成功確率は60%と半数以上の人が転職を成功させていることが分かります。

(doda公式HPより引用)
企業によっても転職回数に対する感じ方は異なるものの、29歳で2回目の転職はそれほど気にする必要はないことが分かりますね。
つまり29歳で転職回数が今まで1回、これから2回目の転職の場合は全く気にする必要はないということです。
しかし、3回目の転職同様、転職理由は採用する企業にとっても気になるところであり、ネガティブな表現を控えてポジティブな理由で伝えることが重要です。
2回目の転職理由の例文をご紹介しますので、参考にしてください。
29歳2回目の転職理由例文
新卒で入社したXX社で婦人服の販売員として接客の経験を積んだ後、より多くの人にファッションを提案したく、アパレル商品のECサイト運営を行うYY社に転職しました。
YY社で2年間EC運営を行う中でサイト運営だけではなく、企画から携わりたいという思いが強くなり転職を決意しました。
人間関係や長時間労働、パワハラなどネガティブな転職理由は"本音"として心の中にしまっておき、面接の場では「キャリアプランを叶えるために転職したい」ととにかく前向きに転職理由を伝えられるかどうかが鍵です。
29歳転職回数2回目で未経験転職は可能?
29歳で転職回数"2回目"の場合の未経験転職については概ね可能です。
業界や職種によっては未経験の場合厳しい分野もあるので、どのような未経験分野に転職したいかによって転職難易度は変わる点は注意が必要です。
29歳2回目でも未経験分野への転職が比較的簡単な業界としては、
人材業界
不動産業界
Web・IT業界
サービス業界
エネルギー業界
…etc
上記が例として挙げられ、職種に関してはまずは営業職から入社するのが一番未経験分野への転職の可能性として現実的でしょう。
29歳は転職は成功確率が高い「最後の」年齢
ここまでの話で「29歳ではあまり転職しない方がいいのかな?」と思ってしまった方もいるかもしれませんが、実は29歳は転職市場で最も需要の高い転職するには絶好のタイミングです。
現在の日本は少子高齢化と好景気が合わさった背景により企業が最も必要としている若い人材が枯渇しているため、企業は常に20代の人材を常に求めている状況です。
また、30代に入ると職種経験やマネジメント経験を問われることが増えてきますが、20代では未経験を歓迎している企業も多いのが現状です。
そのため、もし未経験の業界や職種に転職したいと考えている場合は、29歳の今が最後のチャンスと言っても過言ではありません。
30歳になってしまうと転職のハードルは一気に高くなりますので、転職すべきか迷っている方は1日でも早く転職活動を開始すべきでしょう。

29歳で転職したい場合、転職回数と同じくらい重要なのが"勤続年数"で、直近の会社の勤続年数が短いほど採用企業はあなたに懸念を抱く可能性があります。
そのためもし勤続年数短く次の会社に転職したい場合は「なぜ勤続年数が短くなったのか?」を事前に整理して言語化し、面接に備える必要があります。
例えば具体例を挙げると、
親の介護でUターンしなくてはならない
現職の会社で部署が閉鎖になった
上記のように ”転職せざるを得ない理由”があれば、採用企業の人事面接担当者が納得してくれる可能性は高くなるでしょう。
勤続年数が短くて転職したいけども転職理由で何と言うべきか分からないという方はこの後に紹介する20代後半に強い転職エージェントを活用することで、担当のキャリアアドバイザーが一緒に転職理由を考えてくれるのでおすすめです。
29歳で3回目・2回目の転職を成功させる方法
ここまでの話で29歳で転職を成功させることは十分に可能なことだとお分かりいただけたかと思いますが、2回目・3回目と転職回数が多い場合は転職難易度が高いことも事実です。
転職回数の多さをカバーするために、前述したようなポジティブな転職理由や自己アピールを考えて、かなり工夫することができなければ転職は難しいでしょう。
また、転職したいがために焦ってしまうとブラック企業に入社してしまう可能性もありますので、企業選びも慎重に行う必要があります。
転職活動を成功させるための唯一の方法は転職エージェントを利用することで、数ある転職エージェントの中でもdodaとマイナビエージェントは20代後半の転職にめっぽう強いです。
両社共、20代の若手を対象とする大手総合型転職エージェントで、専属のキャリアアドバイザーによるキャリア相談や失敗しない応募先企業の選び方、応募書類添削や面接対策など、プロの目線でアドバイスしてくれます。
「今度こそ転職活動を成功させたい」と考える29歳のあなたにこそ、絶対に活用してもらいたい転職支援サービスです。
