転職エージェントを何社登録すべきか悩んでいませんか?
転職活動を行う人が実際何社くらいの転職エージェントに登録しているのか、どういう転職エージェントに登録しているのか、なぜ複数に登録した方が良いかなどを元キャリアアドバイザーとして培った経験を元に説明します。
転職活動を始める際に多くの人がまず行うべきことは、転職エージェントへの登録です。
転職エージェントに登録するのことはとても簡単であること、また、転職開始時は何をして良いか分からない、という理由からとりあえず登録する人が多いのが特徴です。
とりあえず登録する場合でも、何社登録するかということがその後の転職活動に大きな影響を与えます。
目次
転職エージェントは何社登録すべきか
転職エージェントの登録数は人さまざまで、多い人では10社以上に登録している人もいます。
全体の平均を見てみると登録平均は「2.1社」という調査結果になりました。
しかしその一方で、転職に成功している人はなんとその2倍の平均「4.2社」複数登録して併用していたというデータが明らかになっています。

1社しか転職エージェントに登録していない人はたった1割しかいないので、転職を成功させるためには、複数の転職エージェントに登録した方が良いと感じている人が多いという証拠ですね。
この結果から少なくとも最低「2社」、理想を言えば「4社」の転職エージェントに登録することがおすすめと言えます。


転職エージェントを複数登録するメリット&デメリット
転職活動を成功させている人の中には、平均2社の転職エージェントに複数登録している人が多いことは前述した通りですが、複数併用する具体的なメリットは何なのでしょうか?
ここではデメリットと共に詳しく解説してまいります。
転職エージェントに複数登録するメリット
用途によってエージェントを使い分けられる
転職エージェントはそのエージェントによって、得意業界・職種・コンセプトなどの強みが異なったり、求人量に力を入れているエージェント、書類添削や面接対策に力を入れているエージェントなど、受けられるサービスにも違いがあります。
更に、同じ求人を保有していてもエージェントごとに持っている情報が異なる場合も。
例えば、「転職はしたいけど自分にはどんな業界や職種が合っているか分からない」という場合は、dodaエージェントのような、さまざまな業界や職種の求人案件を多数保有している「大手エージェント」が合っています。
逆に、志望する業界や職種が決まっている場合は、あなたの希望の分野に特化した「業界特化型エージェント」に登録すると、スムーズな転職活動が行えるでしょう(※後ほどまた詳しく解説します)。
最適なキャリアアドバイザーを見つけられる
転職エージェントを活用する場合に一番重要なことは、自分と相性の合った優秀なキャリアアドバイザーに出会えるかどうかということです。
転職エージェントに登録した後はほとんどの場合、自分を担当してくれる専属のキャリアアドバイザーが決まり、キャリアアドバイザーの意見やアイディアに従って転職活動を進めていくことになります。

しかし、キャリアアドバイザーも人間なので人それぞれ経歴や思考、性格がさまざまですが、特に重要なのはあなたの考えと合っているかどうか。
違う考えを取り入れることも時には大切なことですが、考え方や性格が合わない、と感じるキャリアアドバイザーに転職活動を任せることは不安やストレスに繋がることもあります。
そのため、最初は複数の転職エージェントに登録して実際にキャリアカウンセリング(面談と呼ばれることもあります)を行ったうえで、あなたに一番合った最適なキャリアアドバイザーを見つけ出しましょう。


最適なキャリアアドバイザーを見つけられることで、転職活動をより楽しくスムーズに行えるようになる筈です。
選べる求人案件数が増える
登録している求人案件は、転職エージェントによって異なります。
そのため、複数の転職エージェントに登録すれば、それだけ多くの求人案件から転職先を選ぶことが出来るということです。
ただ、いくら求人案件数が増えても、
・自分の転職に関する考えや方向性がまとまっていない
・ビジネスマナーが出来ていない
・キャリアアドバイザーとの関係を良好に保つことが出来ない
…etc
という状況では、良い求人は紹介してもらえないので、あくまでもご自身の転職軸の整理はきちんと済ませておくようにしましょう。
転職軸を整理するという意味でも、やはり親身に対応してくれる担当キャリアアドバイザーの存在は不可欠なので、複数のエージェントを活用してみた方が良いです
履歴書や職務経歴書をブラッシュアップできる
多くの転職エージェントは登録者の履歴書や職務経歴書の添削サービスを行っています。
ただ、添削はその個人の主観もはいるため、複数の人に見てもらうのが理想です。
複数の転職エージェントに登録しておけば、それぞれのエージェントで添削をしてもらえるので、添削を重ねていくうちにどんどんブラッシュアップできます。
書類選考においては業界最大手のdodaエージェントが強いと定評がありますので、ぜひ利用を検討されてみましょう。
転職情報に詳しくなれる
転職エージェントに登録すると、ひとりひとりにキャリアカウンセラーがつきますが、基本的には一度決まると担当者が変わることはありません。
そのため、転職に関しても引き出せるのはその人が持っている情報だけになり、限界があります。
複数の転職エージェントに登録すると、エージェントごとにキャリアカウンセラーがつくので、多くの人から違う情報を引き出すことができるのがメリットです。
転職エージェントに複数登録するデメリット
転職エージェントを有効活用するにはメリットだけでなく、デメリットについても理解しておく必要があります。
それでは、早速デメリットの詳細についてみていきましょう。
管理が複雑になる
複数の転職エージェントとやり取りをしていると、情報が混ざってどこの案件が分からなくなってしまう事があるかもしれません。
しかし、間違えて他者の案件について話してしまうことは失礼にあたります。
転職エージェントから良い仕事を紹介してもらうためには、良い印象を持っていてもらう必要があるため、この間違いは痛手になるでしょう。
エージェントの対応に時間がかかる
また、多く登録すればするほど、転職エージェントからのメールや電話での連絡も多くなりますので、すべてに対応するのが大変になるというデメリットもあります。
とくに職務経歴が優秀な人であればひっきりなしに連絡がきて応募の打診をされるので、すべてにしっかり対応することは難しくなることも。
そのような場合は、優先順位をつけるしかありません。
数ある求人の中から自分が本当に受けたいものを厳選して応募するということです。
ただ、連絡を無視すると見切りをつけられてしまいますので、最低限の返信はするように心がけましょう。
関連:【転職エージェント】連絡こない=見捨てられた?理由と対処法
まず最初に登録する転職エージェント”2社”の選び方
2社以上の転職エージェントに登録した方が良いということは分かりましたが、やみくもに2社登録したら良いわけではありません。
2社の選び方のポイントを解説して参ります。
選び方その①:転職エージェントの規模に注目
ひとつめのポイントは、転職エージェントの規模です。
結論から言うと、ひとつは「大手転職エージェント」、もうひとつは「中小転職エージェント」に登録しましょう。
大手エージェントと中小エージェントでは得意とするところが違うので、それぞれのいいとこ取りをすることができるからです。
〜大手転職エージェントのメリット〜
保有求人件数が多く、多くの求人の中から自分に合った仕事を見つけやすい
転職実績が豊富なため、転職に関するノウハウやデータを膨大に保有している
紹介企業の「内部事情」を握っているため、面接の際に有利な情報をもらえる
書類添削や模擬面接など選考対策のセミナーコンテンツが豊富
大手エージェントは、とにかく保有求人件数が多いということがメリットで、多くの求人の中から自分に合った仕事を見つけやすいという特徴があります。
過去の求人紹介件数も多いので、転職に関するデータも膨大に保有しています。
また、大手だからこそ得ることができる「それぞれの会社の内部事情」を握っているので、面接の際に有利な情報をもらうことができるという特典もあります。
大手転職エージェントのおすすめについてはダントツ「doda」で、大手でありながらキャリアアドバイザーの親身な対応に定評があるのでまず最初に利用すべき転職エージェントと言えます。
〜中小転職エージェントのメリット〜
担当者一人当たりの求職者が少ないので、登録者ひとりひとりに親身な対応が期待できる
応募企業に対してライバルの数が少ないので、良い求人が回ってくる可能性が比較的高い
地方など地元に密着した企業を紹介してもらえるエージェントもある
転職エージェントを使って転職を成功させるためには、担当者(キャリアアドバイザー)との良好な関係が不可欠です。
転職エージェントがどんなに多くの求人を保有していても、キャリアアドバイザーがあなたのことをしっかり理解してくれ、希望条件に合った仕事を紹介してくれなければ転職活動は思うように進まないでしょう。
さらに大手エージェントのように登録数が多ければそれだけ「ライバルも多い」ということ。
良い求人案件があっても優秀なライバルに取られてしまい、良い求人があることさえ知らされないこともあるのです。
中堅・中小の優良転職エージェントおすすめは「パソナキャリア」で、2019年度顧客満足度No.1エージェントに選ばれるという功績も残しており、非常に一人一人への対応の丁寧さに定評があります。
選び方その②:転職したい業界・職種に特化した会社を使う
大手エージェントはさまざまな求人案件を保有しているので、あらゆる業界から仕事を見つけることができるでしょう。
しかし、やはり特定の業界に特化した転職エージェントには勝てません。
例えば、アパレル業界への転職を希望する場合は「クリーデンス」を例にあげます。
一般的な転職エージェントにアパレル業界の求人情報が登録されていることは少なく、あっても「販売職」になります。
しかし、クリーデンスならデザイン、パタンナーなど企画職の仕事も多く登録されているため、多くの転職の選択肢をもつことができるという訳です。
業界に特化した転職エージェントは専門性が高い分、その業界に関する知識や技術、経験がなければ良い求人を回してもらえる可能性が低くなるという厳しい現実もあるでしょう。
選び方その③:ポジション(年齢)に注目
転職活動といっても、新卒の転職活動とすでに長年の仕事経験があって役職にも付いている人の活動方法は全く異なったものになるでしょう。
転職エージェントの中にも新卒〜第二新卒に強いエージェントや役職レベルでの転職に強い転職エージェントがあります。
例えば、「マイナビジョブ20's」や「マイナビエージェント」は、仕事をし始めて間もない20代前半の方の転職に特化している転職エージェントです。
やりたい仕事がまだよく分からない、向いている仕事が分からないという人でも親身になって相談に乗ってくれるところが特徴です。
【2019】第二新卒向けの転職エージェントランキングTOP3
逆に、役職レベルでの転職を希望する人におすすめな「JACリクルートメント」のような、ハイクラスの転職に特化した転職エージェントもあります。
職歴やスキルを登録しておくだけで、優良企業や一流ヘッドハンターから直接スカウトが届くという仕組みなので、現在の仕事が忙しい人でも転職活動が行えるのが魅力です。
最大限に活用するためにはプレミアムに登録する必要があり月会費がかかりますが、まずスカウトを通して市場価値を見てみたいという人は月会費無料の「スタンダード会員」がおすすめです。
【40代・50代】中高年に強い転職エージェントおすすめランキング
選び方その④:キャリアカウンセラーの在籍数が多いかチェック
転職エージェントでの活動はキャリアカウンセラーの質にかかっています。
もし、キャリアカウンセラーの在籍数が少なかったら、選択の余地もないということ。
カウンセラーが優秀か優秀でないかだけでなく、性格が合うかという問題もあるので在籍数の母数は多い方が良いのです。
最初に担当になったカウンセラーと合わなかった場合、担当者の変更を希望することができます。
自分の希望する業界に詳しい人、担当者の性格などの詳細を伝えて、自分に合った担当者を選んでもらうには選択肢が多い必要があるのです。
転職エージェントを複数掛け持ちしていることは言うべき?
結論からいうと、転職エージェントを掛け持ちしていることを言っても問題ありません。
「転職エージェントには1社しか登録してはいけない」という決まりがあるわけでもないので、個人の自由です。
むしろ掛け持ちしていることを伝えた方が良いほどで、エージェントに伝えることであなたが希望する求人を懸命に探して紹介してくれる可能性も高まります。
どの転職エージェントもなるべく多くの会社と求職者のマッチングを成功させたいと思っていますので、複数掛け持ちしていることを伝えて上手く動いてもらいましょう。
転職エージェントを複数利用する際の注意点
転職エージェントを複数利用する際は「同じ会社の求人に別々の転職エージェントから応募しない」という点に気をつける必要があります。
キャリアアドバイザーとして働いていた時に企業側へ求職者の推薦を行っていると、「この方は他のエージェントから既に応募されているため受け付けられません」とお断りの連絡をいただくことがありました。
これは「重複応募」と言って、一人の求職者が同じ求人に複数のエージェントから応募した場合に発生するトラブルです。
重複応募をしてしまうと企業側に、
・自己管理ができていない人なんじゃないか
・適当な働き方をする人かもしれない
上記のようにマイナス評価をされてしまうことが多く、良い方向に働くことは決してありませんので、重複応募は絶対に行わないよう気を付けましょう。
転職エージェントを複数登録して上手に使いこなすテクニック
転職エージェントを複数登録するだけではまだ完璧ではありません。
以下で紹介するテクニックを使って転職エージェントをさらに上手に使いこなしましょう。
上手につかいこなすテクニック
・転職エージェントに登録後はこまめに連絡を入れ状況を確認する
・良い求人があればすぐにでも転職する意思があることを伝えておく
・うその個人情報やスキルを伝えない
・転職エージェントが作成した推薦文は事前に必ず確認する
・複数のエージェントから同じ求人案件に応募しないように注意する
・転職エージェントや担当者には誠意を持って接する
・ビジネスマナーを厳守する
・キャリアカウンセラーに不満があればすぐに担当変更を希望する。
・興味がある求人がある場合は、カウンセラーに会って詳細を聞く
転職エージェントは複数登録することで、さまざまなメリットが期待できます。
今回紹介したテクニックを使って転職エージェントを最大限有効活用し、転職を成功させられることを心から祈っています!


