転職活動を行うにあたってほとんどの人が利用する転職サイトと転職エージェント。
「求人情報を得て転職を目指すためのサービス」という点では両サービスとも一見同じようなサービスのように思えますが、両者の利用方法や受けられるサービスの内容は根本的に異なります。
今回は、両サービスの違いやメリット・デメリット、有効活用するための秘策まで業界を知り尽くした元キャリアアドバイザーとして裏情報を交えながら徹底的に解説します。
かなりボリューミーな内容となっていますが、この記事を読めばあなたがどちらのサービスを利用すべきか知ることができますので、ぜひ最後までお読み頂ければ幸いです。
目次
転職サイトと転職エージェントの決定的な違い
転職サイトと転職エージェントの違いについてお伝えして参ります。
比較した項目としては、
サービス特徴の違い
求人の種類の違い
企業情報の違い
企業とのやり取りの違い
転職成功率アップの施策
上記5つの項目に分けて、違いを比較して参ります。
サービス特徴の違い
転職サイトとは、サイト上に掲載された求人情報を自分で探し、企業への応募から内定までの一連のやり取りをサイト上で完結できるサービスです。
一方で転職エージェントは「キャリアアドバイザー」と呼ばれる転職のプロが仲介人として企業と転職希望者の間に入り、転職をサポートするサービスです。
▼転職エージェントの仕組み
キャリアカウンセリングを行って「強み」や「特性」を引き出し、最適な求人企業の紹介を受けられる他、転職活動のさまざまな場面でプロによるサポートを受けることができます。
求人の種類の違い
転職サイトに登録すると、転職サイトが取り扱う全ての求人を24時間いつでもどこでも検索して閲覧することが可能です。
また、「スカウト機能」を利用すれば、企業から直接オファーを受けることもできます。
一方で転職エージェントでは、取り扱っている求人の約80%が「非公開求人」といって一般には公開されていない求人になります。
非公開とされている背景としては、
・まだ世間に公表できない新規ビジネス立ち上げポジションの募集
・募集人員が少ない求人に多数の応募が来られても企業側の対応が困難である
…etc
など企業によってさまざまな事情があります。
参考:非公開求人とは?転職者のメリット・デメリットと非公開の理由
一般的な転職サイトでは取り扱われないような、「非公開求人」の中から自分に合った求人を紹介してもらえるのが、転職エージェントの魅力の一つでしょう。
企業情報の違い
転職サイトでは、サイト上に掲載されている企業情報が得られる情報の全てになりますが、転職エージェントでは、求人票に記載されていない企業情報もキャリアアドバイザーから直接聞くことができます。
▼キャリアアドバイザーに直接聞ける
求人票に記載されていない情報の例を挙げると、
・企業がどのような人材を求めているのか
・過去に採用された人材の傾向
・職場の人間関係や雰囲気
上記のような選考に通過しやすくなるためのポイントや、企業に実際に足を運んで採用担当者と会話しなければ知り得ないような”裏情報”を教えてもらうことが可能です。
企業とのやり取りの違い
転職サイトでは、求人の応募から面接日程の調整などの企業とのやり取りを、全てサイト上で行うことができます。
自分のペースでサイトにアクセスして活動できることがメリットと言えるでしょう。
一方で転職エージェントでは、選考における全てのやり取りを転職エージェントが代行して行います。
基本的にはメールや電話で担当のキャリアアドバイザーとやり取りして決めていきます。
日程調整だけではなく、なかなか自分の口からは言い出しにくい入社前の年収交渉も代行して行ってくれることは転職エージェントの最大のメリットでしょう。
関連:転職エージェントの年収交渉・給与交渉を成功させる方法徹底解説
転職成功率アップの施策
転職サイトでは、サイト内に設けられた応募書類作成ツールやキャリアタイプ診断、面接ノウハウ特集などを活用することで、成功率アップに繋げられる対策を行うことができます。
しかし、応募企業一社一社に合わせた対策ではないため、自分で企業情報を収集して対策を行う必要があります。
転職エージェントでは、キャリアカウンセリングに基づく適正求人の紹介から、応募先企業に合わせた書類添削や模擬面接などの対策まで、選考フェーズに合わせたさまざまな対策を受けることができます。
転職エージェントの各種対策サービスを利用することで、転職成功率は10~15%アップすると言われています。
関連:転職エージェント経由と直接応募はどっちが選考に受かりやすい?
転職サイトと転職エージェントのメリットとデメリットを比較
それでは次に、転職サイトと転職エージェントのメリットとデメリットをそれぞれ比較しながらお伝えしていきます。
転職サイトのメリットとデメリット
<転職サイトのメリット>
サイトに掲載された全ての求人から自分の好みの条件で企業を探すことができる
スカウト機能を利用すれば企業から直接オファーを受けることができる
全ての企業とのやり取りをサイト内で行うことができるため、管理を一元化できる
応募企業の採用担当者と直接やり取りすることができる
転職サイトの最大のメリットはなんといっても、24時間いつでもどこでもサイトを見て求人を探すことができる点です。
通勤時間やちょっとした隙間時間に求人の検索を行ったり、企業の担当者と面接日時の調整をスマホからでも行うことができる点が魅力的です。
また、転職サイトの特徴の一つでもある「スカウト機能」を利用すれば、自分では見つけられないような企業からオファーを受けることができたり、場合によっては書類選考を省いていきなり面接から選考を開始できる、というメリットもあります。
<転職サイトのデメリット>
面接日程や条件交渉などを全て自分で行わなければならないため手間がかかる
サイト掲載以外の企業情報は自分の力で調べる必要がある
選考で評価された理由や通らなかった理由を知ることができない
誰でも応募できる求人のため、質の高い求人が少ない
転職エージェントであれば当たり前のように受けられる、書類添削や面接対策などのサポートが受けられないことが転職サイトのデメリットでしょう。
企業情報も自分の力だけでは集められる情報に限りがあるため、転職成功率を上げるための対策を自分だけで行うことは難しくなってしまいます。
また、選考結果の根拠を知ることもできないため、何度面接を受けてもブラッシュアップすることができず、同じ原因で不合格となってしまうことも少なくありません。
転職エージェントのメリットとデメリット
<転職エージェントのメリット>
転職活動に必要なサポートを無料で受けられる
一般には公開されていない「非公開求人」を見ることができる
キャリア相談や転職活動の進め方などの相談に乗ってもらえる
一人では知り得ることのできない企業情報を入手することができる
転職エージェントは採用企業から成果報酬として報酬を得ることでビジネスを成立させていますので、求職者であるあなたは一切の費用を払うことなく、すべてのサービスを無料で受けられることが最大のメリットと言えるでしょう。
特に企業の裏情報を入手できたり、面接のフィードバックを受けられることは転職成功率をアップさせられる大きなメリットになりますので、転職エージェントを利用する場合はぜひ活用していただきたいサービスです。
<転職エージェントのデメリット>
求人紹介を受けるまでに対面もしくは電話でキャリアカウンセリングを受ける必要がある
やり取りはメールや電話になるため、自分のペースだけで活動することができない
エージェントの営業トークに乗せられて、誤った転職をしてしまう可能性がある
転職市場価値が低い場合、サービスの提供を断られる可能性がある
人の応募や選考の合否など選考にかかわる全ての連絡が「メールor電話」になりますので、サイト内ですべて完結できる転職サイトと比べて求時間の融通が利かないことが、忙しい社会人にとってはデメリットになるでしょう。
また、先ほどお伝えした通り紹介した人材の入社が決まって初めて報酬を得られるビジネスモデルのため、転職成功確率が低いと判断された場合は登録を断られるケースもあります。
報酬の高い企業に入社させようと転職希望者の希望を無視した求人への応募斡旋を行ってくるケースもあります。
自分の目でエージェントを見極める力が必要になると言えるでしょう。
自分に合った転職サイトと転職エージェントの選び方
次に、自分に合った転職サイトや転職エージェントの選び方について解説していきます。
自分のニーズに合っているか
転職サイトも転職エージェントもそれぞれ強みがあります。
例えば、
・第二新卒に強い
・営業に強い
・WEB系専門
…
上記のように各社にコンセプトがありますので、自分のキャリアとニーズに合っているサイト・エージェントを見つけることが転職成功への第一歩になります。
登録してみて「希望する条件の求人が無いな」と感じた場合は、他のサイトやエージェントにも登録するという視点も必要でしょう。
【業界・職種別】おすすめ転職エージェント一覧
どのくらいの求人掲載数があるか
「どのくらいの掲載求人数があるか」は、転職サイトや転職エージェントの質の高さが伺える一つの指標になります。
なぜならば、費用を掛けて採用する企業にとっては、少しでも費用対効果の高いサイトやエージェントに採用を依頼したいと考えるものだからです。
取り扱い求人数が多いということは、「費用を払う価値が高い」と判断した企業が多いことを意味していますので、ぜひ求人掲載数にも目を向けてみてください。
求人数重視の転職エージェントおすすめランキング
信頼できる担当者を見つける
これはエージェントに限ったことになりますが、ぜひはじめは複数のエージェントに登録して相性の良い信頼できる担当者を見つけてみてください。
転職エージェントを利用した転職活動の成功の要になるのが「キャリアアドバイザーとの相性」といっても過言ではありません。
転職エージェントはどのエージェントも無料で登録できますので、複数社利用しないメリットはどこにもありません。
あなたの転職活動の全てを委ねることになるわけですから、信頼できるキャリアアドバイザーのもとで、二人三脚で転職活動を進めていきましょう。
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転職サイトと転職エージェントを300%有効活用する方法
転職サイトと転職エージェントを300%有効活用する方法として、もう一歩踏み込んだ使い方について元キャリアアドバイザーという視点でご紹介していきます。
転職サイトの使い方
複数サイトに登録する
ぜひ3社以上のサイトに登録することをおすすめします。
・全ての業種や職種を取り扱うオールラウンド型のサイトと
・あなたの希望している業界や職種に特化したサイト
・あなたのキャリアに合ったサイト
3つに登録してみると、それぞれ違った求人を見つけることができ、よりあなたに合う企業に出会える可能性が高くなるでしょう。
企業へのレスポンスは「早く」行うことを意識する
転職サイトを通して転職活動を行う場合、企業とのやり取りは全て自分で行うことになります。
連絡が遅くなるとその間に他の人に採用が決定してしまうこともありますので、サイト内でメールを受信した日からなるべく日を空けないことが大事です。
お礼の言葉とともにサイトを通した応募作業や面接希望日時の調整を行いましょう。
転職エージェントと並行利用する
転職サイトだけでも十分な数の求人があるように思えますが、世の中には数十万件の「非公開求人」が存在しています。
非公開求人を見るためには転職エージェントに登録する必要がありますので、ぜひ転職エージェントも並行して利用してみましょう。
非公開求人は一般には出回っていない良質な求人が多く、非公開求人の紹介を受けられるだけでも転職エージェントに登録するメリットがあると言えます。
転職エージェントの使い方
希望や言いにくいことは早い段階で伝える
転職エージェントでは取り扱っている全ての求人を自由に見ることはできません。
キャリアカウンセリングの結果を踏まえて、担当のキャリアアドバイザーがあなたに合った求人を紹介してくれます。
ですので、言いにくいリクエストであっても希望条件や年収の条件などは早い段階で伝えておくことが、ミスマッチを起こさないためのポイントになるでしょう。
担当者と合わない場合は遠慮なく申し出る
一言で「キャリアアドバイザー」といっても一人の人間に変わりありませんので、相性の良し悪しは必ず発生することです。
ただでさえストレスを溜め込みやすい転職活動の中で、更にストレスになっては本末転倒ですので、「合わない」と感じた時は一人で悩まずに、担当者以外のエージェント社員に遠慮なく申し出ましょう。
WEBから変更を依頼することができるようなシステムが整っている転職エージェントもありますので、変更方法を最初に確認しておくといいですね。
担当者の言いなりにならない
転職エージェントはあくまでもビジネスを目的とした営利企業になりますので、あなたの希望よりも自社の売り上げを優先して、本意でない企業に応募させようとしてくることもあります。
悪質なエージェントでもない限り滅多にないことですが、担当者の言うことを全て鵜呑みにせず、最終的な判断は必ず自分の意思で行うようにしましょう。
転職サイトと転職エージェントどっちを使うべきか
ここまで転職サイトと転職エージェントを比較しながら特徴や違いについてお伝えして参りましたが、結局のところどちらを転職活動で利用するのが良いのでしょうか。
結論を言うと、本気で転職活動を行っていきたいというのであれば、間違いなく転職エージェントを利用することを強くオススメします。
転職サイトはあくまでも補助的な役割にすぎず、あくまでもメインのサービスとしては転職エージェントを中心に転職活動を行った方が遥かに効率的に情報収集できますし、選考通過率も高くなります。
転職エージェントの中でも、業界最大手No.1の求人数と転職者実績数を誇るリクルートエージェントはダントツでお勧めなので、ぜひ利用を検討されてみてくださいね(※
リクナビNEXTという転職サイトも運営しているので、併用可)。
転職エージェントと転職サイトを活用しながら、あなたが「転職して本当に良かった」と思える日が来ることを心から応援しています。