そんな思いから児童指導員に就職したものの、「転職したい」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
しかしいざ転職しようと考えても、「どこに転職すればいいのかわからない」「福祉職以外の業種で採用してもらえる自信がない」と不安になり、足踏みしてしまいがちですよね。
そこで今回は、児童指導員からの転職先のおすすめと、転職を成功させるコツをご紹介していきます。
児童指導員から転職に成功した筆者の経験を踏まえ、実務経験を通して培ったスキルの活かし方もあわせてご紹介していきます。
児童指導員から転職したいと考えている方は是非参考にしてください。
2022年2月23日最終更新
目次
児童指導員を辞めたい理由
児童養護施設や、乳児院、放課後等デイサービスなどで児童指導員として就職したものの、
- 時差勤や夜勤があり、体力的に厳しい
- 休みが不安定で、予定を立てにくい
- サービス残業があり、長時間拘束される
- 児童や保護者との関係が複雑で、心理的に苦しい
- 過酷な労働環境なのに、収入が低い
といった理由で辞めたいと考えている方が多くいます。
それではひとつずつ見ていきましょう。
時差勤や夜勤があり、体力的に厳しい
早朝勤務や、遅番、中抜け勤務、夜勤など。
施設によって勤務形態は様々ですが、入所施設の多くは勤務時間が不規則ですよね。
早番が続く、遅番の次の日が早番、連勤でくたくたの最終日が夜勤……。
勤務時間が不規則だと、生活リズムが乱れてしまい、疲れが取れないと感じます。
また、食事時間や睡眠時間も不規則になり、自律神経が不安定になりがちです。
「若いうちは大丈夫だったけど、歳を重ねるごとにつらくなってきた」という話題もよく耳にしました。
筆者も体力的に厳しいと感じることが年々増え、この先も続けられる自信がないと転職を考えるようになりました。
休みが不安定で、予定を立てにくい
入所施設に「定休日」はありません。
中には「日曜休み」の通所施設もありますが、週休二日を実現するためには別の曜日に休みを入れる必要があります。
そのため多くの施設がシフト制を採用しており、翌月のシフトが当月末にならないとわからないということも。
また、事前に希望休を出しても、同じ日に休みを希望する職員が複数いると、誰かがゆずらないといけません。
加えて、体調不良等やむを得ない理由でシフトに急に穴があくと、誰かが代わりに出る必要があります。
✅予定を入れていたのに、急なシフト変更で出勤することに。
そんな悩みをきっかけに転職を考える方が多いようです。
サービス残業があり、長時間拘束される
「サービス残業が当たり前」の施設で働いている方は多いのではないでしょうか。
筆者が勤めていた施設でもその傾向が強く、改善の動きがあったものの、最終的に解消にまでは至りませんでした。
児童指導員の仕事は、現場での直接支援にとどまりません。
業務記録や、行事の準備、係や委員会の仕事に、関係機関への連絡など、たくさんの事務仕事がありますよね。
けれど「サービス残業が当たり前」の施設では、タイムカードを切ってから事務仕事に取り掛かる職員がほとんどです。
その結果サービス残業が常態化し、気付けば自宅よりも職場にいる時間の方が長くなっていた、なんてことも。
「せめて残業代が支払われるところで働きたい」と考えるようになるのも無理はありません。
児童や保護者との関係が複雑で、心理的に苦しい
児童指導員は、心理的な負担が重くかかる職業です。
児童との信頼関係がなかなか築けず悩んだこと、児童からの暴言に傷ついたことはありませんか?
時には、児童から暴力を受けるケースもあります。
また、児童だけでなく保護者との関係構築も大きな課題です。
何気ない一言が大きなトラブルやクレームに発展する場合もあり、慎重な対応が求められます。
児童の安全を第一に考え、心に寄り添う言葉を考え、暴言や暴力を受けても「悲しみ」や「怒り」を押し殺し、プロとして対応しなければならない。
心理的な負担が重くて苦しいため辞めたいと多くの方が感じています。
収入が低い
児童指導員の平均年収は日本の平均年収よりも低い傾向にあります。
特に通所施設(放課後等デイサービスや児童発達支援センターなど)は、入所施設(児童養護施設や障害児入所施設など)と比べて賃金水準が低いです。
筆者は毎月配布される給与明細を見ては「あんなに頑張ったのに」「こんなに働いているのに」と肩を落としていました。
上記の通り、児童指導員は大変過酷な職業です。
しかしその労動環境に見合った収入が得られなければ、モチベーションの維持は困難ですよね。
以上の理由から、児童指導員を辞めて転職したいと考えている方がたくさんいます。
児童指導員で働くことで身につくスキル
転職しようと考えても、「福祉職以外の経験がないため、別の業種で採用してもらえる自信がない」と不安に感じる方もいると思います。
そこで、児童指導員として働くことで身につくスキルをご紹介していきますね。
①コミュニケーション能力
児童指導員に何よりも求められる力は、コミュニケーション能力です。
児童指導員は、勤務時間のほとんどを児童と過ごします。
その中で相手の話に耳を傾ける姿勢や、ニーズを捉えようとする視点、何を伝えようとしているのか考える力が身に付きました。
また、児童対応だけでなく、職員、保護者や関係機関との連携も不可欠です。
TPOに合わせた言葉遣いで、必要な情報をピックアップして報告・連絡・相談をする。
日々の業務で当たり前にしていることが、実はとても貴重なスキルなんです。
②臨機応変に対応できる柔軟性
児童支援の現場は、対象児童の年齢に関わらず、不測の事態の連続です。
- いきなりはじまる喧嘩。
- 急な発熱。
- 突発的な怪我。
対応の手引きやマニュアルがあっても、すべての事態に答えが準備されているわけではありませんよね。
状況を分析し、適切な対応を考え、迅速に判断する。
その繰り返しが、何事にも臨機応変に対応できる柔軟性を培ってくれました。
③スケジュール管理能力
児童指導員は現場での児童対応だけでなく、たくさんの事務仕事をこなす必要があります。
限られた事務時間の中で、受け持っている仕事の優先順位を把握し、期日までに完了させる。
そのためには自分自身のスケジュールを確実に把握し、効率よく仕事をこなす方法を考えなければいけません。
児童指導員として働くことで身についたスケジュール管理能力は、多くの職種で求められるスキルです。
これらは児童指導員に共通するスキルです。
しかし、職種によって求められる専門性は大きく異なります。
以下に各職種ごとに身につけられるスキルもご紹介していきます。
中には他職種に共通する項目もありますので、ぜひ参考にしてください。
乳児院の児童指導員
0歳から1歳未満の乳幼児に関する知識が身につきます。
育児のコツや方法だけでなく、乳幼児向けの製品に関する知識を実体験として有していることは、乳幼児を対象とした製品を扱う一般企業への転職に有利でしょう。
児童養護施設の児童指導員
心に傷を負った児童や保護者への支援の中で、カウンセリングの知識が身につきます。
カウンセラーの需要が高まっている現代社会において、心の傷に寄り添った支援の経験は強みと言えるでしょう。
児童発達支援センターの児童指導員
就学前の障害児の発達に合わせた支援スキルと現場経験が身につきます。
療育に特化した玩具や福祉用具、書籍を扱っている企業への転職に有利でしょう。
障害児入所施設の児童指導員
障害児者の発達年齢に合わせた支援スキルと現場経験が身につきます。
療育に特化した玩具や福祉用具、文房具や書籍を扱っている企業への転職に有利でしょう。
放課後等デイサービスの児童指導員
レクリエーションのスキルや、企画力が身につきます。
毎日のレクリエーションや長期休暇の行事の準備から進行を行う中で培った経験は、柔軟な発想や提案力の求められる企画・開発の部署への転職に有利でしょう。
児童指導員から転職先おすすめ①:一般企業の営業職
営業職とは、会社で取り扱っている商品やサービスを売り込む仕事です。
販売する相手や売り込むものは業種によって大きく異なります。
トヨタ自動車や、楽天、パナソニック、花王など、幅広い選択肢があることも魅力のひとつです。
✅「頑張った分の報酬が欲しい」
児童指導員よりも高い収入を求めている方には特におすすめです。
児童指導員として働く中で身についた「コミュニケーション能力」や「スケジュール管理能力」は営業職で特に求められます。
児童指導員からの転職理由例文
- 乳児院の児童指導員として勤務する中で、貴社が展開する乳幼児向けの製品を扱う機会が多々ありました。
製品としての性能はもちろん、乳幼児の視点に立った機能性や、育児をする側の負担を減らすための利便性など、たくさんの工夫が凝らされていることに大変感銘を受けました。乳児院では入所している児童に対して職員の数が慢性的に不足しており、常に多忙な状態です。しかし貴社の製品を使用しはじめてから、業務効率が格段に上がりました。
貴社の製品をより世に広めたい、育児に困難を抱えている保護者様や施設職員に知ってもらいたいと思うようになり、転職を決意しました。
児童指導員から転職先おすすめ②:一般企業の事務員
✅生活リズムが整う仕事がしたい。
✅安定した休みが欲しい。
そう考えている方には、一般企業の事務員がおすすめです。
ソニーや、明治、資生堂など、多くの一般企業が事務員を募集しています。
一般企業の事務員は週休完全二日制や土日祝休み、残業少なめの求人が多くあります。
児童指導員として培った「スケジュール管理能力」は、事務員として働く上で欠かせません。
児童指導員からの転職理由例文
- 新卒で入社した児童養護施設では、児童指導員として幅広い業務に携わってきました。
児童指導員の仕事は、現場での直接支援だけではありません。施設行事の企画書の作成や、職員会議のレジュメ作成、日々の業務記録の作成など、事務業務がたくさんあります。図表を用いたわかりやすいレジュメの作成や、職員会議の議事録の作成を得意としており、提出期限を意識して限られた事務時間の中で対応していました。掲示物や配布資料の作成、職員会議での発表を任されていたため、WordやExcel、PowerPointの操作も得意としています。
児童指導員として培ったスケジュール管理能力とパソコンスキルをより活かすために、バックオフィスから現場を支援するポジションに魅力を感じるようになり、転職を決意しました。
児童指導員から転職先おすすめ③:販売職
販売職は、お客様に対して接客サービスを行う仕事です。
コスメ、アクセサリー、服、車、家具、家電など。身の回りにはたくさんのものがありますよね。
中にはあなたがこだわり抜いて選んだものもあるのではないでしょうか。
販売職は、あなたの好きなもの、好きだからこそたくさんの知識を持っているものを販売する仕事です。
KOSEや日産、ソニー、無印良品等、一度は耳にしたことがある企業が多いのではないでしょうか。
児童指導員として培った「コミュニケーション能力」やお客様のニーズに合わせて「臨機応変に対応できる柔軟性」は大きな武器になります。
児童指導員からの転職理由例文
- 昔からコスメが大好きで、貴社の展開する○○は新作が出るたびに必ずチェックしています。
悩むことや落ち込むことがあっても、お気に入りのコスメを使用することで前向きな気持ちになることができました。コスメカウンターで美容部員さんにカウンセリングしてもらいながら、何度元気付けていただいたかわかりません。
放課後等デイサービスの児童指導員として、児童だけなく保護者様とのコミュニケーションを何より大切にしています。また、相手の目線に立ってニーズを捉えること、常に笑顔で対応することができます。これらの強みを活かし、今後は自分の大好きなものを通して誰かを元気付ける仕事をしたいと思うようになりました。
児童指導員から転職先おすすめ④:介護士や生活支援員など
- 「児童指導員は辞めたいけれど、福祉の仕事は続けたい」
- 「これまで培ってきた経験や知識を、困っている方やハンディキャップを負っている方を支援する方向で活かしたい」
- そう感じている方も多いのではないでしょうか。
少し視野を広げると、福祉の職場は児童指導員以外にもたくさんあることに気付きます。
具体的には、高齢者を支援する介護士福祉士や、障がい者を支援する生活支援員などです。
福祉の職種は幅広い選択肢があり、職場によって勤務時間も給料も休日も大きく異なります。
自分に合った職場を見つけることで、児童指導員として身に付けた福祉に関する知識や現場での経験を更に活かせます。
福祉職としてキャリアを積むことで、実務経験が必要な資格(ケアマネや児発管、サビ管など)を取得するチャンスに恵まれる可能性もあります。
管理職になると収入が上がるため、福祉職を続けたいと感じる方にはおすすめです。
児童指導員からの転職理由例文
- 高齢者福祉の現場に転職を決めたきっかけは、祖父が去年から介護サービスを利用するようになったことです。
デイサービスに通うようになった祖父は笑顔が増え、レクや行事のことをうれしそうに話してくれるようになりました。担当のケアマネージャーとの面談に立ち会った際には、その知識の広さと専門性の高さに大変感銘を受けました。
今後は障害児入所施設の児童指導員として培ってきた現場での経験を活かしつつ、高齢者福祉についての知識とスキルを身につけていきたいと考えています。
児童指導員からの転職必勝のコツ3選
①「転職する」という決意を固める
何を当たり前のことを……と感じる方もいるかもしれません。
けれど、実はここが一番むずかしいんです。
✅「やっと信頼関係を築くことができた児童を裏切るようで忍びない」
✅「上司から引き止められたり説得されたらどうしよう」
責任感が強く真面目な方ほど、上記の理由から転職に踏み出せないことが多い傾向にあります。
しかし「児童指導員を辞めたい」と感じ、この記事を読んでいるあなたは、心身共に負担を感じているのではないでしょうか?
辞めることは逃げることではありません。新しいことにチャレンジするきっかけです。
転職を成功させるためにも、まず辞める決意を固めましょう。
辞める意向を周囲に伝えたり、いつまでに転職すると期日を決める、新しい場所で活躍する自分をイメージするのがおすすめです。
②自分の強みを知り、言葉にする
児童指導員として働いたあなたには、たくさんの強みがあります。
この記事では「コミュニケーション能力」と「臨機応変に対応できる柔軟性」、「スケジュール管理能力」について触れましたが、児童指導員として働くなかで身に付くスキルは他にもたくさんあります。
- 職員間での連携を大切にしてきた。
- 掲示物の作成が得意だった。
- 職員会議のレジュメが見やすいと評価された。
- 保護者からの要望に柔軟に対応してきた
……などなど。
あなたが得意としていること、頑張ってきたこと、評価されたことを思い返してみてください。
それはあなたの強みであり、立派なスキルです。
言葉に置き換え、伝える練習をすることが、転職を成功させる大切な鍵になります。
③転職に向けて動き出す
「転職する」と決意を固め、自分自身の強みを見つけても、行動にうつさなければはじまりません。
小さいことからでも大丈夫です。
例えば、
✅求人情報を見てみる。
✅業種ごとの特徴をリサーチしてみる
などなど。
どんなに些細なことでも、大きな一歩です。
その一歩の積み重ねが転職の実現につながります。
児童指導員からの転職先をもっと知るには?
児童指導員から転職したいと考える方におすすめの職種を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
児童指導員からの転職先を更に具体的に知りたい方には、転職エージェントがおすすめです。
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しかし、
「転職エージェントってたくさんあって、どこを選べばいいのかわからない……」
と悩む方も多いのではないでしょうか。
おすすめは、転職エージェントの中でも業界大手の「dodaエージェント」です。
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プロのキャリアアドバイザーに相談にする中で、迷っていること、不安なことを少しずつ解消していけるのも大きな魅力です。
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