32歳で転職をお考えの方に向けて、未経験分野への転職は厳しいのか?転職に有利な資格など、転職に必要な全知識を解説して参ります。
女性にとって32歳という年齢は、十分仕事に慣れてキャリアを積んできたところ、と同時に結婚や出産などのライフイベントを間近に控えて、将来のライフキャリアプランを真剣に見直す方が多くいらっしゃる年齢です。
男性にとっても、いよいよマネジメントを任される年齢やある程度将来のキャリアの方向性が定まるのが32歳という脂の乗った年齢の時期とも言えます。
今回は、そんな32歳男性女性の転職について、採用企業が32歳の方に求めることや、転職に有利な資格、転職を成功させるポイントについてまとめてみました。
約1,000名の30代前半男女の転職をサポートしてきた経験を元に実体験や転職市場の裏側を交えながら詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にされてみて下さい。
目次
32歳の転職理由第1位は「スキルアップしたい」
ではまず、32歳で転職を考える方々の転職理由について見て行きましょう。
下記図表は求人・転職サイト「とらばーゆ」が転職活動中の30代前半の方に行ったアンケート調査の結果を表したものです。
30代前半の転職理由ランキング |
||
1位 | スキルアップしたい |
35.6% |
2位 | 給与・昇給など待遇に不満がある |
34.5% |
3位 | 経験の幅を広げたい |
33.3% |
4位 | 休日数、残業、勤務時間に不満がある |
24.1% |
5位 | 仕事にやりがいを感じない |
18.0% |
6位 | 会社や業界の将来に不安がある |
15.7% |
7位 | 他にやりたい職種がある |
14.6% |
8位 | 職場の人間関係に不満がある |
11.9% |
9位 | 仕事内容が自分に合わないと感じた |
10.3% |
10位 | 自分の能力を発揮できない |
10.0% |
転職理由として最も多かった回答は「スキルアップしたい」(35.6%)というものでした。
30代を迎えたことで、「年齢に見合うキャリアをつけたい」「スキルアップするには32歳がギリギリだから」などの意見があることがわかります。
次いで2位は1位とほぼ同率の「給与・昇給など待遇に不満がある」(34.5%)という理由でした。
任される仕事の幅や責任が大きくなることが多くなってくるだけに、職責に見合った報酬を得たいとの声が多いようですね。
また、30代になるとキャリアよりもライフプランを重視する人も出てくることから、「働き方への不満」が4位と上位に上がってきています。
このように、32歳の方は、
・キャリアアップを目指す人
・家庭を中心としたライフスタイルを重視する人
上記によって、転職理由が分かれてくることがわかりますね。
32歳で未経験分野への転職は厳しい?
結論から申し上げますと、32歳で未経験分野へ転職することは不可能ではありません。
しかし、中途採用で未経験者を採用するなら、やはりポテンシャルに期待できる「20代」を採用したいと考える企業が多いため、簡単なことではありません。
32歳で全くの未経験分野への転職を成功させるために重要になってくることが、前述でも申し上げた「即戦力性」です。
未経験分野なのに即戦力?と思われるかもしれませんが、異業種からIT系企業に未経験で転職を成功させた32歳女性の支援をさせていただいたケースでは、
「前職は異業種・異職種でしたが、前職の経験が当社でも活かせそうと判断できたからです。」
と採用企業の担当者から評価されていました。
この方の他にも多数の32歳の方の転職を支援してきましたが、成功者に共通して言えることは「自分の”強み”をしっかりとアピールできる」ということです。
20代までのように「熱意」だけで採用されることは難しいということをきちんと理解したうえで、30代ならではの豊富な経験で培ったあなたにしかない強みをアピールすることが大切です。
また、未経験分野へ転職する際には転職回数が見られることも多いので、詳細については下記も併せてご参考くださいね。
32歳は転職回数何回まで大丈夫?2回目・3回目は厳しい?
32歳で未経験転職を成功させるポイント
では、32歳の方が未経験分野への転職を成功させるためにはどのような点に注意しながら転職活動を進めて行く必要があるのでしょうか。
前述した転職理由を踏まえて3つに分けて解説して参ります。
スキル・能力の棚卸を行う
たとえ全くの未経験業界・職種への転職を目指している場合であっても、今まで行ってきた仕事・スキルの棚卸は必ず行いましょう。
棚卸しのポイントは、具体的にどんなことができるのか、何が得意かなど、今までの経験に紐付くことを細かく書き出していき「自分の強みは何かを明確にしておくこと」です。
棚卸を行うことであなたの能力を最大限に活かせる職探しができるようになり、転職活動を成功に近づける一歩となります。
採用企業が32歳の方に期待するポイントは繰り返しになりますが「即戦力」になりますので、即戦力性をアピールできる知識と経験を自分自身で把握しておきましょう。
たとえ未経験業種への転職であっても、今までの経歴・スキルが次の仕事でも活かせることを理解してもらえれば、採用してもらえる確率はグッと上がります。
たとえば以前私が転職を支援した32歳の方で、以下のような経歴を持った方が転職を成功させていらっしゃいました。
32歳未経験分野への転職体験談
私は新卒から約10年間ほど求人広告会社に勤務しており、求人広告の営業や原稿執筆のライター〜編集まで幅広い業務に携わっていました。
しかし32歳という年齢になってこれから先のことを考えたときに、今までのような長時間労働やより責任のあるマネジメント職に就くことは現実的ではないと判断し、転職を検討しています。
以前から興味のあったWEBマーケティングの分野に携わりたいと感じており、WEBの知識はまだ未経験ですが、人材会社で培った営業とライター経験を活かし、コンテンツマーケティング職を志望しています。
一度やると決めれば、最後までしっかりとやり通す覚悟がありますので、今はまだないWEBマーケティングの知識も貪欲に吸収していくつもりです。
希望条件を明確にする
将来の在りたい姿と自分の強みを明確にできたことから、具体的な希望条件が出てくることでしょう。
考え出すとさまざまな希望が出てくるはずですが、実際には全ての希望が満たされる転職先を見つけられることはレアケースです。
そして希望条件が明確になっていないまま転職活動を行った結果、転職に失敗してしまう方も多くいらっしゃいます。
応募先企業を決める時にポイントになってくることは、「絶対に譲れないことは何か」を明確にしておくことです。
条件に優先順位を付けておくと応募する企業選びがスムーズになりますので、キャリアプランだけでなく将来的なライフプランも見据えたうえで、あなたにとって何が大切か考えてみましょう。
ライフキャリアプランを設計する
特に女性に関してですが、32歳女性は仕事だけではなく結婚・出産等、大きなライフイベントが発生する時期でもあります。
すぐに予定がない場合も、5~10年後の在りたい姿をしっかり考えたうえで働き方や待遇面の希望について考えていきましょう。
ライフキャリアプランを設計する際、仕事に比重を置いてバリバリ働きたいか、プライベートを重視してバランスよく働きたいか、などをよく考えて、仕事・プライベートの両方に無理が出ない設計を行うことが重要です。
既にパートナーがいる場合は、パートナーの意見も聞きながら将来のライフキャリアプランを設計していくと、プライベートに支障が出ることのないライフキャリアプランを立てることができるでしょう。
32歳未経験でも転職可能な転職先一覧
では、32歳女性未経験でも転職を受け入れてくれる転職先の傾向としては、どのような企業が挙げられるのか大きく3つに分けて紹介して参ります。
外資系企業
日本国内ではなく、米国や欧州に本社を置く外資系企業はやはり、人事制度や社風なども男女隔たりなく平等に受け入れてくれる傾向があります。
もちろん一概には言えませんが、女性の転職に理解を示してくれる企業が多いのが事実です。
ベンチャー企業
これから成長拡大を目指すベンチャー企業に関しても、人を採用したいという意識が強いため男女関係なく平等に見てもらえる可能性が高いです。
また、ベンチャー企業は新卒採用を行っていない企業も少なくなくほとんどが中途採用経由の「転職してきた人」のため、比較的社風に馴染みやすい特徴もあります
IT・WEB系企業
IT・WEB系の企業は業界全体の市場が伸びていることもあり、女性を含めて採用活動を積極的に行っている企業が多い傾向にあります。
また、WEB・IT系企業は新しい働き方を柔軟に推進している企業も多いため、産休や育休など人事制度が寛容な企業が多いことも特徴の一つです。
未経験でIT・WEB企業への転職に興味がある場合は「WEB・IT業界の方向け転職エージェントおすすめ厳選6選」を活用してぜひ一度相談だけでも行ってみましょう。
32歳未経験分野の転職に有利なおすすめ資格
32歳で転職するにあたって、当然保有している資格が有利にはたらくことも少なくありません。
比較的すぐに取得でき、かつ転職活動に役立つおすすめの資格をいくつか紹介いたします。
※★の数が少ないほど取得は簡単
資格名 |
難易度 |
活かせる業種・職種 |
TOEIC | ★★★☆☆ | 外資系企業、全職種 |
多くの外資系企業で応募条件に制限をかけている資格です。
600点で中級レベル、大手企業を目指す場合には800点以上取得することを目指しましょう。 資格手当が支給される会社もあります。 |
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日商簿記3級・2級 | ★★☆☆☆ | 全業種、財務・経理 |
業種と問わずに財務・経理職で活かせる資格です。簿記2級を取得すると転職の際に応募できる求人が一気に増えます。資格手当を支給している企業も多いため、勉強代や受験料もペイすることができます。 | ||
秘書検定 | ★☆☆☆☆ | 事務職、受付、秘書 |
オフィスマナーの全般を習得できる資格です。女性が持っていると企業からの評価が高い資格であり、特に営業職から事務職などにジョブチェンジしたい場合は、取得しておくとライバルと差をつけることができます。 | ||
ファイナンシャルプランナー | ★★★☆☆ | 金融業界、不動産業界 |
個人的な資産運用や金融に関するアドバイスをする仕事です。
保険や不動産売買など、個人を相手とする資産を扱う業種で活かせる職種です。資格を取得すると企業によっては資格手当が支給される企業もあります。 |
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社会保険労務士 | ★★★★☆ | 企業の人事、社労士事務所 |
国家資格であり、人事労務、社会保険の専門家。労務管理や年金のコンサルタントや就業規則の作成を行います。社会保険や労働に関する法律や手続きはとても複雑で専門的な知識が求められるため、社会保険労務士の知識は多くの会社で評価されています。 | ||
宅地建物取引士 | ★★★☆☆ | 不動産事務、金融業界 |
宅地建物取引業法に基づき定められている国家資格です。
不動産会社が行う宅地や建物の売買、交換や貸借の取引に対して、購入者等の利益の程や円滑な宅地や建物の流通になるよう公正かつ誠実に方に定める重要事項の説明等を行う不動産取引法務の専門家になります。 |
資格を取得すると、転職して収入アップを狙う場合実務経験の裏付けになります。
また、未経験分野へ転職を希望している場合も仕事の能力証明のための裏付けにもなりますので、即戦力性に期待される32歳女性の転職に有利になります。
32歳転職希望者の女性と男性の違い
女性というのは本人にその気がなくとも、採用企業側からは近い将来に結婚や出産などのライフイベントが起こることによって「すぐに退職してしまうのでは」と懸念されるため、一般的に30代以降の転職が難しいと言われているのです。
32歳で同じスキルや実績を持った男女がいた場合、ライフイベントによって仕事を辞めるリスクが低い男性を優先して採用する企業が多い、ということですね。
場合によっては女性の方がスキルや人柄が秀でていても僅差であれば男性を採用する、という企業も少なくないのが現状です。
しかし、32歳の女性は十分な社会人経験があり即戦力として期待される転職市場において価値の高い年齢でもあります。
面接官へしっかりと自分のキャリアプランを示して、結婚・出産後にも働き続ける意思があることを理解してもらえれば、性別に関係なく転職成功を望めます。
32歳で転職活動で内定を貰えない場合
今回紹介している内容を踏まえて既に転職活動を進めているものの「なかなか上手くいかない」「書類選考は通るけど内定が取れない」という方もいると思います。
もしなかなか内定が獲得できず転職活動に苦戦している場合は、転職エージェントの活用をおすすめします。
転職エージェントは、独身・既婚・子育て中などの条件の違いに関わらず、転職希望者が無料で利用できる転職支援サービスです。
具体的には、
・キャリアカウンセリングによるキャリアの棚卸
・転職相談
・企業情報収集
・求人紹介
・書類添削
・模擬面接
・条件交渉
…etc
転職活動のさまざまな場面でプロのキャリアアドバイザーによるサポートを受けて、転職成功確率を上げることができます。
女性の転職を強みとしている転職エージェントを2社今回は紹介いたしますので、ぜひ活用されてみてくださいね。
パソナキャリア
まずおすすめの転職エージェント1社目は「パソナキャリア」で、特に女性の転職に強みを持つ優良転職エージェントです。
女性の求職者に対しては女性のキャリアアドバイザーがほとんどの確率で担当になってくれるため、しっかりとライフプランの相談に乗りつつ転職全般のアドバイスをしてもらえます。

保有している求人数も業界3位の多さなので、紹介してもらえる転職先も事務職や営業職、販売職や専門職など業種・職種問わず幅広く提示してもらうことができます。
数ある転職エージェントの中でも特に「親身さならパソナキャリア」と言われるほど寄り添ってくれますので、なかなか内定が獲得できていない方におすすめの転職エージェントです。
doda
おすすめの転職エージェント2社目は「doda」で、業界No.1の転職成功実績と保有求人数の2冠を達成しています。
なんといっても取り扱っている求人のバリエーションはダントツNo.1なので、もし転職先の志向性が決まっている場合、最も多くの求人を紹介してもらえる筈です。

転職活動を始めたばかりのタイミングで利用して「今の自分にどんな転職先の選択肢があるのか」を知るための良い機会として利用する人も少なくありません。
担当キャリアアドバイザーの親身さではパソナキャリアに劣りますので、パソナキャリアと併用して活用すると非常に効果的に転職活動を進められることでしょう。
転職エージェントを上手く活用しながら、32歳での転職活動をぜひ成功させられることを陰ながら応援しています。
