「生まれ育った土地で働きたい」「地元で働きたいけど仕事があるか不安だ」というUターン転職ですが"後悔する"と噂なので、失敗しないためのポイントを解説します。
また、Uターン転職のメリット・デメリット、体験談や転職の注意ポイントもご紹介しながら、後悔ないUターン転職についても触れて参ります。
Uターン転職最大のポイントはメリットではなくデメリットに目を向けることです。
慣れ親しんだ土地のためどうしても慢心しやすくなるのですが、社会人として独り立ちし、家族構成が変わりライフスタイルが都会化してからの地元へ転居はギャップの連続です。
一時的に滞在することと継続的に住むことには大きな差があるからです。
地元での生活を滞りなくソフトランディングできるよう、Uターン転職する事前準備が非常に大切だと言えます。
地方別おすすめ転職エージェント一覧まとめ【47都道府県】
【最終編集日.2020年2月6日】
Uターン転職で後悔・失敗した人の体験談
ではまず早速、実際にUターン転職を一足先に経験したものの「後悔した」「失敗した」と感じている先輩の方々の体験談を見ていきましょう。
具体的にどのような点に対して後悔しているかを事前に把握することで、いざUターン転職を試みた際に同じ過ちを回避することに繋がる筈です。
Uターン転職で後悔・失敗体験談
20代男性
地方在住ですので交通の便がとても悪く、最低賃金が全国平均よりも低いので都会と比べてしまうとかなり低いと思います。
月給制で仕事の内容から毎月の給料明細を見る度にとてもがっかりしてしまいますし、後はガソリンや車の維持費がかなりかかります。
交通費も支給されますが冬になるとかなり燃費も、悪くなり赤字です。
車両の維持費も給料から賄わなければならないので、電車通勤などの方に比べると、遥かにコストがかかります。
家賃も都会並みではありませんが1kぐらいの部屋でも、5万円からというのも珍しくありません。
自分が住んでいる地域の平均所得は250〜60万円ぐらいなので、貯金もあまりできませんし良い暮らしは望めません。
Uターン転職で後悔・失敗体験談
25歳女性
神奈川県から岐阜県にUターンしましたが、まず岐阜県は車社会なので、車がないと不便だと感じます。
免許がないと行動範囲が狭まりますし、電車で出掛けたとしても本数が少ないので、とにかく帰りの時間が気になっています。
また、仕事の種類が少なく、良いなと思う仕事はみな長く勤めているので空きがないので自分が思い描く仕事には思うようにつけない現状です。
あと、やはり給料の安さは一番気になるところです。
岐阜県自体田舎なので物価が安い点はありがたいのですが、給料や時給の安さはどうにもならずやはり比べてしまいます。
やはり賃金、これがUターンして転職してみて一番ひっかかるところでした。
Uターン転職で後悔・失敗体験談
35歳男性
私は以前都内近郊で働いていましたが、長男のため、両親のことを考えて地元に帰る決断をしました。
私の地元は田舎町で、当然ながら少子高齢化のお手本のような町なので、転職先を探すことにまず苦労しました。
そんな中どうにか建設関係の仕事に就く事が出来たのですが、これがまた天候や仕事量に左右され無駄な休みが多く、望んでいた給与まで届かない現状です。
都内近郊で働いていた時は充分な給与を貰っていたので、いくら田舎町で生活費が安く済むといっても、それなりの給与に満たない事は予想外でした。
建設業以外の他の業種も調べましたが、やはり私が住んでいる地方では、全般的に安月給は避けて通れない道です。
やはり実際にUターン転職をした後に「後悔した」と感じている人は少なくないことが分かりますね。
今回アンケートを取ってみて分かったのは、Uターン転職して後悔している・失敗したと感じている人の9割は"給料"に対して失敗したと感じている人が多い事です。
地元に帰りたいからという理由でUターン転職をすることは全く問題ないのですが、
どれくらい下がっても生活していけるか
そもそも年収ダウンを避ける方法はないか
上記については事前にしっかりと情報収集を行った上で地元に帰るという選択を取るようにしましょう。
自分の今の仕事で地元で転職して給料がどれくらい下がるのか分からないという場合は「地方別おすすめ転職エージェント一覧まとめ【47都道府県別】」で地元に詳しい転職エージェントに直接聞くのが賢明です。
しかし逆を言えば、Uターン転職しても給料が下がっても良い、給料はむしろ上げられるか変わらない仕事に就いている、という状況なのであれば、リスクと感じず、Uターン転職を存分にすべきだと言えるでしょう。
関連:【Uターン転職】転職理由・志望動機・志望理由例文まとめ
Uターン転職とは?
そもそもUターン転職の定義ですが、一般的にUターン転職とは、地方出身者が都会で働いた後、地元に戻って他の仕事を探すことを指します。
他にも都会育ちで都会の企業で働いていた人が地方に転居して働く「Iターン転職」や地方出身者が都会で働き、別の地方に仕事を移す「Jターン転職」という言葉もあります。
Uターン転職 | "地方出身者"が都会で働いた後→地元で転職 |
Iターン転職 | "都会出身者"が都会で働いた後→地方で転職 |
Jターン転職 | "地方出身者"が都会で働いた後→地元とは別の地方に転職 |
昨今地方再生・創生という言葉を何かと聞きますが、Uターン転職で地方での労働人口増加を図る自治体が増えてきています。
各自治体がPRムービーをYoutubeに投稿し話題作りをし、IターンやJターン転職者に向け説明会やイベントを催す試みや地方に住みながらリモートでできる仕事環境の整備にも力を入れていますね。
国立社会保障・人口問題研究所の「第7回人口移動調査」の結果からもUターン転職者は増加傾向にあり、地方を盛り上げる存在として注目を浴びているのです。
県外移動者 |
Uターン者数 |
Uターン者割合 |
|
2013年調査 |
10115人 |
3487人 |
13.3% |
2006年調査 |
9893人 |
3424人 |
12.7% |
(※人口問題研究所「第7回人口移動調査」より)
Uターン転職のメリットとデメリット
では次に、Uターン転職のデメリットとデメリットについて、それぞれ見て参りましょう。
Uターン転職のメリット
都会の喧騒から離れられる
満員電車、渋滞、高層ビル群、平日も休日もどこにいっても人ばかりといった環境と決別できることを魅力に感じる人も少なくありません。
車通勤になったとしても道は渋滞せず、仕事も殺伐とした雰囲気もなく残業もほぼないため、プライベートな時間も充実させやすくなります。
都市部を離れれば自然も比較的多く、新鮮な空気の中でゆったりと過ごせるでしょう。
また、保育園や幼稚園等も都市部と比べれば入りやすく、地域が協力し合いのびのび子育をしていけるので、子育てがしやすいという声も多く聞きますね。
生活費が安い
地方は都会よりも比較的家賃が低いため、低予算で憧れのマイホームを持つことも夢ではありません。
都内のように家同士がひしめきあっていないため、庭を持ち家庭菜園やガーデニングといった趣味を楽しむこともできます。
また、スーパーには地元で取れたばかりの野菜や果物が並び、値段も安く味も良くコストパフォーマンスも抜群です。
中には収穫量が少ないため地元にしか出回らない特産物にも出会えるかもしれません。
ただし豪雪地方では冬の暖房費や除雪のための設備費がかかり、住むエリアの気候や特性にもより出費が嵩む可能性もあるので、家計の予算計画を立てる際には注意しましょう。
慣れ親しんだ土地で家族と暮らせる
Uターン先での地方では以前の生活イメージがあるため、土地勘がない場所よりも転居しやすい利点があります。
地元の友人や両親の近くで暮らせるので、助け合いもでき絆を深めることもできます。
特に親が高齢の場合には介護の問題が発生しやすく身近で見守り、支えられる安心感も大いにあります。
また、長年離れた地元に戻ることで地元の良さを再確認できたり、新たな価値観を得るチャンスにもなるかもしれません。
地方別おすすめ転職エージェント一覧まとめ【47都道府県】
Uターン転職のデメリット
ライフスタイルがガラリと変わる
通常の転職は企業や職種が変わる変化ですが、Uターン転職は生活が何もかも変わります。
住まいもプライベートな人間関係も、家族がいる場合には子供の学校や奥さんのパート先までと誰もかれも生活の変化に何かしらのストレスを感じる環境になります。
都会の便利な環境に慣れていると近くにコンビニや病院がなかったり、ネットが繋がりにくくレジャー施設も少なく不満に感じる場面も増えるでしょう。
特に交通の利便性は下がり車がないと移動できない環境になる可能性が高いため、免許取得や自動車購入は検討すべきだと言えます。
狭い人間関係
地方は住人が少なく、古い体質の家も多くご近所付き合いも多くなります。
顔見知りが多くなるので助け合いができる反面、中にはトラブルを抱えた隣人に悩まされることもあるでしょう。
都市部に慣れてしまっているとこのような地域の交流を面倒に感じることもあり、人の目や噂に悩まされる人も少なくありません。
また、転居を共にした家族が転居先エリア出身ではない場合、よそ者扱いをされ憂き目に合うこともあります。
人間関係が濃い分、何かと気疲れする場面も増えることも想定されますね。
希望の仕事がみつからない&年収ダウンのリスク
地方は都会と比較するとそもそもの企業数が少なく、限られた業種の会社しか存在しません。
金融アナリストやIT系といった専門的な職種自体存在しないリスクもありますので、「地元だから…」という安心感から、退職をした後に職探しをすることは絶対に止めましょう。
まずは退職前の在職中に転職活動を始め、地元の転職事情について調べることをお勧めします。
また、生活費が低くなりますが、年収も都市部よりも低い傾向にあります。
特に大手出身のミドル層が地方にいくと大幅ダウンとなり、生活プランを見直さなければいけないケースも少なくありません。
地元の年収相場等を知り不当な年収ダウン対抗策を練ることも大切です。
Uターン転職で失敗しないための3つのコツ
では上記の方々のようにUターン転職を失敗しないようにするためにはどうするべきか、3つのポイントに分けて解説して参ります。
家族とじっくり話し合ってから決める
家族がいる場合、Uターン転職は自分だけの問題ではありません。
家族も今までの環境と大きく変わる不安にさらされるので必ず話し合いをした上で結論を出しましょう。
そして、転居予定となる場所に赴き生活イメージを付けておくことも大事です。
子供の幼稚園や学校探に目途を付けた上で引越しをしないと、後になって再度転居をすることになり、落ち着いた生活を取り戻すことに時間がかかってしまいます。
また、実家で親と同居する場合にも家を継ぐかどうかや介護について等も話しておいた方が良いでしょう。
引越し前に想定される問題やトラブルを事前に意識することで、ある程度の覚悟を持てるのでゆくゆくのトラブルを回避する予防策になります。
制度や周囲のサポートは活用しきる
人口減に悩む地方自治体が多くUターン転職の促進活動をしており、住まいや就職先の相談に乗ってくれるところが大半です。
条件を満たせば補助金をもらえたり、リーズナブルな公共住宅を用意している自治体もあるため、一度問い合わせてみましょう。
また、都市部ならネットで調べれば欲しい情報を得られますが、地方ではそうはいきません。
転職口コミサイトの投稿もレビューがなく満足な情報も掲載されていません。
関連:キャリコネの登録は危険?信憑性は?転職会議やVorkersと比較
高齢者が多いエリアでは求人も新聞折り込みや求人誌といった地元民向けの紙媒体にしか掲載されていないケースもあります。
情報不足による転職失敗を避けるためにも、地元の友人知人のネットワークも活かし欲しい情報を得て、生活イメージや転居後の人間関係構築をしておきましょう。
地方のエージェントを使う
Uターン転職に転職エージェントの存在は欠かせません。
エージェントを使わなければ、企業の実態を正確に把握しづらいためブラック企業に入社する危険性があります。
早期退職をしてもすぐに次の会社がみつからず、焦りからより条件の悪い企業に入社し望まぬ結果を招くかもしれません。
しかし、Uターン転職に強いエージェントは十分な情報を得られるので、ミスマッチのリスクは格段に減ります。
地方別おすすめ転職エージェント一覧まとめ【47都道府県】
また、転職エージェントにお願いすれば1日に複数の面接が受けられるよう調整してもらえるので交通費と時間の節約もできるでしょう。
言い出しづらい条件交渉もエージェントが行ってくれるので、年収ダウンを可能な限り防いでくれる可能性もあります。
エージェントによっては入社お祝い金があったり家具家電完備の寮付き求人もあるので、是非地方の転職に強いおすすめ転職エージェントをチェックしてみることをお勧めします。
Uターン転職失敗→再上京は可能?
今回お伝えしている通り、Uターン転職をして給料や生活の不便さという観点から「再上京したい」と考える人も少なくないと思います。
結論としては「本気で東京に戻る気があるのであれば再上京は可能」と言えます。
地元から再び東京に戻るには引っ越し費用もかかりますし、せっかく戻ってきた子供がまた離れるとなると、親はやはり悲しいでしょう。
しかし、あなた自身が実際に地方と都会を両方経験した上で「やっぱり今は都会が良い!」と判断したのであれば、周囲の人々は応援してくれるでしょうし、同じ過ちを繰り返す可能性も低くなります。
Uターン転職する前と同じ場所に住む必要はなく、たとえば比較的東京でもゆとりのある23区外の郊外に住むなど、以前とは別のライフスタイルを送るという選択肢もありますね。
同じ失敗を繰り返して、やっぱり地方の方が…と行ったり来たりするのは大変なので、しっかりと計画を練ってから決断を下すことをオススメします。
地方別おすすめ転職エージェント一覧まとめ【47都道府県別】
