品質管理から転職したいと考えているあなたに、品質管理からの転職先おすすめ4選を元品質管理経験者が厳選してご紹介致します。
「不具合の対応ばっかりで大変」
「同じことの繰り返しでつまらない」
「次から次に不具合が起きて終わりがない」
と品質管理の仕事に悩みを抱えていませんか?
品質管理からの他職種への転職はむずかしいと言われています。
品質管理から転職が可能な仕事がわかれば、具体的な転職先やキャリアアップが見込める方法が分かります。
品質管理の仕事を辞めて、未経験で有利な転職先に転職したいと考えている方はぜひご参考にしていただけますと幸いです。
黒原ゆうじ
株式会社東芝 品質管理職に従事 13年間従事。
転職し三菱重工株式会社に品質保証職に12年従事。
現在は本業と兼業で副業Webライターとして活動中。
【2022年8月19日最終更新】
目次
品質管理を辞めたい/転職したい理由
品質管理の仕事は設計や製造とは違った大変さがあります。そこで、品質管理を辞めたくなる理由を5つ紹介します。
- 不具合の対応に追われる
- 仕事をコントロールできない
- 社内の調整が大変
- 幅広い知識が必要
- 達成感がない
順番に解説して参ります。
不具合の対応に追われる
モノを作ることにおいて、機械が作るにしても人が作るにしても、どうしても不具合は発生します。
社内の工程で不具合が発生すれば生産ラインが止まってしまうため、再稼働させるために修理や調整が必要です。
お客様へ納めた製品で不具合が発生すれば、代わりの製品を送るだけで済む場合と、製品によってはお客様のところへ出向いて調査や修理が必要です。
不具合の対応は緊急性が高く素早い処置を求められますので、プレッシャーが大きいのも辞めたい理由のひとつです。
仕事をコントロールできない
仕事をコントロールできないのは、不具合の発生を予測できないからです。
不具合を作る会社はありません。製品に問題が無いように工場ではさまざまはチェックや検査を行います。それでも100%まったく同じモノは作れないため、何かしらの不具合は発生するのが実情です。
不具合の発生は予測できないので、場合によっては残業や土日の出勤もありますし、不具合の内容によっては徹夜で対応します。
そのため、仕事をコントロールできず自分の時間を確保できないことも仕事を辞めたい理由のひとつです。
社内の調整が大変
不具合が発生した場合、設計や製造などの社内関係者に協力をお願いします。しかし社内関係者から協力を得られないことも実際にあります。
1番の理由は、通常の業務で忙しいからです。
しかし、問題の原因は設計や製造のミスだったり、ルールがなかったりすることがほとんどです。
品質管理は、設計や製造に問題の原因を調査して対策の検討をお願いしますが、協力的ではない人もいらっしゃいます。
社内の調整が大変なことも辞めたい理由のひとつです。
幅広い知識が必要
不具合の対応には、幅広い知識が必要です。製品の知識はもちろんのこと、細かい部品の知識、製造の手順、検査の方法などさまざまです。
理由は、お客様からの問い合わせに回答するため。
知らないことは知っている人に聞けば済むことですが、問題はひとつの問い合わせで終わらないことです。
お客様から「これはどうなっているの?」「ではこっちは?」など次から次に質問があった場合に、毎回お待たせするわけにはいきません。
品質管理の仕事についたばかりでは仕方がないことですが、覚えることが多いのも辞めたい理由のひとつです。
達成感がない
設計は製品を作るために図面を描いたり部品を検討したりしますが、製造は組み立てや部品を取り付けて製品を作ります。それぞれ「モノを作る」仕事です。
しかし品質管理はモノを作りません。できた製品が問題ないかを確認するのが仕事です。自分が作ったモノではないため、達成感がありません。
品質管理の仕事は、製品に問題がない状態で100点であり、問題が起きた時点で減点されます。
いくら頑張っても100点以上にならないため、仕事のモチベーションが上がらないことも辞めたい理由のひとつです。
品質管理で働くことで身につくスキル
品質管理で働くことで身につくスキルは「ロジカルな思考」です。
問題が起きた場合、まず問題の原因を突き止め、原因を突き止めたあとは、同じ問題が起きないように改善方法を導き出すことが大切です。原因の追求や改善方法の検討には、ロジカルな思考で一連の流れを考えます。
なぜなら、ロジカルな思考で論理的なつながりがないと問題の原因が的外れになります。
原因が的外れだと、いくら改善しても同じ問題を繰り返してしまうことになり、結果お客様からの信用を失い会社の売上が下がることにつながります。
品質管理で働くことで日々いろいろな問題に向き合いますので、問題の原因を追求していく過程で「ロジカルな思考」が身についていきます。
品質管理から転職先おすすめ①:品質保証
品質管理から転職先おすすめ①は、品質保証です。
品質管理は、製造の各工程において基準にしたがってモノがきちんとできているか検査を通して管理しますが、品質保証は会社の仕事全体を監視する役目があります。
営業から設計、調達、製造、検査、出荷といった各部署の仕事のルールに問題がないか、きちんとルール通りに仕事がされているかを管理します。
品質保証をおすすめする理由は、流れ作業的な品質管理と違い品質保証は会社の業務全体の監視役を担当するからです。製品の品質を上げるため、業務の改善を提案することが可能です。
問題は、品質管理と品質保証の立場がきちんと分かれているかどうかは、会社によってさまざまな点です。品質管理と品質保証が同じ会社も多くあります。その点は、気になった転職先の組織図を確認するのがポイントです。
品質保証への志望動機例文
志望動機としては、「現状の業務を洗い出してムダと思われる部分の効率化など、業務を改善する仕事がしたい。」「攻めの品質を行いたい。」といったところです。
品質管理から転職先おすすめ②:ISO審査員
次に品質管理からおすすめする転職先は、ISO審査員です。
品質管理の仕事をしていく中で関わりがあるのがISO9001で、ISO9001とは品質マネジメントシステムに関する国際規格で、この規格を取得している企業は「よい製品を作るシステムを管理しています」と言えます。
企業はISO9001の取得継続のため指定機関の審査を受ける必要があり、そのための審査員です。
ISO9001審査員をおすすめする理由は、品質のプロフェッショナルだからです。個人として品質管理の分野でスキルと知識を向上させることができます。
しかし、問題はISO9001審査員になるためには資格が必要です。独学でも取得が可能ですが、認定されたスクールでトレーニングを受講することも可能です。
「品質管理のプロフェッショナルを目指したい」人におすすめの転職先です。
品質管理から転職先おすすめ③:在庫管理
次におすすめする品質管理から転職先は、在庫管理です。
おすすめする理由は、在庫管理の仕事がピッキングや検品、梱包といった業務があり品質管理の経験を活かせる点と、実務経験をつむことで「倉庫管理主任者」という資格を取得できるからです。
資格を取得することで更に給与や労働条件が良い会社へ転職も可能です。
有名な企業だと「Amazon」があります。最近、日本国内に拠点倉庫を増やすという発表もありましたので、求人も増えていくと予想されます。
Amazonへの転職は、英語力やマネジメント力といったスキルも求められますが、やりがいもあるのではないでしょうか。
関連:Amazonの転職難易度は?エンジニアの年収や中途採用面接
品質管理から転職先おすすめ④:製造業コンサルタント
最後におすすめする転職先は、製造業コンサルタントです。
製造業コンサルタントは現職のキャリアを活かしつつ待遇がアップする可能性が高い仕事です。
おすすめする理由は、メーカでの業務経験を活かすことができる、またコンサル経験後のキャリアパスが見込める点で、1番大きなメリットは年収面の充実が上げられます。
コンサルティング業界の平均年収は1316万円。トヨタ自動車の平均年収が800万円と比較すると給与の高さがよくわかります。とても大きな魅力です。
転職するのであれば、若いうちから考えておくのもの良いでしょう。しかし最低でも5年以上の経験は必要ですので、ある程度の専門性を身につけてから転職を考えた方がいい結果に繋がります。
品質管理からの転職必勝のコツ3選
次に品質管理からの転職必勝のコツを3つ紹介します。
- 仕事の実績を具体的な数字で示す
- 苦労した事例を紹介する
- 失敗した事例を紹介する
順番に解説して参ります。
仕事の実績を具体的な数字で示す
自分がこれまでに行ってきた業務を具体的な数字で表して実績を示します。
例を上げると、
「これまで製品の検査を月に◯台、トータル◯台を実施してきました。お客様に納入してからの不具合は◯件ありましたが、単純な部品不良でしたので検査ミスなく業務を行ってきました。」
といった形です。
具体的な数字をあげることでこれまでに行ってきた仕事の具体性が増しますし、不良の数字と自分に非がなかったことを示すことで、信頼性もあがります。
苦労した事例を紹介する
自分が苦労した事例を紹介します。苦労した話で面接者を共感させるためです。
例えば、不具合の対応でお客様からのクレームを紹介すると、
「お客様からクレームの中には、お怒りの状態でお電話することもあります。そんな状況の中でお客様の話を真摯に聞き、求めるものを見極めるように務めました。スムーズな解決はできませんでしたが、結果的に解決したことでお客様が満足された時は、こちらも嬉しく感じました。」
といった感じです。
ここでポイントはアピールしすぎないことで、自分語りになってしまうとマイナスの評価になってしまいます。
失敗した事例を紹介する
誰もが必ず失敗をします。
失敗の経験があるほど学んだことが大きいと面接者も理解していますので、自分が失敗した事例を紹介しましょう。
「ある業務で失敗して落ち込んだが再度チャレンジする機会があり、今度は成功した。」と言ったストーリー的な話もいいです。1つだけではなく、2つか3つほど話を用意しておきましょう。
ここでのポイントは、失敗して「何を学んだか」が大切で、再度チャレンジして上手くいったことではありません。「何を学んだか」が重要です。学んだことを意識して紹介しましょう。
品質管理からの転職先をもっと知る方法
先ほど解説したような転職活動の準備を自分でやるのは非常に困難と言えます。求人情報は膨大な量が出回っていますし、面接時の想定問答も自分自身で作成できるものではありません。
業界特有のメリット、デメリットについても、あらゆる情報が出回っており、どの情報に基づいて転職活動を進めればよいのか戸惑ってしまいます。
そこでおすすめなのは、1人で転職活動を行うのではなく転職のパートナーである転職エージェントを利用して一緒に進めていくという方法です。

数ある転職エージェントの中でも、特に転職に役立つ転職エージェント『doda』『マイナビエージェント』を活用しましょう。
dodaやマイナビエージェントには単に求人情報だけでなく、情報収集、職務経歴書の作成方法、面接対策など、転職に必要なあらゆる情報が網羅されています。
オンラインでのキャリアカウンセリングも行っており、専任のキャリアカウンセラーに様々なアドバイスをしてもらうこともできます。
一人で転職活動を進めるよりもカウンセラーの意見を参考にしながら進めた方が、より自分に適した転職を実現できることでしょう。
